こんにちは田村です。
私は国立公園のある町で中学、高校時代を過ごしました。
何度も景色を見てきたが、最近訪れると、旅人のような気分になります。
生い茂った木々が色づいてゆく景観は、何十年も前と少しも変わることがありません。
だれに支配されることのない自然という地球による代謝です。
それは単調な生活の中に、生命を意識させてくれます。
1年1年と年を重ねた自分が、変わらぬ自然をどう受けとめられるかを自ら試す機会でもあります。
リゾート開発などと言って、多くの里が画一化されています。
自然だけでは人が集まらないと、造られるゴルフ場やテニスコート。
そして、それによってもたらされる自然破壊。
その土地特有の自然や景観と共存するつもりがない人たちが、楽な状態で自然と親しもうとする結果なのでしょう。
悲しいことに、そんなセンスの悪い人々が、多くの金や権力を握っています。
経済大国の屋台骨を支えるのに懸命で、美への感性など養う時間がなかったのでしょうか。
自然は彼らを憐れんでいるのかも知れません。
だから、なにをされてもじっと耐えているのです。
まだ多くの自然を残したわが里にも、その流れが押し寄せてくるのではないかと、気が気ではありません。(田村泰彦)