月別アーカイブ: 2015年7月

笑える?笑えない?

ずいぶん昔の話ですが、一人の男性がスクールに入会してきました。彼は中級ぐらいのレベルで、何度かレッスンを受けて頂き、クラスの雰囲気にもだんだん慣れて来ました。

レッスン終了後、いつものように皆さんと楽しいおしゃべり

「テニスを始めてきっかけはなんですか?」

「テニスを始めたきっかけは、お医者さんの勧めでして…実はひどい胃炎が続いて、病院に行ったんです。すると、『あなたの場合は神経性胃炎です、気分転換にテニスでもしたらきっと良くなりますよ』と言われ始めたのがきっかけなんです」

と教えてくれました。

「さっそく知り合いのサークルに入れてもらってテニスを始めると、体調はみるみると回復し、絶好調!胃炎もすっかり良くなり、ついでにテニスの魅力にもドップリと浸かってしまってもう楽しくて楽しくて、もっと上手くなりたくてスクールに入る事にしました!」

と教えてくれました。

テニスで治っちゃうなんてすごくないですか?

テニスの腕前もみるみる上達し、仲間も増えとても楽しそうにプレーしていました。

 

 

 

ところが、しばらくして彼がレッスンを休みがちに…

「どうしたのかなあ?」と思っていると彼がひょっこりやってきました。

 

 

「コーチ、お休みしてすみませんでした。ちょっと体調がすぐれなくて…」

「えええ?どこか悪いんですか?」

「実はまた神経性胃炎が再発したんです…」

「だったらなおさらテニスした方がすっきりするじゃないですか?」

「ええ、でも…」

「どうしたんですか」

「胃が痛い原因、聞いてくれます?」

「はい」

 

 

 

 

「サーブが…」

「ん?サーブ?」

 

 

「緊張するとサーブが入らなくて…それでずっと悩んでいたらまた最近胃が痛くて痛くて」

「…」

「気晴らしにゴルフでも始めようかな?」

「…」

笑える?笑えない?

カテゴリー: 未分類 | 投稿者楢木コーチ 14:11 | コメントをどうぞ

ちょっとだけ

テニスに限らず、いろんなスポーツを観戦する事が好きです。勝敗や試合内容はもちろんですが、アスリート達の行動や言動にとても関心があります。

「山本”KID”徳郁」ってご存知ですか?

父、郁榮はオリンピック選手、姉、美憂、妹、聖子は世界選手権チャンピオンというレスリング一家に生まれ、K1で大活躍をした総合格闘家です。

自分は特にK1や総合格闘技が好きなわけではありませんが、

インタビューで言っていた一言です。

「練習では誰の意見やアドバイスも全て受け入れる。崇拝する父に限らず、昨日今日入門したばかりの練習生の意見でも真剣に聞く。頭ごなしにNOとは絶対に言わない。どこに重要なヒントが潜んでいるか分からない。それと出会うチャンスをミスミス逃すのは愚かなことだ。しかし、試合中は誰の言う事も一切聞かない。セコンドやコーチの助言に心が揺らぐことは決してない。信じるのはただ自分のみ、ブレることはない!!」

とまあこんな感じでした(スミマセン、微妙に違うかも?)

往々にして逆のタイプが多いのでは

「練習では色んな先入観や固定概念に縛られて融通の利かない癖に、いざ試合となると優柔不断さや往生際の悪さがどんどん出てくる」

自分で書いててグサッと来ます(笑)

 

 

「イチロー」の事は皆さんよく御存じですよね。彼の逸話は数えきれないほどあり、今さら?って感じかもしれませんが、一つご紹介しましょう。

これはある人から聞いた話ですが、

「まずは第1打席で、出来るだけ沢山投げさせ、相手の特徴、球の種類、傾向などの情報を収集する。第2打席目では、その情報を元に方針を決め、1度目の攻略をしてみる。第3打席目には2打席目で得た有力な情報を元に、更に仮説を立てて攻略する。ここまででノーヒットですが、もう攻略法はほぼ完成、それを元に第4打席に入る。結果は当然ヒットに限りなく近づく。」

とね、これだけでも凄すぎるんですが、

「狙いをつけるのは『苦手な部分』や『失投』ではなく、対戦ピッチャーが最も得意とする『決め球』で、それをヒットにする。そこに重要な意味がある。」そうです。

「最も得意とする部分を打ち砕く。」

対戦したピッチャーには強烈なダメージとなり、「敵わない相手」であることを証明されたも同じでしょうね。

 

練習や試合は、何時でも誰にでも平等に与えられています。

「な~んも考えずにやるか」「ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ考えてやるか」

スタートは、この少しの差なのかもしれませんね。

カテゴリー: 未分類 | 投稿者楢木コーチ 16:58 | コメントをどうぞ

満タン

梅雨が明けると本格的な夏がやってきます。

みなさん夏の準備をしっかり整えてテニスを思いっきり楽しみましょうね。

真夏の炎天下で気を付けたい事は沢山ありますが、特に夏バテ、日焼け、熱中症には十分気を付けましょう。

今日はこのうちの「熱中症」について少し触れてみましょう。

そもそも「熱中症」がなぜ起こるのかはすでに皆さん十分ご存じですよね。

高温や高湿による体内の水分等の不足が原因です。

ナイターなど炎天下ではない時も要注意ですよ。

 

いつも思うことは「車のガソリンメーターみたいに水分の残量が見れれば良いのになあ」ってね。

でもそれは無理な話ですね。

 

皆さんプレー中は、こまめに水分を補給したり、汗を拭いたり、服装や帽子などを工夫したり、常に注意はしていますよね。

とても大切な事です。

実は同じくらいに重要なのは、事前に体の水分タンクを「満タン」にしておく事です。

 

ちょっとした一例を

「前夜飲み会で帰宅して、水も飲まずにバタンキュー、朝起きて何も食べずにコーヒー一杯だけ飲み、『さっき起きたばっかり…』と言いながらいきなりテニス」

どうですか?

飲酒、睡眠だけで水分はけっこう奪われています、またコーヒーも利尿作用が高いですよね。

このケースでは、まともな水分補給をしたのは?「飲みだす前だとすると12時間以上も前?」って感じになります。

きっとスタート時点からかなり水分不足でしょうし、プレー中にいくら水分補給をしてもどこまで補充出来るかは微妙ですね。

 

ちょっとだけ変えてみましょう。

「前日飲み会で帰宅したが、就寝する前に十分に水分を補給。ちゃんと早起きをしてフレッシュジュース、フルーツ、野菜など水分の多い物を含めた朝食をしっかり食べる。適度な時間を空けてからテニス」

この二人の差はかなりデカイですね。

 

例えるなら

「外見は全く同じに見える2つのスポンジ。一つはグッと押してもペチャンコになるだけ、もう一つは手を軽く乗せただけですでにジワ~っと水分が染み出てくる」

こんな感じです。

 

「たまたま体調や運が悪かった」とか「根性が足りん」が原因ではないと思います。

様々な要因が重なっているので「これなら絶対大丈夫!」という方法はありません。

熱中症になる確率を下げる努力をしっかりしましょう。

水分満タンにしておいて、途中こまめに給水しながらテニスを満喫しましょうね。

 

自分もビールが大好きなので気を付けています(笑)

カテゴリー: 未分類 | 投稿者楢木コーチ 14:13 | コメントをどうぞ

日替わりプレーヤー

「強くなりたい」

誰もが願う事ですが、残念ながら近道はありません。

 

決して「楽して上達したい」わけではないけど、ひょっとしたら「明日の朝、起きたら生まれ変わっているかも」なんて思ったことありませんか(笑)?

ちなみに自分は、過去にウィンブルドンで3回ほど優勝しています。(夢の中で)

 

 

100%実力を発揮でき、結果も伴う試合はそんなに多くはありませんね。

試合後の感想でよく聞くのは

 

「メンタルが弱くて…」ですね。

 

しかし、大半が反省で終わっちゃう事が多いんです。

本当はここからメンタルを強化する訓練をしないといけません。

 

ではどうやったらメンタルが強くなるのか?

特効薬でもあれば良いのですが、まあ地道に練習するしかありませんね。

 

よくいるタイプは、試合に負けると凹んで

「今からすぐ練習だ!」と言ってクラブに直行し、いつも以上に気合の入った基礎練習に没頭する選手。

一見すると初心に帰っていいような気もしますが、まるで「負けた罰」を自分に課して、気休めのように練習しているだけの様に見える事もあります。

案の定、翌日からはケロッとして普段通りに逆戻り。

勿論、基礎練習は大切ですし、こういう機会に行う事もとても良いとは思いますが、思い出したようにするのではなく、日頃からちゃんとやっておくべきでしょうね(笑)

 

ではどうしたらいいかと言うと

 

その試合でいったい何が起こったのかをまずは知ることが大切ですね。

難しい事ではありません。

例えば

「ビビちゃってサーブが入らなかった」としましょう。

 

「普段はガンガン入るのに今日はビビったから入らなかった。原因はビビったからだ、ビビりさえしなければバッチリさ!(俺が下手なわけじゃない)」

なんて思っているうちは「んんん?」ですね。

 

「練習と違って試合は必ずビビる」

と言うシンプルな答えに気付いてほしいですね。

 

「ビビった状態でサーブを打つ訓練」をしないとまた同じことの繰り返しになります。

「自分はどんなにビビっていてもサーブが入る、大丈夫だ!」

という「経験」を沢山積むことが大切なんです。

 

自分は現役の時

「100回連続でサーブを入れる、フォルトしたら0からスタート。出来るまでやる、だから絶対にミス出来ない」

という練習をよくしました(させられたかな?)

もちろん出来なければその日はサーブだけで終わってしまう時もあります。

 

「100回も?」と思われるかもしれませんが、3セットマッチで仮にスコア―が7-6 6-7 7-6だとしましょう。

全部で39ゲーム、半分は自分のサーブだから約20ゲームがサービスゲームとなります。

そのゲームがすべてデュースまでいったら×8で160回サーブを打つことになります。

ファーストの確立が40パーセントならば、セカンドを打つ回数は約100回となりちゃんと根拠のある数字となります。

「100回」と言う数字は想定しなければならない数字なのです。

(マラソンの大会に出るのに一度も42.195㎞走らないで臨む人はいないでしょう)

 

この練習が達成できると「自分は普段から訓練しているから必ず出来る!」という根拠のある自信が生まれるのです。

 

「ビビるといつもフォルトする」という「経験」しかしていない選手が

入るイメージなんか持てるはずがありません。

そう、「入らないイメージ」しか持てないんです。

だから心配しなくても思った通りにまたフォールトします(笑)

 

普段の基礎練習で「実力」をアップする事と同じぐらい大切なのは

「実力を出せる力」を身につける事ですね。

 

実力はあるのに、「実力を出せる力」が弱いと

信じられないくらい強い時もあれば、ビックリするくらい弱い事もある

「日替わりプレーヤー」

になっちゃいますよ(笑)

カテゴリー: 未分類 | 投稿者楢木コーチ 16:35 | コメントをどうぞ