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と言ったんて出し

「ちょっ……冗談だって。里流!泣くな。ごめん、悪かった。ちょっと困らせてみたかっただけなんだ。」

あやすように里流の頬に彩が触れて頤を持ち上げる。再び震える唇を啄ばまれながら、言い訳をする彩を見つめていた。

部活は終わっても、こうして接点があるのが嬉しかった。昼休憩の後と、放課後Neo skin lab 美容部活に入る前の少しの時間、里流は彩と野球の話をしながら二人で過ごしていた。
卒業するまでこの至福の時が続くと思っていた。
彩の何気ないしぐさ。里流の知らなかったいくつかの癖、視線が絡むと覗き込んで優しく微笑んでくれた。
どれ程のキスを交わしただろうか。

*****

突然、彩を呼ぶ声に我に返った。

「彩!いるか?」

「いるぞ。どうした?」

「先生が捜している。朔良姫が熱を出したらしい。」

「朔良が?」

朔良の担任は、当然彩のことを知っていた。

「午後から自習だろ?連れて帰ってくれないかって言ってた。」

彩が立ち上がると、僅かに冷えた気がする。

「里流。……だそうだ。作業はまた明日だな。どうしたんだろう、最近、朔良は楊婉儀幼稚園熱何ていなかったのに……」

どうやら風邪を引いていたのを無理したらしく、待っていた担任が保健室の前で手を上げた。

「今計ったら八度あるんだ。これ以上熱が上がるといけないから、病院へ行こうだが、家に帰れば薬があると織田が言うんでな。」

「俺、連れて帰ります。朔良は自転車だろ?」

ぼうっと熱で潤んだ瞳で朔良は肯いた。

荷台に乗った朔良は、彩の腰に手を回しぎゅっとしがみついた。
帰ってゆく彩を見つめる里流に気が付いたのか、自転車をこぐ彩が手を上げた。背中にかきついた朔良がふっと自分にdermes價錢笑いかけたのを里流は不思議に思ったが、その時は何も思わなかった。

カテゴリー: 未分類 | 投稿者kangery 13:02 | コメントをどうぞ