日別アーカイブ:

ジュニアの品格

もう何年も前の話しになるが、
とあるグレード4Cの関東公認大会。
第1シードに望月慎太郎君の名があった。

当時すでに全小/全国レベルの彼は、
4Cの優勝ポイントは意味がないくらい
華々しい戦績を持っていたので、
なぜこんな下位レベルの大会に?と
周りはざわついていた。

たぶん、大事な試合の合間調整で
エントリーしていたのだと思う。

現れたのは、今のまま
貴公子のような風貌ではあるが、
当時はまだまだ可愛いオチビさん。
そして何より驚いたのは、
その圧倒的な透明感オーラ。

え?この子が望月君?

というのも、小学生ですでに
トップレイヤーにいる子供たちは、
親の前で表面的には
お行儀良かったりするのだが、
要所要所でやはり
鼻持ちならぬことが少なくない。

コートマナーの悪さに始まり、
格下へのあからさまな威圧だったり、
アップスペースでの横柄な態度など、
目に余る場面に遭遇することが多い。

特に名門クラブは
上下関係と優劣差別が激しく、
トップ層はちやほや甘やかされ、
下位層は肩身がせまく、
プレイヤー間では格下へのいじめの温床、
みたいな話も良く聞いた。

そんなイメージが横行する中、
望月君の佇まいや品格は衝撃であった。

謙虚さと傲慢さの二元論では語れない、
規格外の独自スペースで生きてる感が強い
錦織君に対し、望月君はすぐそばで、
同じ空間で息をしてる子供なのに、
あざとさも、いい子ぶりっこもない
ひたすら透明感のある謙虚さを
持ち合わせている気がした。

眼差しも言動も振る舞いも。

なのに、強い。

ご両親の教育の賜物か天性か。

今年のウィンブルドンJr優勝は、
同じ日本人として、
本当に誇らしく思った。

世界に羽ばたき活躍するジュニアが、
おなじように名門クラブ育ちで
鼻持ちならない他の誰でもなく、
望月君その人であったことが
本当に嬉しい。

もっともっと
上に行ってくれることを
心から期待する。

彼の背中を追いかける
日本のジュニア選手に、
世界の舞台から
教えてあげて欲しいと思う。

大切な何かを。

小学生の頃から変わらない、
その品格のある佇まいと謙虚さで。

カテゴリー: 都立校テニス | 投稿者ラブフォーティー 16:10 | コメントをどうぞ