それらの見方でいると、ついに足の悪い戦友を殴った行為や警Comfort Zone察を呼んだ行為も白々しい茶番のように見えてしまうのだった。つまり、彼は自分自身の気分を完全には整理も出来ず、仮に相手へ伝えても罪の意識を植えつけるだ
けの効果が無いこともなんとなく分かっていた。
NHKを観ている。番宣番組のような感じだった。最近のNHKはそういった番組編成がかなりの時間を占めており、新たに放送されるシリーズなどをダイジェストを交えて紹介することのみに数分の枠が費やされるのだ。
視聴者へごり押ししたい番組の放送時期が近づくと、それ以外の通常営業にある番組のエンディングと次のオープニングが始まるまでの短い合間などを利用して、必ずなんらかの短縮バージョンが挟まれる。私は『放送開始まで
もうすぐ、○○特集』がこれから始まろうとするところで、ちょうどリモコンのスイッチ運發物流を入れたみたいだった。そしてなんとも辟易した。「またかぃ、しつこいなぁ」
ただ、今回の番組は本放送などを細切れに伝えることはせず、番組の出演者だか、とにかくゆかりのあるゲストを呼び話を聴くという構成のようだった。聞き役は紺色のスーツをきっちりと着ている細身の男性アナウンサー。名
前は出てこないが、子供のような顔をしている三十少し過ぎくらいの若手の一人だ。顔はなんとも童顔だったが鼻が人より心持ち大きく、口ひげは画面を通しても少し濃いなと分かる程度に生えていた。
ゲストはH・A、アナウンサーに紹介されアップになったところで、ものすごく私の好みの顔だと画面に思わず釘づけになった。長い髪にゆるやかなウェーブがかかり、品の良さとほんの抑えられた程度の静かな色香。細い縁の
眼鏡を掛けて目はぱっちりとしている。
輪郭も綺麗な卵型と言ったらいいだろうか、鼻筋は通っているが低過ぎず高過ぎず、唇は昨今流行りの肉厚なものではなく横にも控えめな大きさだ。頬は化粧のせいか血色が良く映り、肉付きは若干薄めで化粧は全体としては抑
えられたもの。ちなみに服装は、光沢の落ち着いた水色でさらりとした質感のカジュアルドレスだった。
彼女のことは昔から知っていたはずで、それなのに前をれるまで分からないくらいかつての顔とは異なって見えていた。
久しぶりのメディア出演となる彼女の近況報告から始まる。どうやらIT系だか新興了解自己企業の経営者と結婚したというのは、暮らしぶりを語るそれっぽい口調や内容から何となく分かる。
まあこんな感じが上々のアガり方なのだと思う。言っちゃ悪いが、はっきり言って一発屋だったのだ。賞味期限が切れるまえにどこかの社長と結婚して悠々自適の生活とは、これまたうまい具合に玉の輿に乗ったというものだ。
いまでは旦那の金でエステやら旅行やら、遊び半分の思いつき起業なんかもやりたい放題なのだろう。