巨樹・巨木ツーリズム/村田有起

国民の間に巨樹・巨木への関心が高まり、森林を大事にする気持ちが生まれてきたという点で、いい意味でブームです。

一方で、木を大切にすることは建前で、本音は都市生活の快適さを自然の中にまで広げようとしているだけではないでしょうか。

リゾートツーリズムの失敗をふまえた日本型エコツーリズムを考える必要があります。

巨木を通して山と自然、国土、世界の環境を考えることです。

100選に選ばれた市町村は、林野庁や環境庁に依存しないで、その土地の人たちの価値観にあった、地域のシンボルとして持続可能な活用方法を考えれば良いのです。

多くの国が森林面積が25%以下になっています。

日本は木が立っているだけで人間にもたらす精神的・健康的な価値や、財産になることを世界にわかってもらう努力をすべきです。

例えば、世界の巨樹・巨木100選みたいなものを国際会議を開いて選ぶ。

日本は事務局として協力すれば良いのです。

また、巨木のDNA解析など木が持っているものを科学的に解析したり、実利的利用方法を考えたり、巨木を取り巻く最良のコンディションを調べたり、21世紀に向けていろいろチャレンジする必要があります。

人の命はたかだか100年、巨木は1000年。

しかし、これまでと同じライフスタイルを続ければ人類はあと100年持たないのではないでしょうか。

大気汚染、水の枯渇、食糧不足などで22世紀はありえません。

では何をなすべきでしょうか。

これまでとは違った持続可能な経済社会システムを作る必要があります。

自然豊かな生態系の維持と心豊かなコミュニティー作りを巨木を通して学びたいところです。

村田有起

参考:http://www.museum-japan.com/


カテゴリー: エコツーリズム | タグ: , , | 投稿者村田有起 15:21 | コメントをどうぞ