バーバリー プローサム(Burberry Prorsum)が、ロンドンファッションウィーク期間中、2016年春夏コレクションをケンジントン・ガーデンで発表した。会場には、モデルのケイト・モスにカーラ・デルヴィーニュ、 女優のシエナ・ミラー、俳優のベネディクト・カンバーバッチなど英国を代表するセレブリティに加えて、映画監督のバズ・ラーマンなど、錚々たるメンバーが駆けつけた。今季のテーマは「FUNCTIONREGALIA(ファンクションレガリア)」。これは「機能的な」という意味の“FUNCTION”と、王位や気品ある装いをあらわす“REGALIA”を組み合わせた造語。”機能的かつ気品のある服”、このスタイルをコレクションでは追い求めた。 そもそも気品のある装いとは、どういったものだろうか。これには多様な解釈があり得るけれど、CEOを務めるクリストファー ベイリーの出した答えは、やはり“REGALIA”という言葉に求めることができそうだ。ショーを概観すればすぐに分かるように、序盤から多くのルックで取り入れられていたのは、イングリッシュレース、スイスレース、イタリアンレースなど、まるでイギリス女王の衣装を彷彿とさせるような、美しいパターンのレース生地。ミニドレスに始まり、トップス、イブニングドレス、コートとその取り入れ方も多種多様だ。そうしたクチュール的な要素と同時に目を向けたいのが、トレンチコートに見られるような、ゴールドのロープやエンブレムのモチーフといったディテール。ここには、英国の軍服と同じものが使用されている。トレンチコートが軍服に由来していることを暗示すると共に、気高いムードを醸し出すこともまた、ベイリーの意図した部分であろう。 気品があるばかりではない。あえて“FUNCTION”、つまり機能的なニュアンスを加えたからこそ、新鮮でモダンなワードローブとして、私たちの目に映った。ショーで多用されたのが、バイカージャケットやバックパック、フラットなサンダル・シューズといったスポーティなアイテムの数々。ナイロンなどの機能素材も、全体の品格を乱すことなく効果的に取り入れられ、気高い勲章のディテールや麗しいクチュールを引き立てていた。
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