先日ラジオで講演会を聞いていたらあるセミナー講師がこんなことを話していました。
A.「言葉になってなくてもいい、言葉を書きだす」
あるいは
B.「言葉にする方法は言葉を思いついて言葉にして書いていくことで言葉にできることが実現できてしまう」
両方とも意味不明の文です。
このように話の一部だけを抜き出すのではなく、前後の文脈を聞けば意味が分かるはずと思う人もいるでしょうが、心配はいりません。
前後を聞いても意味は分かりません。
それでもよくしたもので、日本語は類推ができる言語であり、言いかえをすることによって意味が通ることもあります。
A.「文章になっていなくてもいい、単語を書きだすだけ」
B.「言語にする方法は単語を思いついて言葉にして書いていくことで言語にできることが実現できてしまう」
このように「文章」「単語」「言語」「言葉」などの簡単な言葉を使い分けることで、聴衆にもある程度分かりやすく理解してもらうことが可能です。
講演者の語彙が不足しており、何でもかんでも「言葉」と言ってしまうから、意味不明になってしまう好例です。
またひとつひとつの言葉に対して定義をきちんとしていないために、混乱させてしまいます。
「定義を調べるのが好き」と言うだけでなく、実際に「定義を調べて」「自分の中の語彙を引き出す」ことが大事なのですね。
なおBの「言葉にできることが実現できてしまう」なんて、稚拙な表現をしていますが、これはコミュニケーションの上達を目指すセミナーでした。