深いため息をつ

これ???、婚約指輪としてもらって、わたしたち離れ離れになっていたら、なんか気まずくなってもうはめられなかったでしょう?
でもなんか、こういう形でもらえたから、なんかこれからも一生?ず防脫髮
っとはめていられそう???かな」
と言ってミクはその指輪のダイヤの部分を大事そうに右手の人差し指でそっと撫でた。
そっか。
それはなんか、いい話だね」
とホンジョウもその指輪をミクにあげるタイミングとしてこの今がきっとベストだったのではないか、そんな風にも思え、胸元にポッと灯りがともったような暖かな気分になった。
お礼に何もないけど」
いや、いいよ、そんな」

そしてふたりは歩を進め、やがてそのまま茶沢通りの前に出た。

じゃあ、わたし???ここからタクシーで行くから」
とミクは言った。
そう」
おやすみ。
ああ、みんなにもよろしく」
わかった」
と言ってホンジョウは、そっとミクの唇に触れるだけのキスをする。
ミクもそっと唇だけでそれに応え、その後すぐに、
タクシー」
と言って手を上げると、停まったその車にサッと乗り込み、窓越しから笑顔で手を振った。
ホンジョウも見送るようにして右手を軽く振り、車がずっと遠くなっていくのをじっと見つめる。
そしてそのテールランプが遠
く点のようになるまでそこにたたずみ、やがてフーッと深いため息をついた。

リビングではそこの3人の住人とハマグチがマキの買って来た追加のワインを開け、2次会ムードで飲み直していた。
大分飲んだよねえ?
ボトル、もう4本空いてるし」
とマキ。
まだまだ、今日は朝まで行きますよ?」
とハマグチはまだ宵の口らしい。
するとトオルの携帯のバイブが彼のズボンのポケットでブルブルッと震え、トオルはすばやくその携帯を取り出すと、
はい」
と言って着信に応える。
ああ、トオル?あたし」
えっ?
ミユキ?」
うん、今から行ってもいい?」
えっ?
あ、ああ???、で曼谷自由行套票も来れないって言ってなかった?」
うん。
でも気が変わったの。


カテゴリー: 未分類 | 投稿者deficiency 12:12 | コメントをどうぞ

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