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上腕骨外側上顆炎の見分け方とセルフエクササイズについて

-はじめに-

現場で活動を行うにあたって必要なスキルの一つが、評価の適格性です。より的確な評価を行っていくためにも、医学的な観点だけではなく、解剖学に基づいた鑑別評価にも取り組む必要があります。今回は理学療法士として評価をして考察を行っていくためにも、診るポイントの一部を紹介し、介入へのイメージをつけて頂くことを目的としてこの記事を作成しました。

 

-症状の発生メカニズムは不良姿勢!?-

バックハンドストローク時に好発しやすく、肘関節から前腕部にかけて疼痛が生じることが多いです。「手打ち」といわれるような不効率的な運動が原因となります。インパクトの際に短撓側手根伸筋腱にストレスが集中すると発症しやすいです。疼痛は上腕骨外側上顆部に限局しており、一般には関節裂隙や橈骨小頭には痛みはありません。

 

Special testの原理と方法-

手関節伸展試テスト(thomsen test)

患者が肘を伸ばして検者による手関節の掌屈への抵抗に逆らって背屈をします。

陽性ならば上腕骨外側上顆に疼痛が生じます。

この場合は短橈側手根伸筋の収縮時痛や付着部の疼痛を疑います。

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中指伸展テスト(middle finger extension test)

患者が肘を伸ばして検者が中指に抵抗を加える運動に逆らって伸展させようとします。

陽性の場合は上腕骨外側上顆に疼痛が生じる。この結果から短橈側手根伸筋か総指伸筋の収縮時痛や付着部の疼痛を疑います。

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-テニス肘に類似した様々な疾患とは?-

回外筋症候群、外側側副靭帯損傷や関節内病変の滑膜ひだ障害、関節包損傷などが原因になっていることがあります。

回外筋症候群の評価は様々!?

回外筋の鑑別評価はいくつかあります。それは手関節他動的背屈位における回内強制時の疼痛の有無や、回外筋の圧痛、回外運動に対する抵抗時の疼痛等です。

 

外側側腹靭帯複合体(LCL complex)の評価とは!?

前腕回内、肘伸展がわずかに制限されます。また、肘関節屈曲位でのグリップ動作で疼痛がなく、肘関節伸展・回内位でのグリップ動作で疼痛がある場合は筋収縮のみが原因ではなくLCL complexの緊張が疼痛を助長している場合があります。

 

滑膜ヒダを疑うポイントはSnapping!?

他動的な最終伸展での回内もしくは回外でsnappingに伴う疼痛が認められる場合は滑膜ヒダが疑わしいです。

 

-治療で用いるストレッチングの方法とは?-

手関節伸筋群へのスタティックストレッチ

①肘関節伸展位で手関節は掌屈、手指屈曲位とします。

②反対側の手で手関節をさらに掌屈方向に誘導し前腕の外側(赤色の部分)に対してストレッチングを行います。

③痛いた気持ちいと感じる角度で10~15秒保持します。

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手関節伸筋群へのダイレクトストレッチ

①手関節中間位とし、外側上顆より遠位部のダイレクトストレッチングを行います。

②強くやりすぎるともみ返しが生じるのでいた気持ちいと感じる場所にとどめましょう。

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-おわりに-

肘が痛くなる原因は様々あり、一概にテニス肘ということはなかなか難しいものです。

ご自身で判断されるよりも専門家の方に相談してみて、具体的な治療案を聞いてみるのもよいでしょう。

これらの怪我は基本的にストレスをかけ続けた結果として起こるものなので、フォームの修正や打点の修正なども同時進行で行っていくとよいと考えられます。

 

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カテゴリー: 未分類 | 投稿者monsutoro 00:09 | コメントをどうぞ