なぜ?フェデラーには避暑?

チリッチ、フェデラーとの決勝戦を振り返って「屋根が閉じなければ違っていた」[全豪オープン]

「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/本戦1月15~28日/ハードコート)の最終日、決勝戦に臨んだマリン・チリッチ(クロアチア)は、グランドスラム決勝において、半年で2度目となるロジャー・フェデラー(スイス)との対戦で、「前回よりも準備が整っている」と感じた。


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昨年「ウィンブルドン」の対戦では足のマメに苦しみ、普段の攻撃的テニスができなかった。肝心な時に満足いくパフォーマンスができなかったチリッチは、チェンジコートの際に頭からタオルをかぶって悔し涙を流した。そしてストレートで敗れた。

「全豪オープン」決勝、5セットでフェデラーに屈した時……涙こそ流さなかったものの、クロアチアのビッグサーバーは、やはり悔しさを覚えていた。今回チリッチを悔しがらせたのは、メルボルンの厳しい暑さのために試合前に下された「ロッド・レーバー・アリーナの屋根を閉じる」という決断だった。

トーナメントレフェリーは試合開始直前に屋根を閉じることを決め、チリッチは後に、気温摂氏38度 (華氏100度) の屋外で練習した後では、予想を超えて涼しい室内の環境に慣れるのがむずかしかったと語った。

「あの決定次第で、違う可能性があったと言わざるを得ないと思う。決勝は初めて屋根を閉じた試合になって、適応するのが少しむずかしかった。特に試合開始直後、決勝でああいう状況だと」。

事実チリッチの出足は悪く、最初の2つのサービスゲームを落として、わずか24分で第1セットを奪われた。試合後、屋根を閉じるという決断がフェデラーにとって有利だったかどうかチリッチにはわからなかったが、チリッチ自身の調子は明らかに狂わせた。

「この試合、僕は出遅れた。その後は、ほとんど追いついた」。

確かにチリッチは追いつき、フェデラーに5セットマッチを強いて、最終セット第1ゲームでは早々と2度のブレークチャンスを手に入れた。ここでリードを奪って勢いを持続するかに見えたものの、2本のエラーを犯してチャンスを逸すると、自身のサービスゲームを2度落としてフェデラーが瞬く間にセットをものにした。

それでもチリッチは、メジャー大会3度目の決勝進出を果たしたことや、グランドスラムで唯一優勝を遂げた2014年「全米オープン」以来のトロフィー獲得まであと一歩に迫ったことを喜んだ。チリッチはまた、男子テニスのトッププレーヤー……フェデラー、ラファエル・ナダル(スペイン)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、アンディ・マレー(イギリス)の、いわゆる「ビッグ4」との差を埋めつつあると確信している。

実際、ランキングでは彼らとの差を埋めつつあり、来週はナダルとフェデラーに次いでキャリア最高の世界ランク3位となる。だがチリッチは、彼らに対してより良い戦い方を学んでいる最中だと考えている。

ビッグ4との対戦戦績は今なお7勝40敗と低く、フェデラーに対しては現在1勝9敗だ。それでも「全豪オープン」でナダルと戦った準々決勝では、第5セットを2-0とリードした時点で、ナダルが脚の怪我を理由に途中棄権し、チリッチが勝利を収めた。そしてフェデラーに対しても5セットマッチを強いた。

「最終目標は1位になることだ」とチリッチは言う。「この1、2年だけでも、大きく進歩した。去年はいろんなエリアで成長した。この2カ月で、さらに成長した。これで非常に自信がついた」。

怪我で戦線を離脱しているジョコビッチとマレーが体調万全で戻ってくれば、4大大会で勝ち進むのがよりむずかしくなることをチリッチは自覚しているが、困難に挑む準備はできている。

「3位というのはいい気分だし、すごいと思う」とチリッチは言う。「僕は成長し続けている。未来は明るい」。

(C)AP(テニスデイリー編集部)

※写真は決勝戦でのマリン・チリッチ
(AP Photo/Vincent Thian)


カテゴリー: 15-0 NEWS, 話題のニュース | 投稿者オールサム | コメントは受け付けていません。