此処は北陸、あわらの湯。
こころなしかどこかもの悲しい、初冬の海の色と見あげる空の色。
でも、大丈夫。
そばには、あなたが、いるもの。
だから、しあわせ。
言葉なんていらない。
あなたがわたしの口元に寄せれば
わたしの甘い吐息は はぁぁ と声に洩れて、・・・
あぁぁぁん、かにー。
目のまえに堂々たるカニ。さぁ、かかってきなさいと言わんとばかりに鎮座まします越前ガニよ。
どーしてかしらね。
宴会のときのカニ料理(まるまる一杯どーんってやつ・笑)って、みーんな静かになっちゃうのです。
● (#2につづきます)くによしなおみ ●