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キャンベラの思い出::目黒隆史郎

オーストラリア・キャンベラ旅行の思い出(1994年、目黒隆史郎)

空港から車でキャンベラ市の中心部へ向かう道の両側は、晩秋の木立と広々とした草原ばかりで、建物はほとんど見当たりません。北海道か信州の高原のような趣で、ここがオーストラリアの首都であることを忘れそうです。

キャンベラは原野と原生林を切り開いた人工都市ですが、市域(正式には首都特別地域)の70%が国立公園です。中心部も大きな人造湖を配した幾何学的な都市計画で、全体が一つの庭園のような美しさです。

キャンベラでは、国会議事堂を囲んで政府オフィスが整然と並び、美術館や図書館、植物園など見所も多くあります。また、各国のお国柄を映した建築の“大使館村”の散歩も楽しいです。

圧巻は国会議事堂。入り口の金属探知ゲートをくぐるだけで記名もなく、だれでも見学自由です。上下両院本会議場の傍聴席もフリーパスで、ガイドまでいました。

翌朝、西郊約60キロのブリンダベラ・バレーヘ向かいます。山道を車で1時間半余り。山あいに開けた谷は、「赤毛のアン」や「アルプスの少女」の舞台のような情景でした。

幅20メートルほどの川のほとりの牧場で、牛や馬、羊たちが草をはんでいます。野鳥たちが舞い、さえずります。中にポツンと赤い屋根の一軒家があります。そこが、ブリンダベラ・ステーションでした。

ツアーガイドさんに約400ヘクタールあるという敷地内を案内してもらいました。

突然、四輪駆動車が止まりました。ガイドさんの指さすかなたを見ると、いました!牧場の端に野生のカンガルーが5、6頭。近付こうとした途端、ピョンピョンはねながら原生林の中へ消えて行きました。

夕食後、四駆で“ウォンバット・ウオッチング”に出ました。クマとネズミを合わせたような夜行性動物で、牧草地の地中の巣穴から草を食べに出て来ます。ブライアンさんの掲げるサーチライトの光の中に、イヌほどの大きさのウォンバットが現れては、大あわてで巣穴に潜り込みます。約20分間で7頭も見ることができました。

カテゴリー: 旅行 | 投稿者目黒隆史郎 12:45 | コメントをどうぞ