杉田、添田に感じるフラット系カウンターパンチャーの危うさ

杉田が苦しんでいます。

全仏オープンの1回戦でアルゼンチンのH.ゼバリョスに4-6 7-6 4-6 2-6のスコアで敗れました。クレーを得意とするゼバリョスとそうでない杉田との差が出た印象です。時折ゼバリョスが見せるドロップショットが絶妙でした。運転順延のため2日目にわたったこの試合でしたが、2日目のプレーだけ見るとスコア以上に実力差があった気がします。これで杉田は9大会連続の初戦敗退。今回奇しくも連敗の開始となったインディアンウェルズの初戦で当たったゼバリョスにまたしても敗れてしまいました。

今年のクレーシーズンは1試合も勝てずに終了することになります。もちろん杉田にとってクレーは一番戦いづらいサーフェースではありますが、さすがに全敗というのは今後ツアーで戦っていくにあたって厳しい結果でしょう。ポジティブに考えればこれからは得意なグラスコートのシーズンが始まるわけですが、昨年バルセロナオープンでガスケやカレーニョ・ブスタに勝った勢いがあって臨んだグラスコートシーズンと、9大会連続初戦敗退で臨むグラスコートシーズンは何か違うものになってしまう気がするのです。

どうしても思い出すのは2012年の添田豪です。7月に世界ランキング47位を記録し、錦織圭に次いで松岡修造の46位を超える期待が高まりましたが、その後はズルズルとランキングが下がってしまい、翌年の7月には100番台に戻ってしまっていました。もちろん実際に46位を超えて日本人の世界ランキング歴代2位を記録した杉田と添田では、その実績の差に確かな一線が引かれたわけですが、やはり似たような危うさを感じてしまうのです。

杉田も添田もボールにあまり回転をかけないフラット系カウンターパンチャーの選手です。相手の球威を利用しつつ、低く滑る弾道で相手に高い打点からの強打を許さないこのプレースタイルはアジアの選手を中心に小柄な選手に多いプレースタイルです(シモンやゴフィンもこのタイプのように思います)。このタイプの選手が調子の良い時には、ボールの上がりばなをスパンスパンと打ち抜いてゆき、相手の選手がなかなか高い打点で打たせてもらえず苦しそうにボールを持ち上げる様子を見ることができます。ちょうど杉田が優勝したアンタラヤオープンの決勝がまさにそんな感じでした。

ただ、このフラットというのは難しいもので、ボールが落ちきらずに糸を引くように延びていってそのままアウトする場面も良くみます。恐らくですがフラットを持ち球にしている選手は、メンタルも含めたコンディションの充実がトップスピン系の選手以上に重要なのではないかと思います。初戦敗退が続き精神的に充実しているとは思えない今の杉田は、そういうプレースタイル的な危うさもあいまって観ていてとても心配です。

後一ヶ月足らずでディフェンディングチャンピオンとして迎えるアンタラヤオープンが開幕します。それまでに杉田には少しでも調子を取り戻して欲しい限りです。

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カテゴリー: 大会 | 投稿者ステイバックダブルス 00:47 | コメントをどうぞ

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