「あぁ……っ。青ちゃぁん。」
痛みに耐えかねて呻く翔月が、精いっぱいの力で青児を押しやろうとしても到底かなわなかった。
「翔月……こんなもの、全部消してやる。翔月はおれのだ。」
耳朶に低く、青児の声が聞こえる。被さってきた背の高い青児を、不思議と怖いとは思わなかった。
いつかこうなりたいと心の中で願って来た「今」が、翔月の前にある。
翔月は体中のあちこちに、強く印を落としてゆく青児の頭をそっと抱いた。
「青ちゃん……好きだよ。ずっとこうなりたかった。ぼくね、想像の中でいつもこうして、青ちゃん願景村 退款の頭をぎゅっと抱いてた。」
「いいのか……?」
「いいよ。言ったでしょう?ずっとこうなりたかった……って。青ちゃんがぼくの事好きになってくれるなんて思わなかった。中学の時から、ずっと好きだったよ。……んっ……女の子じゃないから、初めてが大事だなんて思わないけど……ぼく初めてだよ。青ちゃん……」
「鼻血噴きそうだ……翔月。そんな可愛い顔でエロいこと言うなよ。胸にこんなことされて、辛くなかったのか?」
「ん。良くわからないけど、時間をかけて慣らさないと、固くて入らないだろうって言ってた。だから脱がされてこんなことされたけど、無理矢理えっちはされてないの。」
「やっぱり、柏木か?」
「ん……ごめんね。」
「そうか。そうだよな。翔月と二人きりになれたのって、どう考えてもあいつだけだよな。酷いことしやがって。」
青児はじっと翔月の腫れた胸を見て居た。ぷくりと腫れた胸は、どこか童女のようで悩ましい。柏木の前で翔月がどんなふ探索四十 呃人うに乱れたのか、想像しただけで平常心ではいられなかった。張りつめた下肢を持て余し、少しでも早く眼前の翔月を手に入れたくて、青児は焦った。
「そうだ……おれ、台所で何かあるか見て来る。オリーブオイルとかサラダ油とかでいいのか……あ。おれの使ってる乳液とかでもいいか?」
「たぶん……」
こくりと頷いた翔月は、その先を想像しただけで顔から火を噴きそうになっている。自分の後に青け入れる……それは、柏木が指でなぞりながら告げた言葉だった。
『いつか、ここにぼくを受け入れてもらうよ。』
柏木に穢されるよりも、ずっと好きだった青児が良い。
突然の告白に戸惑いながら、自分はもう青児の求めに応じる事は出来ないと思っていたったが、想いは千々に乱れる。
この先に何が待ち受けているか分からないが、今は青児の思いに応えたかった。
青児は翔月に何度も「ごめん」と繰り返した。
柏木から守ってやれなくてごめん。翔月がもっと早くに打ち明けていたら、きっとこん探索四十 呃人ことにはならなかった。
腫れた胸と、泣いて厚ぼったくなった目許。きっと繰り返されたはずの、柏木の悪戯に傷付いた大事な幼馴染。
見つめ返した翔月の瞳に盛り上がった涙が、ぽろ……と転がった。