当方、テレビをそんなに見る方ではないのですが…(笑)。
「私、失敗しないので」という台詞に、引っ掛かりました。
以前、放送されていた、自分の腕(技術)のみを頼りにした、フリーの女性外科医師が活躍するドラマでの、主役の決め台詞だそうですね。
視聴率を取っていたとか。
さて、FTCでは「テニスのコーチは、プレーヤーの方の主治医である」との意識で取り組んでいます。
「私、失敗しないので」と言いたいところですが(本気ですよ)、テニスのサポートの場合、なかなかそうも行きません。
幾つか、ポイントがあります。
当然、外科手術はミリ以下の単位や時間との戦いで、本当に熾烈な現場だと思います。
ただ、テニスの打点も、0.004秒前後の判断が、ショットの精度に出て来るのですから、世界のスーパープレーヤー、マレーもジェコビッチも錦織も、幾らでも、ミスヒット(失敗)は出てしまうのです。
自分の思うようにヒットできる1stサービスでさえ、60%でいい方なのです。
まず、テニスがそう言った、「失敗(ミス)を全くしないことが難しい」スポーツであるという事を、認識すべきです。
もう一つ、医師のサポートの基本は「健康で生き生きと生活ができる」という事になると思います。
テニスでは、プレーに対する価値観も「とにかく楽しくプレーしたい」「勝ちたい」「ストレス発散にビシバシ、ガンガン打ちたい」「ただ黙々とプレーしたい」「憧れのフェデラーみたいにプレーしたい」等々、様々です。
では、その基本は、何になるでしょうか?
結局は、前回のコラムに挙げた、“ラリー”なのです。
綺麗なラリーができないトッププレーヤーなんていません。
出来る限り、思ったようにヒットして、ボールをコントロールできるという事を、テニスの基本としておくことです。
「ガンガン来るボールを、ビシバシは打てる」けれど、「ゆっくりなボールをきちんとヒット出来ない」なんて事は、NGです。
当方は、0.004秒のサポートを的確に行える主治医でありたいと、常々、考えています。
「私、失敗しないので」とは言えないまでも…(笑)。
ある人が、言っていました。
「あれは、“水戸黄門”ですよ。」と。
「勧善懲悪的に、必ずハッピーエンドが約束された、ドキドキはするけど、安心して見ることができる番組」だそうです。
結局は、作られた物語ですから。
テニスは、筋書の無い、ドラマですよね(笑)。
それぞれの舞台で、最高のパフォーマンスができるよう、サポートしていきたいと思います。








