カテゴリー別アーカイブ: 話題のニュース

世界のテニス・日本のテニスについて

学生起業家が考えるスポーツビジネス

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 2018年3月28日に東京都内で開催された「UNISPO NIGHT ― 学生起業家が考える大学スポーツビジネスの最前線」。“学生が主体となって大学スポーツを盛り上げるには何をしたらよいのか”、“今後の大学スポーツやスポーツビジネスはどうなるのか”といったテーマのもとで行なわれたイベントの模様をレポートする。
 
 このイベントは、大学サッカーの人気と競技レベルの向上を学生が主体となって達成することを目指す一般社団法人ユニサカと、スポーツエンターテイメントアプリ『Player!』を開発、提供する株式会社ookamiによるイベントだ。会場には約40名の学生参加者が集まり、前半はユニサカとookamiによるプレゼンテーション、後半はトークセッションという構成で行なわれた。

 
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大学スポーツを盛り上げるアンバサダープログラム
 最初にプレゼンしたookamiの尾形太陽代表取締役は、まずは自社の事業の概要を紹介。試合の得点速報などのリアルタイム情報を受け取れる『Player!』では、野球やサッカーなどのメジャースポーツだけでなく、マイナースポーツや学生スポーツもカバーしているのが特徴となっている。尾形氏の口からは、Player!は新しいスポーツ観戦体験の提供を目指しており、2014年創業のookamiが挑戦を続けていることが語られた。
 
 その上で、2018年1月に発表した“College Sports Ambassador”プログラムについても説明。このプログラムでは、大学スポーツ11競技のそれぞれに1名のAmbassadorを置き、彼らがPlayer!や各種ソーシャルメディアなどを駆使して発信することで、競技を盛り上げることを目指している。尾形氏は「マーケティングやスポーツビジネスに興味がある人には、良い実践の場となるはず。大学スポーツを変えたいという情熱を持つ人は、ぜひ一緒に挑戦しましょう」と会場にいる学生たちに参加を呼びかけた。
 
 尾形氏のプレゼンでは、日本の大学スポーツは“日本版NCAA”の創設に向けた議論を契機として、大きな転換期を迎えているという現状も提示された。NCAAとは、全米大学体育協会(National Collegiate Athletic Association)の略称で、米国において大学横断的かつ競技横断的に大学スポーツを統括している組織のこと。このNCAAをモデルとし、スポーツ庁が中心となって2018年度中の創設に向けて議論が進んでいるのが日本版NCAAとなる。
 
 日本版NCAAが実現すれば、アスリートの安全対策や競技場の整備など、競技環境の改善が進み、競技力や「観るスポーツ」としての魅力も向上。これにより、スポンサー収入や放映権料などの増加が見込まれ、大学スポーツの産業化に弾みがつく。現状はスポーツビジネスの小規模なマーケットでしかない大学スポーツが、プロスポーツにも引けを取らないマーケットへと化ける可能性が生まれるわけだ。
 
スポーツのつくり手を増やしていく
 尾形氏に続いてプレゼンを行なったのは、ユニサカの須原健太氏だ。須原氏は、日本のスポーツビジネスの最大の問題点は閉鎖的であることと指摘し、ユニサカはこれをオープンにすることを目指していると説明。早稲田大学と慶應大学のサッカー部員が中心になって立ち上げ、周囲の人たちを巻き込むことで「試合の作り手」を増やし、そこから発展してきたユニサカの歴史を紹介した。
 
 その上で、今後は、ユニサカが培ってきたスキームの精度を高め、それをクラブチームなどにコンサルティングする新規事業を開始すると発表した。オンラインサロン的な位置付けの“ユニスポ研究所”を設置し、チームとファン、企業などをまとめてコミュニティー化。スポーツイベントの企画や集客、運営に共同で取り組むことで、イベントを成功に導くことを目指すという。
 
熱狂をつくり、熱狂が生むスポーツビジネス
 続いて行なわれたトークセッションでは、3度のオリンピックに出場した元アスリートで、現在はDeportare Partnersの代表を務める為末大氏がモデレーターとして登場。為末氏が司会を務め、ユニサカの原田圭代表理事、株式会社WaterFowlの池田吉来代表取締役CEO、株式会社ventusの梅澤優太取締役COOに質問を投げかける形式でトークが繰り広げられた。
 
 最初に自己紹介を行なった原田氏に対して、為末氏は「大学スポーツが盛り上がらないのはなぜだろう?」と問いかけた。それに対して、原田氏は「競技場や人材といったインフラの不足が大きい。また、競技団体の数が多すぎて、権利関係の整理が難しく、物事がなかなか前に進まなない傾向にある」と返答。スポーツ庁の「日本版NCAA創設に向けた学産官連携協議会」の委員も務めるだけに、そのあたりの問題意識が強いようだ。
 
 池田氏が代表取締役を務めるWaterFowlは、テニスや卓球、バドミントン向けのスポーツ分析システム『Spolyzer』を開発中だ。為末氏が開発の動機や狙いを尋ねると、池田氏は高校時代から本格的にバドミントンに打ち込んでおり、アスリートに対して畏敬の念を持っているとした上で、「ビジネス的な狙いももちろんある。マイナースポーツはまだ誰も手を付けていないという意味で、有利だと思っている」と答えた。
 
 ookamiにインターンとして在籍した経験があり、現在は為末氏のオフィスを間借りしている梅澤氏は、ventusを2017年11月に設立したばかり。ブロックチェーン技術を利用して、スポーツチームやアスリートがファンから資金調達する仕組みを開発している。為末氏が「学生スポーツには、お金を稼ぐべきでないというマインドがあるが、それについてはどう思う?」と質問すると、「自分自身が営業活動した感触では、そのマインドはあまり感じなかった。営業での苦労はあまりない」と返答した。
 
 今回のイベントの参加者は少なからずスポーツビジネスに興味がある人たちということもあり、為末氏は「他業界と比べて、スポーツビジネスの強みは?」という質問も3名に投げかけた。これに対して、梅澤氏は「熱中とか熱狂の要素があるところ」と返答。原田氏も「スポーツには勝敗があるので、応援の気持ちや思い入れ、熱狂が生まれる」と答えた。また、池田氏は「現状は、競合企業が少ないので、目立ちやすく、勝ちやすい環境にあると思う。また、体育会系の縦社会では、若者は気に入られやすいというメリットもある」と強調した。
 
 トークセッションの締めとして、為末氏はイベント参加者に向けて「今回のトークセッションは、ビジネスの話を深く突っ込むのではなく、『スポーツビジネスはなんだか面白そうだな』とみなさんに感じてもらえるような内容を心がけましたが、どうでしたか?」と発言。参加者は学生のみで、中にはこの春から大学生という人もいたが、休憩時間には参加者同士の交流も盛んに行なわれるなど、全員が積極的に参加して得るものも多かったようだ。

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錦織圭 ディミトロフに勝利の瞬間動画

 テニスのイタリア国際は16日、ローマで行われ、男子シングルス2回戦で世界ランキング24位の錦織圭(28=日清食品)は第3シードで同4位のグリゴル・ディミトロフ(26=ブルガリア)と対戦。6―7、7―5、6―4で逆転勝ち。3回戦へ進出した。

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 錦織は第1セットの第5ゲームでブレークし、有利な展開だったが、第10ゲームを落とすと、試合はもつれタイブレークに。ここで粘りきれずにディミトロフが先取。第2セットは不利な展開から錦織が盛り返し、7―5で取って第3セットへ。2時間55分の熱戦の末、ベスト16へ進出した。


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日大アメフトのタックルは偶発的だと

以下の記事を読んで、呆れる。
日大アメフト部は、大きな過ちを犯している。
こんなこと許して良いのか。

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 6日に行われたアメリカンフットボールの日大と関学大との定期戦(東京・アミノバイタルフィールド)で、関学大クォーターバック(QB)選手が日大守備選手から悪質なタックルを受けて負傷した問題で、日大の広報が16日、デイリースポーツの取材に応じた。問題のプレーが内田正人監督の指示によるものであったという一部報道もあるが、担当者は「それはあり得ない」と全面的に否定した。

 日大は、関学大からの抗議文に対し、15日に回答を提出した。文書の内容については明かさなかったが、日大側は内田監督をはじめ指導者、選手に聞き取り調査をしたという。その上で、指揮官が危険なプレーを指示したとされることについて、「指導者も選手も誰もそんなことは言っていない」と断言。あらためて故意によるプレーではないとし、「試合の中で残念ながら偶発的に起こってしまったアクシデントだと認識している」との認識を示した。

 内田監督は問題が起きた試合以降、対外試合を含めて公の場に姿を現していないが、担当者は「(指揮を)自粛しているわけではなく、仕事などが忙しいので現場はコーチに任せている」と説明。また、反則を犯した守備選手は現在休養しており、練習場にも合宿所にも姿を見せていないというが、同選手が退部の意向を示していることについては「そんな事実はない。現在も部員です」と否定した。

 今回の問題を受けて、関東学生連盟は10日に暫定的な処分として、反則を犯した日大選手の対外試合出場禁止、指導者への厳重注意を発表。さらに、規律委員会で関係者へのヒアリング調査をした上で最終的な処分を決める。

 また、日大からの回答を受け取った関学大は、17日に記者会見を行う。日大もそれを受けて何らかのリアクションを検討するというが、記者会見を行うかは未定だという。

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大坂なおみ ハレプに完敗

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「BNLイタリア国際」(WTAプレミア5/イタリア・ローマ/5月14~20日/賞金総額335万1720ドル/クレーコート)の女子シングルス2回戦で、大坂なおみ(日清食品)は第1シードのシモナ・ハレプ(ルーマニア)に1-6 0-6で敗れた。試合時間は59分。


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 今大会に2年連続出場となった大坂は、1回戦で元世界ランク1位のビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)を6-0 6-3で破って大会初勝利を挙げていた。昨年は1回戦で、ラウラ・シグムンド(ドイツ)に2-6 4-6で敗れていた。

 この結果でハレプは、大坂との対戦成績を4勝1敗とした。今シーズンはここまでに2度対戦し、1月のオーストラリアン・オープン(オーストラリア・メルボルン/ハードコート)の4回戦はハレプが6-3 6-2で、3月のインディアンウェルズ(WTAプレミア・マンダトリー/ハードコート)の準決勝では大坂が6-3 6-0で勝っていた。

 20歳の大坂は、3月のインディアンウェルズでツアー初優勝。決勝までの過程で、世界ランク1位経験者のマリア・シャラポワ(ロシア)、カロリーナ・プリスコバ(チェコ)、ハレプを倒し、翌週のマイアミ(WTAプレミア・マンダトリー/ハードコート)では1回戦でグランドスラム23勝のセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)から金星を挙げていた。

 ハレプは3回戦で、第13シードのマディソン・キーズ(アメリカ)と予選から勝ち上がってきたドナ・ベキッチ(クロアチア)の勝者と対戦する。

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錦織圭 ディミトロフに大逆転勝利で復活

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「男子テニスATPワールドツアー マスターズ1000 ローマ」(イタリア・ローマ/5月13~20日/クレーコート)の4日目、2回戦で錦織圭(日本/日清食品)が第3シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)と対戦。第1セットを6(4)-7で落とすも、第2セットを7-5で追いついた錦織は、第3セットを6-4で奪い、逆転で勝利。錦織はこれで今大会4年連続ベスト16入りとなった。試合時間は2時間55分。


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勝利した錦織は、2回戦で第13シードのジャック・ソック(アメリカ)を破ったフィリップ・コールシュライバー(ドイツ)と3回戦で対戦する。

勝負の決まる第3セットは錦織のサービスゲームから。第2セットを奪い返した錦織は、その勢いのままにラブゲームでキープし、順調な滑り出しを見せた。第5ゲームで30-40とされピンチが訪れるも、錦織は落ち着いてデュースに持ち込む。しかし、ディミトロフにブレークされてしまい、第2セットと同様に追う展開となった。

そして互いにキープして迎えた第8ゲームで錦織は30-40とブレークバックのチャンスをつかむ。デュースになったが錦織がブレークバックに成功し、ゲームカウント4-4のイーブンとした。続く第9ゲームで30-40とブレークポイントを握られたが、ここを長いラリーの末にしのいだ錦織は、デュースでもポイントを連取してキープ。

第10ゲーム、錦織は40-15の状況から3連続でポイントを奪ってデュースに持ち込むと、ネットでボレーを決めてマッチポイントを握った。最後はディミトロフのショットがネットにかかり、6-4で第3セットを取り、ディミトロフに逆転勝利を果たした。

また、ディミトロフは今日が27歳の誕生日だが、勝利で飾ることはできなかった。

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シャラポワフルセットで初戦突破

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女子テニスのBNLイタリア国際(イタリア/ローマ、レッドクレー、ATP1000)は15日、シングルス1回戦が行われ、3年ぶり4度目の優勝を目指す世界ランク40位のM・シャラポワ(ロシア)が第16シードのA・バーティ(オーストラリア)を7-5, 3-6, 6-2のフルセットで破り、2年連続の初戦突破を果たした。


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2度目の対戦となったこの試合、ファーストサービスが入った時に74パーセントの確率でポイントを獲得した31歳のシャラポワは、2時間30分の激闘を制し2回戦進出を決めた。

シャラポワはベスト16進出をかけて、世界ランク34位のD・チブルコワ(スロバキア)と対戦する。チブルコワはワイルドカード(主催者推薦枠)で出場の同271位のF・スキアボーネ(イタリア)をフルセットで下し、BNLイタリア国際2年連続の初戦突破を果たした。

一方、敗れたバーティは自身初のBNLイタリア国際2回戦進出を逃した。

また、第1シードのS・ハレプ(ルーマニア)や第2シードのC・ウォズニアッキ(デンマーク)、第3シードのG・ムグルサ(スペイン)らは1回戦免除のため2回戦から登場する。世界ランク21位の大坂なおみは自身初のBNLイタリア国際2回戦進出を果たし、ベスト16進出をかけてハレプと対戦する。

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アメフト悪質反則問題を考える

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 大学スポーツのアメリカンフットボール(以下、アメフット)で、悪質で危険な反則プレーが問題視されている。アメフットはヘルメットやフェイス(マウス)ガードなどを身につけて全力で選手同士がぶつかり合うフルコンタクトのスポーツだが、大学スポーツという教育の場での選手の指導法にも疑問が生じるとともに、報道によれば当事者大学関係者同士の応答にズレがあるようで議論は拡がり続けている。

かなり危険だったアメフット草創期
 問題になっている反則プレーは、2018年5月6日、日本大学と関西学院大学のアメフット部の定期戦で起きた事例だが、この記事では当該プレーの内容や大学の対応などとは別に、アメフットという競技における事故や傷害の管理、対処の事例などに焦点を当てる。また、アメフットという競技自体についての論評も控えたい。

 アマチュアであれプロであれ、どんなスポーツも基本的に危険がともなう。だが、ルール無視の意図的な反則が行われれば危険度はさらに増すだろう。肉体的な接触の多いフルコンタクトのスポーツでは、特にルールを守ることが重要だ。

 米国の大学スポーツでは、単独の競技だけではなくアメフット、バスケットボール、野球、アイスホッケー、テニス、ゴルフなど多種多様な競技大会を運営する全米大学体育協会(National Collegiate Athletic Association、NCAA)があり、観戦スポーツの巨大ビジネスとして組織管理をしている。だが、そもそもNCAAの発足の理由はアメフットで試合中の怪我や死亡事故が多発したからだ(※1)。

 NCAA発足の背景になった20世紀初頭のアメフットは、ラグビーから派生したこともあり、ヘルメットもヘッドギア程度でかなり危険な競技だった。NFLでヘルメットが義務づけられたのは1940年で、1970年代の初頭に現状のヘルメットやフェイスガードが登場する。致命的な頭部外傷は減ってきてはいるが(※2)、1990~2010年までの10年間で米国の高校大学のアメフト選手の243人が亡くなっているのも事実だ(※3)。

 日本の大学アメフットでも、1982年に京都大学アメフット部のランニングバックの選手が試合中に頭部を強く打って亡くなっているし、2015年12月には名古屋大学アメフット部の部員がやはり頭部外傷事故(練習中)で亡くなっている。

 今回の議論にも関係すると考えられるのは、被害者の所属する関西学院大学アメフト部の主力選手が2003年夏の合宿中に亡くなっていることと、2016年11月に関西学院高等部のアメフット部の高校生部員が試合中に受けた衝撃がもとになった急性硬膜下血腫で亡くなっていることだろう。関西学院としては、これら過去の事例からアメフット競技における事故について特に強い想いを抱いていると考えられる。

 アメフトはヘルメットやフェイスガード、プロテクターをつけ、全力でぶつかり合う競技だ。ヘルメットなどで防備していても、また致命傷に至らなくても、脳に障害が残ったり関節が脱臼したりしてリハビリを続けざるを得なくなるような事故も多い。

 1991~2003年の関東大学アメフット秋季公式戦では、2567件の外傷事故が発生している。股関節の靱帯損傷415件、足関節靱帯損傷408件、脳しんとう235件、頸椎ねんざ・バーナー症候群(頸部神経障害)192件、肩関節脱臼139件、大腿部挫傷117件、腹部挫傷111件などだ(※4)。

大丈夫か日本版NCAA
 アメフットの場合、体格差や体力強化の差、体重差、上位と下位の競技レベルの差なども事故が起きる要因といわれる。日本では、ぶつかり合う際の効果を狙って体重を増やすあまり、それが傷害につながるという研究(※5)もある。この研究によれば、肥満型の選手は特にラインマン・ポジションに多いようだ。

 大学アメフット部の場合、日本の大学生は米国の大学生よりも練習中の傷害率(Injury Rate)が約6倍も高いという研究(※6)もある。怪我をしている間は練習ができず体力も強化できないという悪循環があるのではないかと指摘する研究者もいるが、米国の練習環境や競技シーズンとの違いもあるようだ(※7)。

 アメフットに特有のヘルメットなども技術的な進化を遂げているが、こうした防具を過信せず、十分なトレーニングや準備をし、危険なプレーに注意するべきだろう。ヘルメットの強度測定などによれば、脳しんとうを確実に防ぐことは不可能であり、アメフットに限らずこうしたヘルメットは必ず経年劣化するという(※8)。

 日本のアメフット部大学生のヘルメットに与える衝撃度(直線加速度、Linear Acceleration)を調べた研究(※9)によれば、試合中のヘルメットへの衝撃度16.77g、練習中15.87gで頭部への衝撃が練習中より試合中のほうで強い。また、練習中にヘルメットへの衝突が平均14.3回、試合中は15.7回で、衝突回数はいずれに米国より多かったという。

 いわゆる「日本版NCAA」ということで大学スポーツ改革が叫ばれているが、今回の事件と議論はこれまで各大学がバラバラに行ってきた大学スポーツのガバナンスをどうするか、という問題にもつながる。米国のNCAAを一つの目標に掲げる場合、どうしてもビジネスの視点が強調されがちだが、学生である選手の指導や教育の側面をおろそかにすると危険だろう。

 よくスポーツマンシップなどというが、古代ローマのユウェナリス(Juvenalis)の「A sound mind in a sound body」のアイロニーを引くまでもなく、競技スポーツにはライバル心、対抗心、戦意、闘争心、さらに敵愾心といった攻撃的な感情がつきものであり、スポーツマンシップはついつい暴力的な言動に奔ってしまう選手の戒めのための言葉だ。ルールというものはそのためにもある(※10)。

 ちなみにスポーツ事故が起きた場合、加害者に故意か過失(注意義務違反など)があれば法的な責任を問われることになる。スポーツ競技では、故意に反則を犯して相手を傷つける事例は少なく、加害者が否定する場合、それを立証することはかなり難しいだろう。

 特にアメフットのようなフルコンタクトの競技では、相手との肉体的な接触が不可避だ。それゆえに怪我などを避けるためにヘルメットやプロテクターの着用がルールで義務づけられている。

 明らかに悪質な特に危険な反則ということになれば、映像などから故意による違法性も立証され得る。それは、その行為の結果がどうなるか状況から加害者が予想でき、十分にその行為を回避できる余裕があり、なおかつそれを知りつつ反則を犯している可能性が高い場合などだ。そして、もしもこれが指導者の指示による戦術的プレーだったとすれば、選手だけではなく組織に対しても責任追及がなされるかもしれない。

※1:Rodney K. Smith, “Head Injuries, Student Welfare, and Saving College Football: A Game Plan for the NCAA.” Pepperdine Law Review, Vol.41, No.2, 267, 2014

※2:Barry P. Boden, et al., “Catastrophic Head Injuries in High School and College Football Players.” The American Journal of Sports Medicine, Vol.35, Issue7, 2007

※3:Barry P. Boden, et al., “Fatalities in High School and College Football Players.” The American Journal of Sports Medicine, Vol.41, Issue5, 2013

※4:藤谷博人ら、「関東大学アメリカンフットボール秋季公式戦における過去13年間の外傷─近年の傾向とその対策─」、日本整形外科スポーツ医科学雑誌、第25巻、第2号、263-268、2005

※5:仲立貴ら、「肥満アメリカンフットボール選手の身体組成と体力特性に関する研究」、日本体育大学紀要、第39巻、第2号、93-99、2010

※6:K Kuzuhara, et al., “Analysis of collegiate football injuries in a Kansai division 1 team using injury rates per 1,000 athleteexposures.” Japanese journal of orthopaedic sports medicine, Vol.17, 542-550, 2009

※7:Junta Iguchi, et al., “Physical and Performance Characteristics of Japanese Division 1 Collegiate Football Players.” Journal of Strength and Conditioning Research, Vol25(2), 3368-3377, 2011

※8:Daniel H. Daneshvar, et al., “Helmets and Mouth Guards: The Role of Personal Equipment in Preventing Sport-Related Concussions.” Clinics in Sports Medicine, Vol.30, Issue1, 145-163, 2011

※9:Takashi Fukuda, et al., “Impact on the head during collisions between university American football players- focusing on the number of head impacts and linear head acceleration.” The Journal of Physical Fitness and Sports Medicine, Vol.6(4), 241-249, 2017

※10:Jerry Freischlag, et al., “Violence in Sports: Its Causes and Some Solutions.” Physical Educator, Vol.36, No.4, 182-185, 1979

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シャポバロフ フルセットでベルディヒに逆転

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男子テニスのBNLイタリア国際(イタリア/ローマ、レッドクレー、ATP1000)は15日、シングルス1回戦が行われ、世界ランク29位のD・シャポバロフ(カナダ)が第15シードのT・ベルディヒ(チェコ共和国)を1-6, 6-3, 7-6(7-5)の逆転で下し、大会初の2回戦進出を果たした。


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この試合、第1セットを落としたシャポバロフだったが、1ブレークを守りきって第2セットを奪い返してセットカウント1-1に。ファイナルセットは互いにサービスキープが続いたが、最後はシャポバロフがタイブレークを制し、2時間4分の激闘をものにした。

2回戦では、世界ランク44位のR・ハーセ(オランダ)と対戦する。ハーセは1回戦で、同50位のD・メドヴェデフ(ロシア)を逆転で破っての勝ち上がり。

19歳のシャポバロフはクレーシーズンに入ってから2大会連続で初戦敗退を喫していたが、前週のムチュア・マドリッド・オープン(スペイン/マドリッド、レッドクレー、ATP1000)では、昨年8月のロジャーズ・カップ(カナダ/モントリオール、ハード、ATP1000)以来2度目の「ATPマスターズ1000」4強入りを果たした。

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テニス界のメガネ先輩 加治遥

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今年2月に行われた平昌冬季五輪、カーリング女子の韓国代表、金恩貞(キム・ウンジョン)を覚えているだろうか。日本との好勝負や銀メダルに輝いた実力に加え、印象的な眼鏡姿と「メガネ先輩」の愛称でも注目を集めた。トップアスリートと眼鏡の組み合わせは珍しいが、日本の女子テニス界ホープにも“メガネ先輩”がいた!?


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 加治遥(島津製作所)はプロ転向2年目の23歳。昨年は「富士薬品セイムスウィメンズカップin甲府」で優勝、「全日本選手権」で4強入りするなど、1年間で世界ランキングを622位から321位に急上昇させた。今年1月には同283位に到達。200位台前半が目安とされるグランドスラム予選出場を、当面の目標に据えている。

 165センチの長身から繰り出す力強いストローク戦を得意にする加治は2016年、園田学園女子大4年の春から眼鏡を常用している。「最初は違和感がありましたが慣れました。チャームポイントというか、私を知ってもらえるきっかけだと、前向きに捉えています」と笑顔を見せた。

 もともと近視でコンタクトレンズを使っていた。ところが、スポーツ専門の目の検査を受けた際、思いがけない診断を受けた。「瞳の左右で動きの捉え方にズレがあって疲れやすいようです」。矯正のため特別なレンズの眼鏡を使用。「劇的な変化は分からないけど、コーチからは『力みが減った』と言われます」と、好調につながっている。

 将来的にはグランドスラム本戦や、日本代表の舞台での活躍を夢に抱く加治。先の平昌五輪では、スピードスケート女子の金メダリスト小平奈緒から刺激を受けた。「成績だけでなく発言やふるまいも素晴らしかった。私もいつか、小平さんのように皆に愛され応援される選手になりたいんです」。理想像はレンズ越しにくっきりと見えている。

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錦織圭 ロペスにストレート勝ち

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男子テニスのBNLイタリア国際(イタリア/ローマ、レッドクレー、ATP1000)は14日、シングルス1回戦が行われ、世界ランク24位の錦織圭が同33位のF・ロペス(スペイン)を7-6 (7-5), 6-4のストレートで破り、初戦突破を果たした。


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この日、錦織は第1セットをタイブレークの末に先取。第2セットは第1ゲームでブレークに成功する好スタートを切ったが、第6ゲームでロペスにブレークバックを許しゲームカウント3-3に追いつかれる。

そして、第7ゲームで再びブレークチャンスを握った錦織は、ロペスのドロップショットに対して猛ダッシュでネットへ走り拾うも、ボールは2バウンドしたようにも見えるものだった。

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しかしポイントは続行され、ロペスはスマッシュをミスして、このセット2度目のブレークを許した。錦織の拾ったボールが2バウンドしていたとロペスは主審へアピールし、怒りをあらわにした。

この様子はTENNIS TVのツイッターに掲載されている。

その後、集中力を切らさなかった錦織が1時間48分で勝利した。

2回戦で錦織は、世界ランク4位で第3シードのG・ディミトロフ(ブルガリア)と対戦する。両者は5度目の対戦で、錦織の3勝1敗。昨年1月のブリスベン国際(オーストラリア/ブリスベン、ハード、ATP250)決勝ではディミトロフにフルセットで敗れている。

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