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電王戦Final プロ棋士勝利

4月11日、将棋のプロ棋士とコンピュータソフトが対決する団体戦

「電王戦Final」最終局が行われました。

 

2012年、第1回電王戦にて故・米長会長が将棋ソフト「ボンクラーズ」と

戦い敗れ、団体戦となった第2回・第3回電王戦でもプロ棋士が負け越す

という展開を見せた電王戦ですが、名前の通り今回が最後です。

タイトル戦スポンサーの理解、連盟内部の意見の調整、出場棋士の選出など

苦労もあったことでしょうが、多くのファンを楽しませてくれました。

その最終決戦の結果は・・・

 

斉藤慎太郎五段 VS Apery プロ棋士勝利
永瀬拓矢六段 VS Selene プロ棋士勝利
稲葉陽七段 VS やねうら王 コンピュータ勝利
村山慈明七段 VS ponanza コンピュータ勝利
阿久津主税八段 VS AWAKE プロ棋士勝利

 

3勝2敗でプロ棋士が初の勝ち越しとなりました。

中でも私が面白いと思ったのは第2局と第5局。

 

まず第2局。後手の永瀬六段が中盤以降優勢に進めて必勝体制を築くのですが

denoufinal2

この局面の直前、△1六角の王手に対して▲2七歩と合駒されたところ

△2七角「不成」。これに対してSeleneはなんと▲2二銀。王手放置の

反則負けとなりました。

なんでもSeleneには「飛車・角・歩の不成に対応していない」というバグが

あったそうで、必勝形から反則負けで勝つという

「5-0の0-40から相手サーブをチャレンジしてダブルフォルトにする」

ような永瀬六段の完勝でしたね。

 

第5局の勝負が決まったのは僅か20手目の序盤。

denoufinal5

後手のawakeが持ち駒の角を△2八角と打ち込んだのですが、これは

明らかに無理筋であり、▲1六香から角を捕獲されてしまいます。

これは「コンピュータは不利が確定するまで手数がかかる読みが苦手」

という弱点を突いたもので、この△2八角の局面自体も事前に指摘されていました。

そして次の21手目▲1六香を見てawakeの開発者が投了。

プロ棋士相手に角損では勝負にならないので仕方ないとも言えますが、

コンピュータとプロ棋士の最終決戦、多くのファンを集めての興行としては

少し寂しい気もしますね。

 

ともあれ電王戦Finalはプロ棋士の勝ち越しで幕を閉じました。

今後は棋士と将棋ソフトが組んでのタッグマッチ等を企画しているそうで、

電王戦とはまた違った形で楽しませてくれそうです。

 

カテゴリー: 将棋 | 投稿者田舎師 21:12 | コメントをどうぞ