QYResearchが発表した新たな市場調査レポート「テルペン樹脂―グローバル市場シェアとランキング、全体の売上と需要予測、2025~2031」 によると、世界のテルペン樹脂市場規模は2024年の約242百万米ドルから2025年の253百万米ドルへと順調に拡大すると見込まれ、予測期間中は年平均成長率(CAGR)5.3%で成長し、2031年には345百万米ドルに達すると予測されています。
図. グローバルテルペン樹脂市場規模(百万米ドル)、2024-2031年
上記データはQYResearchのレポートに基づいています: テルペン樹脂―グローバル市場シェアとランキング、全体の売上と需要予測、2025~2031(2025年発行)。
市場ドライバー
1. 接着剤・粘着テープ産業の拡大
ホットメルト接着剤やPSA(感圧接着剤)分野での需要増加が、テルペン樹脂市場を力強く牽引しています。特に包装、医療用テープ、電子機器組立などの産業成長によって高タック性・低臭気・優れた相溶性を持つテルペン樹脂の採用が進んでいます。
2. 天然由来材料への移行
環境規制の強化や企業のサステナビリティ意識の向上に伴い、石油系樹脂の代替としてバイオベース材料への需要が高まっています。松由来などの再生可能原料から製造されるテルペン樹脂は、この潮流に合致し市場を拡大させています。
3. パッケージング産業の成長
EC市場の拡大により、段ボール封緘用接着剤、ラベル、包装テープの需要が急増しています。高い粘着性能と耐熱性を持つテルペン樹脂は、これら用途における機能性向上に不可欠で、市場全体の成長を後押ししています。
4. 塗料・インキ産業における性能要求の高度化
印刷インキや塗料において、速乾性、光沢、耐摩耗性などの性能向上が求められています。テルペン樹脂はこれらの性能改善に寄与するため、特に高品質な輪転インキや工業用塗料での採用が増えています。
5. 自動車・ゴム製品の高性能化需要
ゴム改質剤としてテルペン樹脂を配合すると、耐久性や動的特性が向上するため、自動車部品や工業用ゴム製品で利用が拡大しています。電動車向け軽量化素材や静音化技術の需要増も市場成長の後押しとなっています。
発展機会
1. バイオマス由来原料の高度活用
今後、松根油、柑橘副産物などの未利用バイオマスの活用技術が進むことで、より環境負荷の低い高機能テルペン樹脂が開発でき、エコ材料市場で存在感を高める見込みがあります。
2. 電気・電子分野での新用途拡大
低臭気・耐熱性・絶縁特性を活かした電子部品接着剤、封止材、導電ペースト向けバインダーなどの用途が広がる可能性が高く、エレクトロニクス産業の成長とともに大きな機会が期待されます。
3. 高機能ホットメルト接着剤市場の拡大
食品包装、医療用品、衛生用品(おむつ・衛生パッド)向けに安全性と性能の両立が求められており、低毒性・優れた粘着性を持つテルペン樹脂への需要はさらに拡大する見込みです。
4. 自動車軽量化・EV市場での採用増
EV電池モジュールの封止材、配線固定材、車内静音材など、新しい用途領域でテルペン樹脂の利用が期待されます。軽量・高耐熱・高粘着が要求される分野で優位性を発揮できます。
5. 高付加価値樹脂への改質技術の革新
水添、重合、変性技術の進化により、耐酸化性、透明性、低黄変性などの特性を強化したプレミアムグレードの製品開発が進んでいます。高機能化により、従来の石油系樹脂を置き換える市場が広がります。
発展阻害要因
1. 原料供給の不安定性
松由来や柑橘由来の原料は農業・林業に依存しており、天候、害虫、収穫量変動などにより供給が不安定になるリスクがあり、価格変動も大きいことが課題となっています。
2. 石油系樹脂との価格競争
テルペン樹脂は天然原料由来・加工工程の影響でコストが高くなる傾向があり、安価なC5/C9石油系樹脂との競争が発生します。価格を重視する用途では採用が限定される可能性があります。
3. 製造プロセスの複雑性と技術要求
高品質テルペン樹脂には高度な精製・水添・重合技術が必要であり、製造技術のハードルが高いことが新規参入障壁となっています。設備投資も大きく、企業負担が増します。
4. 性能面の制約
用途によっては耐熱性や耐候性が石油系樹脂に劣る場合があり、特に高温環境で使用される粘着剤・工業用途では性能が制限となることがあります。この点が採用の拡大を妨げています。
5. 環境規制や安全基準の強化
天然由来とはいえ、加工時の揮発性有機化合物(VOC)排出、樹脂添加剤の安全性などに関する規制が強化されており、生産設備や製品の適合コストが増加しています。
本記事は、QYResearch発行の「テルペン樹脂―グローバル市場シェアとランキング、全体の売上と需要予測、2025~2031」を基に作成しています。
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https://www.qyresearch.co.jp/reports/1168895/terpene-resin
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