だが、こいつの不注意の原因は。
だからそれを全部押しつけて、女の雙下巴こいつをこのコーヒーまみれの狭苦しいソファーに寝かすのは少々気が引けた。
「・・・いい。お前はベッドで寝ろ」
「でも、私のせいでご迷惑かけるわけには・・・」
「今さら何言ってんだよ!迷惑なら今まで何万回も掛けられてる!」
だが、あまりにもソファーの状態が酷いせいか、葉月はしつこく食い下がる。
そして俺もそれを断り続ける。
・・・暫くの間、平行線の譲り合いが続いた。
そして、いつまでも続く不毛な言い合いに、いい加減俺が疲れ果てて来た頃。
単なる勢いなのか、物のはずみなのか、それとも確信犯なのか・・・。
・・・気がつけば俺は、こんな事を言っちまってたんだ。
「あーめんどくせえ!だったら二人でベッドに寝りゃいいじゃねえか!」
言ってからしまったと思った。
これはどう考えても葉月をドン引きさせるパターンだ。
またさっき風呂場で裸を見ちま脂肪肝治療った時みたいに、エロオヤジだのなんだのって言われるに決まって・・・
「・・・分かりました。」
「は?」
俺は耳を疑った。
「分かりましたって・・・嫌じゃねえのかよ。」
「別に大丈夫です。土方さんはお父さんみたいなもんですし」
「俺はそんなジジイじゃねえ!!」
だが、そんな俺の言葉を涼しい顔で受け流した葉月は零したコーヒーの後片付けを始めた。
そして、コーヒーの黒い汁が滴るソファーのカバーをずるずる床に引き摺りながら洗濯機まで運んで、さらに被害を広げ俺の逆鱗に触れた。
・・・ったく本当に学習しない流動數據服務奴だ。