文武両道

歴代の都立高校対抗戦。
過去10数年の優勝/準優勝校に、
都立西高校の名前が何度も登場する。

さらにはもっと以前から
今日に至るまで、安定的に
上位シードにいることが多い。

西高の部活には、
伝統を継承し続けられる
DNAが宿っているのだろう。

たまたま強い選手が
ある代に在籍した理由で
一時好成績を残す学校も、
その選手が卒業後は鳴かず飛ばず。
次世代以降、その名がまた上位校に
再度名を連ねることは稀だ。

とくに公立校の場合、
公務員である顧問の教員任期が
有期制であることを考えると、
部活の伝統を継承し続けることが、
どれだけ難しいかは自明の理だ。

そんな中、長年にわたり
テニス強豪校の名に君臨し続ける西高は、
単純にすごいと思う。

偏差値70以上、
東京都立のトップランク校である。
クラブ育ちや関東ジュニアランカーが
毎年何人も揃うわけでもない。

どんなスポーツでも
勝利や優勝は日常生活の延長にある。

勉強も宿題も受験も、
掃除も整理整頓も明日の支度も、
身近な人や些細な事に感謝する気持ちや
自分を律する心。

日常生活の一瞬の積み重ねと累積は、
長い年月をかけて心と体に沈殿し、
人を形成していく。

文武両道を貫ける選手やチームは、
普段の生活でも心のスイッチの操作に
長けた子が多いはずだ。

自分の人生に対して
能動的に戦略的であること。
早い時期からその聡明さを感覚的に
身に付けている子が多いのではないか?

勉強も宿題も受験も、
テニスに没頭することも、
それらはすべて、
未来の自分への時間的な投資だ。

文武両道な子とは、
地頭の良さや
親の強制力を超えた次元で、
感覚的にそれがわかっている。

そのすべてはプレーに出る。
試合運びや組み立て、修正力、
メンタルコントロール、
試合後の態度や、
コート内外での立ち振る舞い。

時に、クラブ育ちの上位選手の
コート内外での鼻持ちならぬ態度に、
呆れかえることがある。

多額のお金が投資され、
一部の甘やかされて育ってきた
ジュニア選手に技術や戦績の面では
決してかなわなくとも、
都立Sランク校のテニス部の
普遍的な活躍ぶりは、
地味ではあるが、
日本ジュニアテニス界の宝だ。

小中高とどんなに戦績を残し、
トップ層のジュニアで活躍しても、
10年後はただの人。

西高並びに、毎年安定的な活躍の
国立、駒場高校などの文武両道校。

次世代にむけ、
日本のジュニアテニス界の
改革や発展を背負っていくには、
彼等のようなバランス感覚が必要だ

頑張れ、都立校テニス選手たち。


カテゴリー: 都立校テニス | 投稿者ラブフォーティー 17:15 | コメントをどうぞ

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