東京都高体連のインハイ予選。
本戦の顔ぶれは関東Jrランカーが多く、
部活テニスだけで勝ち上がってきた選手は
ほとんどいない。
他の地域でも同様、本戦の顔ぶれは、
小学生から育成クラブに通い、
高学年ですでにトップランカー。
関東、全国の常連というケースが多い。
一方、都立高校の本戦上がりは少ない。
都内の育成クラブの平均月謝相場は
回数にもよるが4万~6万。
参加費が平均5000円超の公認大会に、
幼少から年間何十試合も出場し
長年経験を積んできたランカー選手と、
部活上がりの選手たち。
そもそもこの両者が、
同じ土俵で戦うしくみ自体、
理にかなっていない。
都立校が本戦に行く率が少ない理由は、
クラブ育ちのほとんどは、
経済的優位性で私立高校に行くケースが
圧倒的割合を占めるから。
すべての私立強豪校がそうだ、
とは言わないが、育成クラブと
かけもちの部活のランカー選手は
普段は部活動練習に参加しない。
クラブで練習し大会前だけコートを占有。
それを黙認する学校側は、
選手を育ててきたのは外のクラブなのに、
あたかも学校部活が育てたがごとく、
関東/全国出場を宣伝する。
大人の世界の歪んだ市場原理を
垣間見ているようで悲しくなる。
高体連テニスが提供する公式戦の場は、
既得権益が蔓延る資本主義社会の象徴だ。
現役関東Jrランカーが戦う場と
部活テニス選手が切磋琢磨戦う場所は
切り離せないのか?
またはせめて、一部/二部リーグ的に
大会を二重構造にすることで、
今まで土俵に上がれなかった選手に、
チャンスを平等に与えるべきである。
と、叫んだところで体制や構造は、
そう簡単に変わってはいかないのだろう。
お金持ちスポーツ特有の構造が、
部活テニスの世界を侵食している。
この歪んだ構図に気づき、
行動を起こす大人が増えてくれること、
切に願う。
負けるな、都立校テニス。