日別アーカイブ: 2016年6月28日

要素を考えればやり方につながる

前回、要素と成分という考え方で分析してる、ってことを書きました。

テニスが上手くなくて悩んでいるような人でも、ボールは打てているんです。納得できるかできないかってことだと思うし、コートの中には収まるけど、何本も続けるのが難しく感じているかもしれないせいか、ここぞというときに限ってミスをしたりして、自分が下手だなぁって思う印象の方が強かったりするだけ。

 

スクールでは球出しの練習やラリーの練習などがあって、たくさんボールが打てるのがメリットですよね。試合だと一度のミスでいちいちプレーが止まる。しかも止まるだけじゃなくてボール拾いに行かなきゃいけなかったりして、テニスしてるんだか走ってボール拾うスポーツしてるんだかわかんないような時期も、自分にもありました。

ワタシ自身は乱打のラリーが好きで、どこへ打たれても取れる感じが欲しいのと、その実相手は結構ワタシを狙って打ってきてくれるので取れるボールが多くなることと、ワタシが相手を狙って打つときに、同じ軌道のボールで何回か揃えてみようみたいな試みをやってみることで、自分の技術の確認がしたいからなんです。

 

自分が打つボールには

・打つコース

・ネットを通る高さ

・ショットの威力

・相手コートに入る深さ

・軌道やバウンドに影響する回転

の5要素をコントロールすることになります。

コートは広いので、狙うのはエリア。コースや高さは、回転をかけて軌道を作ることで、だいたいあの辺を通して、ということになりますし、その軌道の先が付加さになります。相手に取れるようにするのか、相手にミスをさせるようにするのかはショットのスピードを変えることでラリーのリズムを変えることになります。そういったものの影響で打ちやすかったり打ちづらかったりするショットを考えることになります。

 

できることなら、自在になりたい。

 

そこで、スピンがかからない人には、ラケットは振れるしボールはちゃんと当たるし、スピードもある。だけど、下から上に振ってるんだけどスピンがかからずに吹っ飛んでいくようなショットに悩み、打ちたいんだけど弱めに加減して入れにいったり、低く打とうとしてネットしちゃったり浅くなったりして「思ったように打てるようになれれば…」って思うんだと思います。

ラケットはボールに当たる時に、普通、ラケットの縦軸(長辺)は地面に対して水平で、ラケット面は地面に対して垂直をイメージすると思います。基本ですから、それがコートに入れる一つの条件。フォア打点

それで、そうやっているつもりでも…

ヘッドが上がってくる癖がある

インパクトの瞬間に手首で面を作る癖がある

などの理由でスピンのかかりづらい形でボールを捉えている可能性があります。そしてこれらの大概の場合は打点をもっと前に取るべきだったりします。

腕に力を入れたようなインパクトの形と、インパクトに強い腕の形とはちょっと違います。どうしても速いスイングなんかにイメージがあって、腕に力を入れてインパクトしようとするとこうなる。

ヘッドのスピードが出るところはそこではないのですが、そう思い込んでいる場合が多いですね。

スピンをかけて、軌道をいちど持ち上げるようにして、ネットを越えてからしっかり落ちるような、力強い弧を描いてコートに入るような軌道のボールを打つには、まずグリップを上げるようにしてインパクトの位置にスイングを入れるようにします。

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上の写真群はストレートアーム型のフォア、そしてこの錦織とジョコビッチはベンドアーム型のフォアハンドです。肘が曲がってくるというのはグリップが厚くなれば自然とそうなりやすいものなので、この差は握りの差で生まれるものが一般的です。

この写真を見れば、フォアハンドストロークのスイングが、「ヘッドを下げて、上げる」というスイングではなくて、インパクトにはグリップを上向き方向に持ってくるという意識でやると、インパクトまでヘッドが下になる形になります。

垂直面を保ちながら引き込むように体の中心に引き込むようなスイングをしてくる方が、面を保っていやすく、当たった後にヘッドが上向きに回りスピンがかかります。イメージだけを追ってネットの方に腕を振ると面がブレていきやすくなります。

ストレートアーム型の中でも同じことが言えますが、こちらはグリップが薄いタイプの人が垂直面を意識すると肘を伸ばしていくようにした方がヘッドのスピードが出るものです。意識はヘッドが先に上がらないように、やはりインパクトではグリップの方を先にあげてくるようなスイングをしながら、面を垂直に残すイメージですね。

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フェデラーやナダルは、握りそのものは比較的薄い方ですが、グリップエンドが手の中に入るように長めに持つことでヘッドの動きをフリーにしているという特徴があります。普通のイースタンフォアの握りでは、この位置で手首を面の垂直のために傾けてもヘッドはこの写真よりも上になります。その辺の解説は細くなりすぎるのでまたの機会にしますが。。。

 

ということは、インパクトの段階でヘッドが下=ボールは上に飛びやすいということになります。

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この写真を見れば、手首よりもヘッドが上がっていることからスライス系のフラットに近いようなショットを打ったんだろうな、ってのは見て分かりますよね。相手コートで滑っていくようなショットを打ったのでしょう。おそらくボレーではなくアプローチショットではないでしょうか。

スイング方向は、握りと密接な関係があるので、今度気が向いたら(書く時間があれば)簡単なスイングと握りの良いところの発見方法を紹介しようかと思います。

フェースが地面に対して垂直=でネットすれすれの低めのショットが入るとして、

ヘッドを下げてインパクト(グリップをあげてスイング)=軌道は高くなる

ヘッドをあげてインパクト=軌道は低くなる

同じようなスイングプレーンで、インパクト前にヘッドが上がってしまうような人は、ネットミスが多いか、浅めに落ちるスピンが多いと思います。そういう癖を保ちながら深く打つには、すごい高い軌道になるようなスイングに変えて、ショットのスピードはその分落ちるはずです。

 

タテのラケット面は、ボールが下に飛びやすくなります。

飛んでくるボールが水平に飛んできたとして、ラケット面を垂直に、ヘッドを上にしてインパクトすると、当たった直後に少し下に向けて飛ぶようになります。ラケットの反発係数は1ならば、水平に飛んできて水平に出ていくと思いますが、衝突すればストリング面とフレームのしなり、ボールの変形などの要因によって減衰がありますので、ボールの勢いは弱まって跳ね返り、それで下に落ちるような形になっていきます。

ということは、ボレーの決め球でミスる人は、ネットより高いところから打てるのであれば、ラケット面をタテにして、ネットに当たらない方向にスイングすれば、ほぼ確実にコートに入ります。

体を前向きに回転させるような動きをすると、面の向きを狙ったコースに残すためにはヘッドが横に倒れ、その分腕はひねられる(スピネーションする)ために上向きに変わります。

体の方ではそれを自然に感じて、スイングを下向きにしますが、ヘッドの倒れ具合とフェースのひねられ具合によっては、下に振っても水平に飛んで行って落ちないショットになったりします。ネットの向こうのコートの長さは12mもないものですから、落ちない軌道(アンダースピン)の強いショットはベースラインの向こうまで飛んで行ってしまう可能性が上がります。

体と腕の関係がそのような形を作ってしまうのも、打点の位置をどうするか、という要素になります。後ろ側なら、腕のひねりが発生する前にできるので、体は前に踏み込みながら、腰と肩をひねって打点を奥の方にとり、面を安定させて、ネットにだけは当たらないように、そして面のタテ成分は狂わないようにしっかり持つことにすれば、ネットにさえ当たらなければ精度はともかくとして必ずおコートの中に落ちるようになります。

タテの面は手首の角度でストレートやクロス、あるいは逆クロスに向けることが容易になります。ヘッドを横に倒せば、むしろそう言った手首の形でコースを変更することが大変(変えた量に対して変化する量が多く感じることにもなります)になります。

ボレーの打点には奥行きが結構あって、前でとった方が良い形もあるし、前でとったせいでミスヒットになる形もあります。奥で取ればスピードは出せないことになりますが、安定することが多いです。そして結構正確に打つことができるようになります。それは腕のひねりを使わずに打てるようになるためです。

 

整理すると、いくつかの例として

飛んでいくボールよりもスイング(フォロースルー)が上に抜ける=ボールが落ちる

飛んでいくボールよりもスイングが下に入る=ボールは落ちない

ラケット面を垂直にするイメージでヘッドを下げる=軌道が上がる

ラケット面を垂直にするイメージでヘッドを上げる=軌道が下がる

のような、簡単なことを覚えておくと打球イメージが楽になります。

スイングを上に抜くには、打点が後ろではできませんし、その逆も然りです。

何しろネットの高さを越えることが前提で、そのあとのコートに収まる軌道を考えれば、ということになりますが。

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 12:23 | コメントをどうぞ