もしも私がフェデラーで

子供のような発想かも知れませんが、夕べ行われた、錦織圭vs Roger Federerの一戦をまえに、どんな戦いになるか、ワクワクしながら、そんなことを考えずにいられなくなりました。

「もしも私がフェデラーだったら、錦織圭に対してどんな戦い方をするだろうか?」

試合の予想をしながら風呂に浸かっていたわけなんですが、フェデラーの武器となる戦術と、最近の戦い方、それを錦織圭のテニスに当てはめてどう使っていくことになるか?基本となる戦略を私なりに考えたとしたら、という妄想あそびなんですが、逆に考えることもできる。

その戦略をある程度錦織側が想定していたとしたら、どんな風に受け止めて、勝てる試合に持って行くか、という事も考えられるなぁ、と思って湯船につかって目をつぶって考えていました。

 

フェデラーは、長いラリーをせずにどんどんポイントを取りたいはず。

例えばリターンや、相手のショットが予測できたときにゆとりをもって打てるシーンではズバッと一発放り込んで、体勢を崩すか、スペースを空けさえすればもうネットとっちまおう…かな、と考えました。

サーブはまず1stの確率が高くないとこちらがヤバくなるから、そこは注意深く、しかもプレッシャーをかけ続けられるように配球は散らしながら的を絞らせないように。それができればサービスゲームはキープし続けられるだろう。

錦織のセカンドサーブにはより多大なプレッシャーをかけていこう。もしミスヒットしてポイントを落とすことになっても、自分のサービスキープを続けている間は、攻める姿勢を見せつけて、錦織に「良い1stをいれなければならない」というプレッシャーを与えることと、セカンドサーブに挑戦していくうちに自分のフィーリングがつかめればそのまま攻め込んでネットに繋げよう。

ラリーはなるべく早いタイミングで錦織をワイドに走らせる。常に挑戦し続けて、たるむことのないようにしよう。

 

と考えて試合に臨む・・・かな、と思いました。

 

それに対して錦織側の考えは(・・・勝手な妄想ですよ)、フェデラーが強く遠いボールで攻めてくるだろうから、そこから強めのカウンターを合わせられないと、一気に持って行かれる。

もしできるなら、フェデラーの速い展開の前に自分から攻めていきたい。

でもたぶん、サーブはライン際だったり、リターンも相当攻めてくるところを考えたら、カウンター狙いをする方が現実的。

そこで、ポジションを下げるべきか、それとも手が届くならテンポアップして攻めたはずのフェデラーを下がらせるつもりで前にいるべきか。

弱気策で行っても、相手は生ける伝説のあの人なので、まずそれはないな。じゃあ前で。リターンもいつもよりも前で。

 

 

かくして、試合が始まりました。

私にはもうそういうイメージで試合を見るつもりになっている(自分の妄想が現実になればいいなと思ってる)ので、そういう目で見て楽しみました。

試合は6-3・7-6(5)でフェデラーが勝ちました。

フェデラーの調子は尋常じゃないレベルで高く、自身調子も良さそうでした。

そんななか、想定通りには上手くいかなかったと思っているんじゃないかと思います。(妄想通りのテニスだとしたらですけど)

錦織は予想以上にはるかにタフで、フェデラーのメンタルを脅かすところまで来ていました。もちろん、安全な試合なんてないでしょうから、想定外って程でもないのかもしれませんが、ショットの精度も高く、自分の思い描いたテニスができている割には錦織からポイントやゲームを奪えてはいないという印象を残したのではないでしょうか。

錦織の方は、惜しかったと言わざるを得ません。

特にセカンドセット、ブレイクのチャンスがありながら、ダウンザラインに放った一球でフェデラーを出し抜くことが出来た、と思ったらジャストアウトしていた、というのが3度ほどありました。それがフェデラーのサービスゲームで、アドバンテージ錦織の場面で一本あったりしたんですが、本当に惜しかった。

あのセカンドセット、7-5で、あるいはタイブレークの末にでも錦織が取っていたとしたら、もう私が思い描いたシナリオとは全く別の試合展開を考えなければならなかったかもしれません。基本戦略はフェデラーは攻めるって言ったらネットをとるまで、錦織はもう重要なポイントで勇気をもってネットに詰める、というより早いラリーをお互いが仕掛けながら進んだかもしれません。

というよりも、見ているこちらがハラハラドキドキワクワクウズウズしながら1ポイント1ポイントを追うのが必死でした。

今年のベストバウトに入ります。ウインブルドンのナダルvsティエムも激しかったけど、それくらい凄い試合でした。

 


カテゴリー: プロ選手オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:10 | コメントをどうぞ