おはようございます!貴男です。
今日は、1995年のデ杯フィリピン戦の最終日をお届けいたします。初日のシングルスが1-1となり、2日目のダブルスを勝利し日本が王手をかけました。最終日のシングルスは、第1試合がナンバー1同士で最大の見せ場です。松岡さんのランキングと実力を考えれば勝利して当然かもしれませんが、初日で快勝しホームの大声援を背に戦ってくる相手選手は絶対に侮れません。そこにシェルコートという難しさが加わり、松岡さんへのプレッシャーが大きくなったことは否めないでしょう。
試合の方は、第1セットを日本が取り、コートサイドで応援していた僕らからは何も問題なく試合を支配しているように見えました。もし第2セットを日本が取っていれば、かなりの確率で勝利できたと思いますが、そこは相手のリザルド(フィリピン)としても絶対に落とせないのが分かっていたのでしょう、相当なエネルギーを注ぎ込んで奪いにきました。
第3セットの序盤で日本がリードしたことで、フィリピン陣営が戦い方を変え、第3セットの全ての時間をエネルギー回復に充ててきたのです。無理にポイントやゲームを取りにこないで相手が疲れるようにプレーし、ゲーム間の休憩では、バナナを食べたり水分をしっかり取って第4セット以降に懸けてきたのです。第3セットを6-0で取った日本ですが、第4セットの序盤から中盤にかけて松岡さんを足の痙攣が襲います。ここからエネルギー補給をしたり、トレーナーの治療を受けながらプレーはしたものの、ラリーを必要とするシェルコートでの痙攣は最悪です。
第4セットをフィリピンが取り、ファイナルセットが始まる頃には立っているのがやっとの状態となり、福井監督が松岡さんの元に駆け寄りゲームを止めました。エースの松岡さんが負けたというショックは日本チーム全体に広がり、フィリピンチームは、これでいけるという自信を選手だけではなく、会場全体が表していました。この状況下で淡々とプレーしてフィリピンの勢いを止めることができた選手は、あの時の日本人選手にはいなかったと僕は思います。それくらい後にも先にも経験したことのない異常な状況で辻野さんは、コートに立ちました。
相手のアンジェロ(フィリピン)は、守っても攻めても隙がなく、シェルコートを知り尽くしたように最高のプレーを一番大事な場面で見せました。最終試合の結果は、ストレートでフィリピンが勝利し、僕の初めてのデ杯は、ダブルスで勝利したもののチームが2-3で負けるという経験でした。このフィリピン戦の総括と僕がデ杯に対する思いは、次回に!!
それでは、また・・・・・。貴男
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北海道札幌市出身。世界ランキング最高102位。武器はサーブ&ボレー 6歳でテニスをはじめ、堀越学園時代にインターハイで3冠(単複・団体)を達成。1995年にプロ転向。 四大大会では7度の本選出場を果たし、2003年のウィンブルドン選手権と2005年の全豪オープンで2回戦に進出。 また、ジャパン・オープンでは2度のベスト8進出を果たし、2005年には岩渕聡とのペアで日本人ペアとして初のATPダブルス優勝を達成。2006年大会では王者ロジャー・フェデラーから1セットを奪う大健闘を見せた。
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