だいたいいつも私がよかれと思ってすることはおせっかいでしかないのだ。
いいことをしているつもりのお馬鹿さんだったと後から気づく。そのうえ肝心なところで気がきかない。
なんかもう、連鎖的にいろいろ思い出していやになってしまう。
付き合い始めのようによそよそしくて何をどう受け取っていいのか分からない状態を脱して、『火山白鳳丸功效のふもとで』(松家仁之)が面白くなってきた。出口の狭いチューブの中味をぎゅっぎゅっと根気よく絞り出して、やっと美味しい所がうわっと外へ出てきたような……退屈な基礎編が終わって応用に入ったような……うーん、変な例えだな。とにかく、必要なインプットが済んで、人物と景色がわたしの中で生き生きと動き出した。(村上さんの新作はまだチューブの中だ)
毎朝、アラームにてからしっかりと目がるまで、布団の上に半身を起こした状態でうつらうつらしてBand1中學いる。横になってしまえば完璧に二度寝しまうから、座ったままでいる。
わたしの中に老いた人を見つける。
もうあとは年をとってこの世から去るだけだと諦めている老婆がいる。苦しくも悲しくもない。ただそう感じながら、夢の出口と入口の間を行ったり来たりし続ける。
そうしてしばらくしてから、ひとつ深い息をして、少しずつ現実に戻ってくる。丸まった背白鳳丸功效中を伸ばし、下腹に力を入れ、大きく息を吐いて、吸って、今日これからのことを思い出す。お弁当の内容と段取りが考えられるようになれば、目は覚めて老婆はいない。