マイアミオープン1回戦で、セリーナと対戦することで注目を集めた大坂なおみだが、結果は6-3,6-2のストレート勝ちだった。
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大騒ぎするのは時期尚早かと思う。セリーナは、まだ完全復活したわけではない。これから幾度か対戦していくだろう。大坂なおみがグランドスラム決勝で、セリーナを破って優勝した時、本当に大騒ぎしよう。
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ダイヤモンドオンラインで、香りの害についての記事があり、とても興味を持ったので抜粋してみた。化学物質は、目に見えないところで人体に影響を及ぼしているのは間違いないだろう。
以下、ダイヤモンドオンラインの記事
「香害」とは、香りつき商品の成分で「化学物質過敏症(MCS)(注1)」や「シックハウス症候群(SHS)」などになる人たちが急増している、新しい公害のことだ。今回は、香害により、幼くして人生をズタズタにされた子どもたちに焦点を当てる。校舎に入ることができないので、寒さが厳しい冬も、グラウンドの片隅に机と椅子を持ち出して個別に指導を受けている児童や重症化して外出さえできなくなり、引きこもりを続ける児童がいる。(ジャーナリスト 岡田幹治)
● ニオイのする教室に入れず 厳冬も校庭の片隅で学習
大阪府堺市の市立小学校。2年生のゆう君(仮名、8歳)は、寒さが一段と厳しい今年の冬、グラウンドの片隅で個別指導を受けている。
綿のトレーナーにセーターやダウンコートを重ね着し、“授業”では、マフラーや手袋、ひざ掛け、使い捨てカイロが必需品だ。
SHS(注1)なので、校舎内に入ることができない。入ると、壁のペンキや児童・教師から流れ出る洗剤・柔軟剤の成分に反応して、頭痛や足のしびれ、鼻血、発熱などの症状が出る。夏は夏で、暑さに耐えながらの外での授業だ。
(注1)MCSは、(多くの人が何も感じないほど)微量の化学物質にさらされると、頭痛・思考力の低下・目のかすみ・息苦しさなどの症状が出る病気。重症になると日常生活も仕事も続けられなくなる。SHSは、建物内の空気汚染が原因でMCSと似た症状になる病気。その建物を離れると、症状は和らぐ。
個別指導は、普通学級とほぼ同じ時間割で進められる。
指導するのは、同校の特別支援学級の介護補助員と手の空いている教師だ。担任などの教員が担当することも、教頭や校長が担当することもある。
ゆう君は、1~2月は、その日の風向きなどを考えて机と椅子を置く場所を変え、胃腸風邪(感染性胃腸炎)にかかって1週間休んだほかは、何とか通学した。
しかし、3月になって、早退が続いている。
学校の周辺で土木・建築工事が始まり、そこからのニオイで勉強ができす、早退。先生の衣類から流れてくるニオイで苦しくなったり、寒さ対策としてテントを張ってもらったが、雨が吹き込んで勉強どころでなくなったりしたからだ――。
3月最初の日曜日には、「早く(友だちと同じ)教室に入りたい。1週間後には体調がよくなって入れるようになっていたい」と意気込んでいた。
だが、その翌日から早退を繰り返している。
ゆう君の願いと現実との落差に、母のみさこさん(仮名)の悩みは深まるばかりだ。
● 学校のペンキ塗り替えで重症に 特別支援学級は受け入れられず
ゆう君は4歳のとき、母の実家で衣料用防虫剤がタンスにたっぷり置かれた部屋で寝た翌朝、まぶたが腫れあがり、全身に蕁麻疹が出て救急病院で手当てを受けた。
その後、体調の悪化が続き、やがてMCSになった。
みさこさんが入学前に、MCS児のための特別支援学級(病弱・身体虚弱教室)を設置してほしいと、学校と市の教育委員会に要請したところ「診断書が必要」と言われた。あちこち探した結果、ようやく入学式当日に高知市の病院の予約が取れた。
母と子は入学式を欠席して、高知市に飛んだ。診断書を書いてもらって提出したが、要請は聞き入れられなかった。「堺市では児童一人だけの特別支援学級を認めていない」などの理由だった。
入学後、洗剤・柔軟剤などのニオイに悩まされながら、普通学級で学んでいたが、1年の3学期(昨年1月)に授業で紙粘土(樹脂粘土)を使った影響で、40度もの熱を出し、しばらく微熱が続いた。
春休み中に回復し、新2年生で4月に登校してすぐに、春休み中に塗り替えられた階段のペンキに反応して発熱や体調不良が続くようになった。
京都市のクリニックでSHSとの診察を受け、「入ることのできる教室での個別指導や一時的な転校などの配慮も必要と考える」との意見がついた診断書を提出した。
そこで始まったのが、グラウンドの片隅での個別指導だ。
最初は、スクールサポーターが指導し、先生は時間の空いたときに見てくれるだけ。担任の先生に1週間も会わないこともあった。しかもスクールサポーターの派遣は予算の関係で昨年末に打ち切られ、今年1月からいまの態勢になった。
● 授業参観日のあと登校不能に 引きこもりが1年4ヵ月
南関東のある市の市立小6年の貴(=たかし、仮名、12歳)くんは、香害が原因で学校に行けなくなった。
化学物質に敏感な体質で、両親も軽いMCS症状があり、無垢材と漆喰で新築した自然住宅で、幼稚園年長組のころから暮らしている。
異変が起きたのは小2のときだった。
給食当番が着る給食着のニオイが気になるようになり、給食着がくさくて給食が食べられないこともあった。給食着は当番の子が週末に持ち帰って洗濯し、翌週の当番に引継ぐのだが、香りが長続きする高残香型柔軟剤を使う家庭が少なくないのだ。
そのころから、帰宅した貴くんの衣服に、柔軟剤臭がべったり残るようになった。小5になると、体がいつもだるく、朝、なかなか起きられないようになった。帰宅すると、すぐに横たわってしまう。
そんな体調で迎えた4月下旬の授業参観日。教室内は子どもたちと参観する父母たちでいっぱいになり、柔軟剤のニオイが立ち込めた。
母の真帆さん(仮名)は活性炭マスクをして参加していたが、頭がくらくらし、壁を支えにやっと立っているほどだった。
貴くんはその日を境に登校できなくなった。
教育委員会の勧めもあり、9月には自宅から車で10分ほどの小規模校に転校したが、間もなく、音楽室で学習中に手足がマヒして動けなくなり、父が迎えに行く騒ぎになった。
以来、その小規模校にもまったく行っていない。
嗅覚過敏が進み、ほとんどのものに反応するようになった。自宅の周辺は柔軟剤などのニオイがいつも漂っていて、外出もできない。反応の出ないパジャマを一日中着て自室に閉じこもり、パソコンに向き合う日々がもう1年4ヵ月も続いている。
国立病院機構高知病院で2005年からMCSの診察を続ける小倉英郎医師(現在は非常勤)はこう話す。
「統計はとっていないが、MCSを発症する子どもたちが増えている印象がある。保育園や学校に通うようになり、香りつきの合成洗剤や柔軟剤を使う家庭の子どもたちと接触したことがきっかけになる場合が多い。高知県には(南国市の岡豊小学校など)MCS児童のための特別支援学級を設けたところもあるが、全国ではまだ、不十分な対応しかしていない学校が多いと聞いている」
● 休学状態が続く高校生 制汗スプレーで発症
中学、高校と学年が進むと、消臭除菌スプレーや制汗スプレーを使う生徒が増える。札幌市の高校2年マリさん(仮名、女性、17歳)は、その被害者の一人だ。
マリさんは中学入学のころから、香水・洗剤・タバコ・排ガスなどが苦手になった。
なんとか通学して卒業。私立高に進み、周囲で使用される制汗スプレーにさらされてから、頭痛・吐き気におそわれるようになった。次第に全身倦怠感・めまい・発熱・関節痛・食欲不振が加わり、通学が困難になった。
事情を説明すると、自分のクラスでは協力が得られたが、他のクラスでは協力してもらえなかった。
体育会系の部活動が盛んで、汗臭さを消すために制汗スプレーを使う生徒が多いのだ。防塵マスクを着けて通学していたが、症状はさらに悪化し、いまはほぼ休学の状態だ。
大学進学をめざし環境のよいところを探しているが、見つかるだろうか、と不安がよぎる。
● 教師も“被害者”に 生徒に近づけず、退職
埼玉県の市に住む臨時教員ヒカルさん(仮名、40歳代の女性)は、3年前、あるマンションへの引っ越ししたのが原因で、SHSと思われる体調不良になった。
転居するとややおさまったので、勤めを続けてきたが、一昨年6月に勤務し始めた都立の特別支援学校で、強い柔軟剤臭のする生徒たちに接すると、症状が出て指導するのが難しくなった。
1クラス5~6人しかいないが、生徒の着替えやトイレ介助などで体を密着することが多い。校外歩行で一斉に虫よけスプレーをかけられるのが、耐えられない。勤務1ヵ月で、右股関節が激痛で2日間歩けなくなるようなことも起きた。
MCSになったようだと管理職に訴え、生徒たちと接触しない仕事に変えてもらったが、間もなく同僚の教員の柔軟剤や整髪剤にも反応するようになり、更衣室にも職員室にもいられなくなった。
昨年2月に東京の専門クリニックでMCSの診断を受けたころには、食べたり歩いたりする力さえなくなり、任期を2週間残して退職した。
いまは回復に努める日々。小中高校と特別支援学校の教員免許を持っているので、臨時教員を務めてほしいとの申し出は絶えない。しかし、「香害」のある職場では働けないと断り続けている。
● 校内は香りつき製品を禁止に 受動喫煙防止と同じ対策必要
マリさんを診察した札幌市の開業医・渡辺一彦医師(渡辺一彦小児科医院院長)は、学校が香害対策に消極的な背景をこう説明する。
―文部科学省の「学校環境衛生基準」が、ホルムアルデヒドなど6種類の揮発性有機化合物(VOC)を基準値以下にするよう定めているため、教育現場では、6種類のVOCが基準値以下なら、SHSは発生しないという誤解がいまだにまかり通っている(注2)。
この結果、近年、急増している柔軟剤・化粧品や消臭・制汗スプレーなど、「香害」による健康被害が軽視される。しかも、香り商品を使うかどうかは個人の好みの問題で、口出しできないという考えだから、MCSなどになった児童・生徒に対し十分な配慮ができないー。
渡辺医師は「学校の香害はもう放置できない段階だ」とし、厳しい対策が必要だと訴える。
香害はタバコでいえば「受動喫煙」に当たるが、受動喫煙防止対策として厚生労働省は「学校は原則、敷地内禁煙」にする方針だ。同様の対策を香り製品についても取るべきではないか。
(注2)学校が原因のSHSは「シックスクール症候群」と呼ばれることもある。
岡田幹治
以上、ダイヤモンドオンラインの記事
昔、これに似た概念で『経皮毒』というのが話題になったこともあった。20年近く前の話しだが、公害は繰り返される。正しい知識を基に、正しく対応出来る力を身に付けておきたい。