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チャレンジ

「日本のテニスが大きく変わりつつある」そう自分は感じています。

 

錦織選手をはじめ多くの日本人選手がグランドスラム大会で活躍をするようになりました。一昔前では考えられない事でした。

そもそもグランドスラム本戦は128人しか出場できません。と言う事は世界の100位以内にいないとなかなか出れないと言う事です。

その中でも特に注目したいのは、その中に東海地区出身の選手がたくさんいる事です。

伊藤竜馬(三重県)、西岡良仁(三重県)、ダニエル太郎(愛知県)、日比野菜緒(愛知県)、みんな東海地区出身で、先日行なわれた全豪オープンに出場していましたね。

 

彼らが世界の舞台で活躍出来るようになった要因は、もちろん本人たちの努力で勝ち取った結果(出場)であることは言うまでもありませんが、10代前半から「世界へのチャレンンジ」を始めた事が大きいと思います。

 

その昔は「インターハイで優勝するとテニス協会から世界へのチャンスが与えられる」そんな時代でした。

まずは日本一に、それから世界へという考え方が主流でしたが、その反面テニス関係者の多くは「ハッキリ言って18歳で世界初経験では遅すぎる…これでは世界との距離は絶対縮まらない…」とも感じていました。

 

今から10年ほど前、

「出来るだけ早い年齢で世界を経験させよう」という動きがこの愛知県で始まったのです。

レベルも「全国どころか東海大会にもまだ出たことがないような選手でもやる気があるのならそのチャンスを与えよう」というもので当時としては型破りが発想だったと思います。

 

おそらく一部の県を除いては、当時そこまでは進んでいなかったと思います。

 

その活動を中心になって積極的に行ったのが親友の大島コーチで、彼の発想・情熱・そして行動力にスポンサーやまわりのコーチ達も大きく心動かされました。

 

予選に相当する大会を開き、誰でもチャレンジ出来るようにしました。実際にまだ一度も東海大会にすら出たことがない選手が海外遠征に行ったこともあります。

恐らく「そのレベルで海外遠征?まだ早いって!全日本にも出ていないのに…お金の無駄だよ…」なんて思っていた方もきっといたと思います、いやそのほうが多かったかもしれません。

しかし、その答えは10年後にこういった形で表れてきたと言えるのかもしれません。

上記の選手もこうしたチャンスを活かし海外遠征を経験しました。

そして目標が日本から世界に変わったきっかけになったのではないかなあと勝手に感じています。

しかし海外遠征を経験した選手の全てがその後、テニスの道を歩んだわけではありません。

高校、大学進学、社会人スタートとそれぞれの分岐点でテニスから離れ、別の道を選んだ選手の方が圧倒的に多いですね。

でもその時の経験はそれぞれの人生においてきっと良い糧になっていると信じています。

 

我々コーチは指導だけではなく、いろんなチャンスや環境を整えることも重要な仕事だと思います。今では多くの若手コーチが積極的に海外に目を向ける時代になりました、とても素晴らしい事だと思います。

自分も当時、フロリダや上海遠征に帯同する機会をもらい、選手同様、貴重な経験をすることが出来ました。

フロリダ・IMGでは、錦織選手(当時17歳)や内山選手などが所属していました。

外国人に混ざって練習しているというよりは、たった一人で「負けてなるものか!」と外国人達と必死に闘ったいる印象を強く受けました。

その姿を実際の目で見ることが自分には大きな刺激となり、きっと一緒に行った選手たちも何かを感じた事と思います。

 

当たり前の話ですが、たまたま強い選手が現れるなんて事は決してありません、世界レベルに標準を合わせて闘っているからこそ結果に繋がるのだと思います。

でも大島コーチもまさか10年後にこうなるとはあの頃は思っていなかったかもしれませんね(いや彼なら思っていたかな)?

 

さあ近い将来、きっと地元からウィンブルドンチャンピオンが現れますよ!

カテゴリー: 未分類 | 投稿者楢木コーチ 10:06 | コメントをどうぞ