頭を使いながら体も一緒に動かして、高齢者の転倒予防や認知機能の維持・向上に役立てる「脳トレステップ」の評判とレビューです。
「斜め歩き」や「後ろ歩き」など、足の運びを意識したステップを取り入れているのが特徴です。
椅子に座ったままできる筋力トレーニングと、マス目が印刷されたマットを使って足を動かす「スクエアステップ」と呼ばれる運動を取り入れています。
スクエアステップでは、25センチ四方のマスが横に4個、縦に10個並んだマットを使い、指導員に指示されたマスに左右の足を運ぶ動きをします。
スポーツ医学や加齢に伴う体力の衰えなどを専門とする大学の教員たちが開発したもので、高齢者の認知機能向上や転倒予防などに効果があるといいます。
地域の健康交流センターで行われている「認知機能向上体操教室」などで導入されています。
私も教室に参加してみました。
教えてくれたのは、近所の健康運動指導士の方。
参加者は3~4人のグループに分かれ、指導員が示したお手本をまねて、実際にマットの上で足を動かしました。
「右足、左足」と足を交互に前に運ぶ簡単なものから、ステップの横方向への幅を広げた動き、さらに、斜め後ろへの動きも交えたものなど、8種類ほどに挑戦しました。
参加者の中には、複雑なパターンのステップでは何度もやらないとお手本通りに足が動かない人も。
「次はここ」「こうでいいのかしら?覚えられないわ」などと、グループ内で教え合ったり、笑い合ったりしながら体を動かす様子も見られました。
それでも、「パターン通り正しくできるよう心がけることはもちろんですが、皆さんで楽しく笑いながら続けることも大切です」と指導員。
私はどうだったかというと、何度か繰り返せば複雑なパターンもクリアできました。
ただ、「前に出ている足と反対側の手をグーで前に出し、もう一方の手は胸元でパー」という、足と手の動きを同時に考えなければいけない体操には苦戦。
胸元の手がグーになったり、「次は手はどっちだっけ」と考えて足が止まったりしました。
指導員によると、足の運びを頭で強く意識しながら行うスクエアステップを続けることで、より思うように動けるようになり、転倒の危険性が減ったという調査結果もあるといいます。
また、指導員のお手本を記憶し、まねすることは、認知機能の向上にもつながるといいます。
指導員は「すぐに効果を実感するものではありませんが、週に2~3回、3か月ぐらいは続けてみてください」と話しています。
中島徳至