今年の夏休みは家族4人で主人の実家へ行きました。実家は北海道の旭川。毎年の帰省を子どもたちも楽しみにしています。
特に楽しみなのが「流しそうめん」地下水を引いているので、水道料を気にすることなく使えることは嫁として気兼ねがないのも魅力。いや、それ以上に真夏でも手が痛くなるほど冷たくて気持ちの良い水で流すそうめんのおいしいこと。広い庭に太い竹で作った流しそうめんのコースを組み立てて、周りに子どもたちを座らせます。流すコースは長さにして3メートル弱ではあるけれど、竹の直径は17~18センチくらいはある太さで余裕です。最終地点にざるをおいてすくい切れなかったそうめんを受け止めます。ミニトマト、小さく切ったスイカ、さくらんぼなどデザートも流すと、子供たちは取り合って喜んでいました。水が冷たいから本当に涼しくて、大袈裟だけど天国のような気分なのです。
薬味は義父母が庭で育てているシソをきざんで使います。美味しく食べるコツと言えば、つけつゆは少し濃い目にして作ること。そう、ご想像通り水に乗って流れるそうめんをすくってつゆに浸けるとアッという間に水っぽくなってしまうのです。ちょうど良い濃さによりもやや濃くしておくと、つぎ足す時も便利です。水って大切ですよね。水がおいしいと食べ物は何でもおいしくなるし、食欲が増して子どもも大きく成長しますよね。
そういえば旭川ってラーメンと動物園のイメージが強いかと思います。確かに多くの観光客が旭山動物園を訪れ、旭川ラーメンを食べに来ていま
す。でも、もうひとつの顔は「お菓子の街」。ひとつのお菓子やさんが洋菓子と和菓子の両方を製造するのが当たり前と言っていいほど、お菓子やさん激戦区。北海道ですから良質な材料も豊富ですし、地元の食材やキャラクターを活かして色々な店がしのぎを削っているのです。お土産に焼き菓子を買おうとしても本当に迷ってしまいます。特に最近ではカフェと店舗と製造工場が一緒になった店などがあって、おしゃれでかつ多種のスイーツが楽しめるようなスポットもあちこちにあるのです。
観光バスが停まるような大きな店では、試食ひとつとっても大きなサイズで全種類が試せるという太っ腹さ。しかもどれもおいしいのですから、研究されています。もともと老舗のお菓子やさんが多い街ではあるのですが、ここまでオリジナルを次々と開発するってことはどれだけ競争が激しいのかと想像がつきます。熱い、って感じです。購買者にとってはレベルの高い味を楽しむことができるので、うれしい限りです。
食べ物のことばかりになってしまいましたが、もうひとつ食べ物に話をしてしまうと。やはりラーメン屋さん。老舗の店はふつうのラーメン屋さんですから混み合う時間帯は少し待たされます。それでも皆食べにきますね。一時、ラーメンブームの頃に話題になったようなパフォーマンス的な湯切りをする店はありません。○○系とか誰の弟子とかそういう看板は見かけません。ただ、それぞれの老舗の人気店はすごく良い店なんです。行ってみるとわかると思いますが、店主さんがちゃんと目を光らせていて、ラーメンを運ぶ人達も動きが無駄なく親切で的確。なんというか、きりっとした店なのです。どんなに混んでいても、上手に席に組み合わせてくれるし、待っている人も納得なんです。そんなラーメン屋さんが何軒もあるってうれしいことです。赤ちゃんがびっくりするような大きな声で「しょうゆ一丁!」なんて声はなく、おばちゃんが普通にオーダーを取って、失敗なくスムーズに運んでくれる店です。そんな基本がしっかりしているから、誰でも安心して食べにいけるし、何代も続くんだろうなって感じます。
旭川のおいしい話でした。