月別アーカイブ: 2016年10月

全日本を観戦

毎年、秋になると有明のテニスイベントでウキウキしてきます。

東レ・楽天・全日本が約一ヶ月の間に次々とやってきます。

毎年行っているのは、楽天ジャパンオープンと全日本テニス選手権の二つ。

交通費とか、ワタシのお小遣いでは足りなくなるので、東レは見に行けないな、と最初のうちに切ってしまったら、毎年行かないイベントになっちゃいました。今年は大阪なおみの活躍なんかがあって、ああ行きゃあよかったなんて思いましたが。

 

楽天も行きましたが、昨日は全日本を見に行ってきました。

全日本といえば、ワタシがいつも気にして見ているのが、長尾克己選手。シングルバックハンドの熱いテニスをするナイスガイです。知り合いじゃないですけど。

今年もワタシのいく火曜日に試合が組まれていてくれて、よしっと思ったのですが、試合は第一試合。ワタシは午前中のレッスンが終わってから、11時に千葉を出るので、きっと見れない。。。

 

そして、今年大注目の綿貫陽介選手との対戦で、これもこの日一番くらいの注目のカード(ワタシ的にですが)だったので、見ることができなかったのは悔やまれます。

到着したら、早速スコアをチェックしましたが、ストレートで綿貫選手の勝ち。先週のワールドスーパージュニアを優勝して、動画も見ましたが、サーブとフォアハンドにすごい攻撃性が入るようになっていて、去年見たときよりもスケールの大きいテニスになっていました。

長尾選手との試合はどんなだったんだろう。ああ、見たかったな。

 

到着したときにやっていたのは、福田創楽選手と、仁木拓人選手との2回戦。福田選手は、去年初めて見て、近藤大生選手から勝利し(近藤選手はこのとき腰を痛めていたらしい)、その後も準々決勝まで進んだヤングガンだったのですが、今年は予選を勝ち上がっての戦い。

到着したときに、雨で屋根を閉めるための中断をしているところでした。仁木選手から3−6・6−3とセットカウント1オールからのファイナルセット1−4のデュースから再開した試合は、このデュースを取って、波に乗る仁木選手と、勝ちを意識したのか早攻めからミスを多発する福田選手で明暗が別れ、終わって見れば6−4で仁木選手の勝ち。福田選手はラケットを叩きつけてフラストレーションの溜まる試合でした。

 

その次に組まれていた、加藤美唯選手と、清水綾乃選手との3回戦。このラリーは見ごたえがありました。要所でしっかりポイントを取れた加藤選手の貫禄勝ち。

加藤選手のフットワークがとても光っていました。清水選手の豪快なストロークに怯まず渡り合い、要所では展開を変えるなど、あげるギアを持っていたのは加藤選手の方だったのかな、と思いました。

 

外のコートへ関口周一・竹内研人のダブルスを見に行こう、ってことで2番コートへ移動しました。第6シードのこのペアが押されに押され、最初のセットはコートに到着したときに0−5。ペアのショットがかみ合わず、一発のショットでポイントをしても続かないし、コンビネーションプレーが影を潜めていました。

相手は伊予銀行の選手ペア…すみません名前忘れたのキレのいいサーブや、コースを変えてくるところがうまく、ジリジリと話されます。ますますコンビネーションは悪くなり、セカンドセット1−2とブレイクされたところで降雨中断。最後の不十分な体勢で打たされたフォアハンドがアウトのコールになると、関口選手はイライラを募らせてボールを隣のコートのはるか彼方まで吹っ飛ばし、ウォーニングを取られたところで中断。残りは今日ですが、まだ挽回可能なカウントですから、今日のために調整がうまくいくかどうか。

その隣、志賀雅人選手たい守谷総一郎選手との対戦。ハードヒッターでシングルバックハンドのかっこいい守谷選手が4−3リードの展開でしたが、到着したときにデュース。4回?かもっと?デュースを繰り返して、ついに志賀選手がブレークに成功し、そこから6−4でファーストセット取るまで3ゲーム連取。

おそらくワンブレークで2−4ダウンから捲ったのでしょうか。4ゲーム連取したのかな。ペースのあるきれいな軌道のトップスピンで粘るスタイルの志賀選手でしたが、崩れないならとネットに出る守谷選手のボレーミスを誘う低いパスがすごかったです。

全く崩れない。苦しい状況でミスをすることも、クロスに振ったショットがアウトすることもありましたが、ポイントで崩れない。常に目線をコントロールして集中を切らさない姿勢に、隣のダブルスを見に行ったはずですが、こちらの方にワタシも集中して見入ってしまいました。

雨で外コートが全て引き払いになってしまったので、スタジアムに戻ると、守谷宏紀選手対竹元佑亮選手の2回戦。付け入る隙を与えず、と行った印象の横綱相撲のようなゲームでしたが、守谷選手はどこか調子悪そうでした。ボールにアジャストしていないようなミスを多発していて、こちらから見ていても「よし、決まるぞ」と思ったショットをネット中段に引っ掛けるようなミスが多かったです。

途中、パンクボールがあってポイントレットになるシーンがありましたが、これも守谷選手から「パンクしてるので」と申し出のあったところでの出来事でした。

最後に見たのは、4番コートに一旦入ったのに降雨順延となった女子ダブルス。

宮村美紀選手・波形純理選手 対 藤岡希選手・吉富愛子選手との対戦。過去に何度も名を馳せたベテランペアに、第一セットは真っ向勝負の若手ペアでした。常に先にブレイクしていけていたのですが、欲しいところで速攻を使ってポイントしてくる波形選手のポーチ、全く崩れないシングルバックハンドの宮村選手のポール回しなんかも出てきて、乗り始めたのか、ファーストセットを7−5で取ると、セカンドは6−1で乗り切りました。

若手ペアの方は、吉富選手のフォアが起点になって良いポイントが多かったので、ターニングポイントが何度かあってもおかしくない展開だっただけに残念。

左利きの藤岡選手のストローク力=視野も広く、打ち込んでいくショットも、相手の陣形からスペースの広いところへ外していくショットの選択など、レベルの高いところが見られましたが、サーブにもう少し左利きの利点が出るようなとか、吉富選手の残念なボレーミスなんかがあって、乗れさえすればいいペアだったのにな、と思いました。

最後のこのダブルスが、実はすごく内容が濃くて、見ているこちらが熱くなるいい試合でしたので、帰りが少し遅くなったりしましたけど今年も全日本は近くでみれて、またプロでもするはずの緊張や、大事だと思うあまりに固くなるシーンなんかがみれて、そういう意味でも自分たちに近い存在に見える良い大会だったと思います。

 

大会のシステム上いろいろなことがあると思いますが、広く見ればランキングトップの選手が出なくなりやすいとか、ドロー数の問題とか、わかりづらいところもあると思います。

ATPのポイントがつかないのは、オープン大会にして外国の選手が入りづらいようにしてるからとか、

それなら全国の県大会の優勝者に予選出場のチャンスを与えるとか(かつてそうでしたが、今はそこからさらに東日本とか西日本大会をやって、予選のワイルドカードがもらえる)、どっちつかずなような気もします。

日本人の頂点を決める大会としてプロもアマも出られるのか、プロの試合としてランキングポイントがつくのか、そこいらへんが分かれ目なのかな、と素人考えですが思います。どちらかにはっきり指針を出せれば、また違った価値が出るのではとも思いますが。。。

 

みていて楽しい大会でもあるし、会場中をあちこち歩いていろんなコートで観れる魅力もある大会です。

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:28 | コメントをどうぞ

握りについて知る

実感としてのマジメな話なんですが、ワタシ、ここ2年くらいの間、「グリップの神様」に目をかけていただいているんです。

アタマがおかしくなったわけじゃなくて、明け方の枕元に何度も現れ、ラケットを通して手が感じる感覚についてイメージを残していって下さるんです。

自分よりもうまい人、あこがれるようなプレーをする人、自分にはなさそうな感覚の人のプレーをみると、つい真似てみたくなる性分。それが、ワタシ自信をコーチとしてお客さんの打球法をつぶさに観察したり、要素を発見したり、またはどこの段階まで戻って矯正をかけるといいのか、そういう判断をその場のコート上でできるようになりたいと切に願っていたら、神様がほっこり現れて下さるようになったんです。

実体は拝謁したことがありません。時には天からの声で、時にはワタシの手の感覚を操作して、

ボールが当たったラケットがどんなふうで、

ラケット面にあるボールが手にどんな影響で手に伝え、手がどの部位でどんな感じにボールを把握するのか、教えてくれるのです。

手のひらはパーじゃないってこととか、

バックハンドも手の甲じゃなくていいとか、

ラケットの重みが手のひらでくるっと回るとか、

5本ある指や手のひらの部位にポイントがあるとか、

それを把握するのは細やかに感じることのできる手の神経ならではだってことなど

腕の「芯」をラケットの「芯」とうまく合う角度に持って動かす事とか、およそテニスを普通にやっていたら思いつかないことを、悩みがあるごとに答えやヒントを下さいました。

 

 

先日のこと、スマッシュの感覚の為のドリルといって、速射砲ドリルをやります。ボレーだったらゆっくり連続して打ち返せる程度のテンポで、あまり動かなくてもいいようにロブを上げます。

オーバーヘッドの動作は、3拍子であることが多いものですが、

このテンポの良い球出しは、ゆっくり目の2拍子なんです。

はた目からはゆっくりした球出しなんですが、2拍子の球出しに3拍子の動作はどうしても遅れがちになります。

それを、うまく連続ではたき返す練習。ひとり2分でレクチャーしていきます。

まず、小指と薬指とをしっかり持つようにしてもらって、それだけで腕を振るとグリップエンドを中心に、ヘッドが回るのを手が感じやすくなります。

残り3本の人差し指、中指と親指は、輪っかを作るように持つわけなんですが、この輪っかが、ラケットヘッドの動きを制御する動きです。意図的に動かせるように、腕はラケットを軽く感じながらスイングできるようにするのに、5本の指と手のひらを上手く使うようにレクチャーしていきます。

そうするとですね、全員がそのあとのメニューであるサーブの練習まで、ラケットをつかったボールコントロールの仕方がわかるようになったと嬉しい感想を述べてくれました。

ストロークや、ボレーでも同じようなことが起こります。

ラケットが手の上でどのようにゆれ、動くのか。そこに興味を持つ事も、打ち方の理解に役立つものだと思いますし、握りを変えられないことがどれだけテニスの技術をスポイルすることになるのか、知らないことは不幸なことだと思います。

 

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 15:31 | コメントをどうぞ

個人レッスン

個人レッスンには、メリットが多くあります。

ラケットの扱い方は、型どおりに教わったとしても持ち方や、ラケットの重さの感じ方、あるいは飛んでくるボールに対するリズムのとり方などは人によってだいぶ違うことがあります。

グループレッスンでも、どこのスクールでもそうでしょうが、かならずマンツーマンでコーチとラリーや、テーマの球出し練習などをするなかに個々へのアドバイスをするようにしていますが、たとえば10人のクラスだとすれば、90分ていどのレッスンの中ではきちんと見てあげられるのは2~5分くらい。

クラスのメリットもありますよね。それが色々な人と打ち合いができるうちに対応力が磨かれてくるとか、ゲーム形式などの課題をみんなで楽しみながら理解しやすくなる、っていう面だと思います。打ち方などの技術以外の面でテニスというスポーツを理解しやすくなるってこと、そしてそっちはすごく楽しいってことを伝えられるようにするのがスクールの持っている一面です。

そんな中で、自分のテニスに課題がある方とか、あるいは集中して取り組みたい人、なかには集団の中ではやりづらさを感じる人もいて、プライベートレッスンのニーズがあると思います。

一人で受講される場合はほとんどが、打ち方やラリーでの技術のみで、120分の時間をほとんど使います。

はじめて受講される方も、ワタシを打ち方を診るのが上手いコーチと認識というか信用してくれてオファーを下さっていると思いますが、さいしょのレッスンから、その方の課題に光が見えるようになるまで、一定かそれ以上の時間がかかります。

最初のレッスンでは、矯正法をおこなって、足りない要素に気付いてもらうと、球出しのボールを打つのに、人によっては劇的に良くなることもあり、おたがい(コーチとしても)すごく楽しい時間になるものです。

しかし、ラリーやゲームでその矯正がすぐに成果を表すものではないものです。

もう30年近くレッスンをやってきて、ホント半分くらいの間は、こないだのレッスンで上手くなるコツをつかんだんだから、今日はみせてくれるだろう、なんて期待をしてしまうようなコーチだったと思います。

おそらく生徒さんの方も、せっかくいいことを教わったからすぐに活かさなきゃ、と意気込む気持ちもあると思います。

よくわかったのは、そんなに簡単じゃないってこと。

 

 

理解できるようになったのは、もともとの動きに癖があって、自分でも気づいていたとしても、筋肉が記憶力を持っているので、普通に打とうとすれば癖の方が先に出てくるようになっていることだということがひとつ。

みためは、他の人がやらないような癖の強い打ち方だとしても、その方にとってはデフォルトになっている、自然な対応なんですね。それが、いつついた癖なのか、それもコーチとしては気になりますが、いまその状態であることは間違いないので、その癖がいつか治るものなのか、それとも付き合いながら自分の新しいフォームを見つけていくのかっていう事になります。

 

癖の部分は、とくに準備のための動きにあることが多くて、それが動きのリズムを作ることになります。インパクトの不安定さに影響のある部分がわかれば、そこさえ整えてあげると、リズムはその人がそれまでやってきた合わせ方でできるようになるので、取り組みが簡単になります。

インパクト前に注意しなければならない一つか二つの課題を、気にしながらラリーをしてもらう。そうすることで打ち方とボールが飛んでくる動作に順番がはっきりしてきます。そういうのが見えてくればもうほとんど大丈夫。あとは反復が必要なだけです。

手を取ってスイングを導いてあげることは、コーチにとっては簡単に感覚の違いを示してあげられることですが、頻度が多くなるのはデメリットになることが多いものです。

自分のラケットの扱い方や、ボールのとらえる感覚の違いなどに気付いてもらったら、もうそれ以上は体やラケットに直接触れずに、自分でつくる差の部分に注目してもらいながら練習してもらった方が上達は早いです。

結局は打ち方って頭の中にイメージがあっても、体はそのイメージを追っているつもりで違う形になっていることがほとんどなんです。その違いを直す方法を自分なりに見つけてもらうまでは取り組みは意味がほとんどないのと一緒。

頭で理解できた、ということ以外に成果がないことになります。

コーチの側にも同じような気持ちがありますが、生徒さん本人は、教わった通りにやったとたんに見違えるように自分のショットが良くなることを期待していると思います。

それは、矯正法を行うと、一部分に矯正をかけただけでインパクトが良くなる効果があるのは間違いないので、レッスン中にできるようになったとおもってお互いに喜ぶものなんですが、デフォルトになっている部分の書き換えるには至らないものです。

いままでと違う感覚でボールを打つことになりますから、本人は違和感と戦うことになりますし、結果を求めることが先になってしまうと、直したい動きよりも、飛んでいくボールの方に期待をしてしまいがちです。だってそのためにレッスンを受けてくれているんだから、当たり前ですよね。

だけど、実際には身体ってそんなに器用にいつでもどんなふうにでもフォームを変えて打てるなんてことはないので、まずは動き方ができるようになる方が先で、最初のうちはコントロールや、安定感なんかは期待しなくて大丈夫です。

動作の順序の中に、課題の動きがきちんと入れられるか、とんでくるボールのプレッシャーにまけて、ついいつものフォームまでしかできないでいるかの課題をまず克服しましょう。

それが出来てラケットにボールがふつうに当たってくれれば、手に残る感覚が、いまどうやって当たったか、うまくいっているときの感覚と、見当違いのショットになってしまった時の感覚の違いを身体が覚えてきてくれないと、再現性は上がりません。たまにすごく気持ちのいいショットを打てたとしても、二度と再現できないようでは意味がないですもんね。

そこで自分の「うまくできているはずの動き」と「向こうから飛んでやってくるボールの動き」が合わせられるようになるための練習ができるようになります。

 

だから、練習する課題はなるべくシンプルなものにして、できていく毎に負荷をかけていったり、新しい課題を見つけていくなどして上達への道に入ってもらいます。

その、最初の課題ができるようになるまでは、やっぱり少し時間がかかるものなんです。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:09 | コメントをどうぞ