日本はなぜ子育てが世界一難しい国になったか?50年で変わったこと

日本はなぜ子育てが世界一難しい国になったか?50年で変わったこと

日本はなぜ子育てが世界一難しい国になったか?50年で変わったこと

 

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日本の子育てが大変なのはなぜ? 母親がだらしないのか? 育児不安をもたらすものは何か? 家族社会学が専門の落合恵美子・京都大学教授が、この半世紀に起きた変化を指摘する。
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子育てが大変なのは日本だけ?

子育ては大変だ。

その責任と負担の重さに、育児不安や育児ノイローゼと呼ばれる精神状態に陥る母親も少なくない。しかし子育てという重要任務を担う以上、それはある程度やむをえないことだ、逃れえないことだ――という「常識」を信じ込まされてはいないだろうか。

わたしもかつてはそう思っていた。

そこで、海外調査を始めた。他の国の母親たちはどのようにしてこの問題に対処しているのか、と。

しかし、「育児不安ってありますよね? と質問を始めようとしたとたん、つまずいてしまった。

育児不安とか育児ノイローゼという状態を理解してもらえない。

日本では子育てに専念している母親が孤立感と重圧で苦しんでいると説明しても、育児と仕事の両立で忙しくて悩んでいる例はあるけれど、子育てだけをしていて苦しいなんて聞いたことがない、という反応しか返ってこない。

アメリカでも、ヨーロッパでもそうだった。東アジアや東南アジアの国々でも。中国では、「だって子育てって楽しいことでしょう? みんな子育てがしたくて、両方のおじいさんもおばあさんも子どもの取り合いしてますよ」と笑い話になった。

そんな経験を重ねるうち、わたしの中で「常識」が逆転した。

そうだ、子育ては楽しいことだった。子育ては大変だ、とここまで思い詰めているのは日本だけじゃないか。

日本は世界の特異点なんじゃないかと。日本ではなぜこれほど子育てが大変になってしまったのか、その原因を解明することが、新たなプロジェクトとなった。

「昔の母親は偉かった」という決まり文句

さあ、ここで考えてみよう。日本の子育てはなぜ大変なのだろうか?
「それは日本の母親がだらしないからさ」

どこからか、そんな声が聞こえてくるような気がする。

遡れば1980年代、わたし自身が子育てで一生懸命だった頃、「育児ノイローゼ」が社会問題になった。

その時、沸き起こったのが、若い母親世代へのバッシングだった。都会育ちで苦労を知らないからそんなことになる。偏差値世代は育児書に頼りすぎるからだ。

そして決まり文句の「昔の母親は偉かった」。昔は家族だけで立派に子育てしていたのだから、今もできないはずはない、と言われた。

自分が批判される立場の若い母親であり、社会学者の卵でもあったわたしは、なにかおかしいと思った。そこで兵庫県の委託調査をさせていただいた機会に、自分と同じ2歳児を抱える家族の調査を実施した。

そしてその結果を、1960年代に社会学者の森岡清美先生たちが東京郊外で実施した調査結果と比べた。立派だったと言って引き合いに出されるのは、だいたい1960年代の母親や家族だったからだ。

そして二つのことを発見した。

第一に、1960年代の幼児を抱えた母親たちは、近隣の人たちとあまり付き合わず「家族だけで」子育てしていたように見えるが、実は別世帯に住む自分の姉妹たちと頻繁に協力し合っていた。

これはわたし自身の子ども時代の経験とも合致する。田舎から出てきて東京各地に住み着いた母の姉妹たち4人は、毎週のように互いを訪問し合っていた。そのたび、わたしもいとこたちと顔を合わせ、きょうだいのように遊んだ。

「家族だけで」と言っても、その「家族」の範囲が今よりずっと大きかったのだ。正確に言えば、「家族」というより、「親族ネットワーク」だった。

しかし、1980年代に母親になったわたしたち世代では、4人や5人きょうだいのいる人はめったになかった。せいぜい2人。頼ろうにも、きょうだいがいない。

親族による育児サポートとして、きょうだいの支援をあげる人はほとんどおらず、親族で頼れるのは子どもにとっての祖父母だけになっていた。

祖父母はいくらがんばってくれても、体力に限界がある。こんなに条件が違うのに1960年代の母親は偉かったと言われてもね、と反論できる根拠が見つかった。

しかし、1980年代の母親たちも、黙って耐えていたわけではない。

縮小した親族の絆の代わりに、近くに住む母親どうしで協力し合う育児ネットワークを作りあげていた。これがわたしの調査の第二の発見だった。

 

4/9(月) 13:00配信

現代ビジネス

家族だけでは育てられない

さて、ここでクイズです。

「近所の人たちがつくる育児ネットワークは、都市部と郡部のどちらで盛んだったでしょうか?

日常のあいさつをする、などの通常の近所づきあいは、大方の想像どおり、郡部の方が盛んだった。

しかし、子育てをめぐる近所づきあいに限っては、予想を裏切り、都会の方が盛んだった。

この結果にはびっくりしたが、その後、当時、横浜市立大学教授だった矢澤澄子さんの横浜市の女性を対象とした調査などでも同じ結果が出た。

この不思議を説明するヒントになるのは、親族との距離だ。

郡部では夫の親、あるいは妻の親と同居している世帯がかなりある。これに対し、都市部では核家族が多く、祖父母を含めた親族が近くにいないケースが多い。

親族から孤立した核家族は、親と同居の世帯に比べて、子育てをめぐる近所づきあいに熱心だということもわかった。つまり都会に住む、親族に頼れない人ほど、やむにやまれず近所の人たちと育児ネットワークを作っていたというわけだ。

わたしはこれを「育児ネットワーク一定の法則」と名づけた。親族でもいい、近所の人たちでもいい。一方が無いときにはもう一方。母親たちは育児ネットワークを作って助け合って育児をしてきた。

母親だけ、家族だけで子育てができるなんて、いつの時代でも幻想だった。1960年代と1980年代の子育てを比較することからわかったのは、「家族だけでは育てられない」ということだった。

育児不安をもたらすものは何か

1980年代には「育児ノイローゼ」そのものにアプローチする研究も始まった。

「子どもがわずらわしくてイライラしてしまう」「自分一人で子どもを育てているのだという圧迫感を感じてしまう」「毎日毎日、同じことの繰り返ししかしていないと思う」といったチェックリストからなる「育児不安尺度」(育児ノイローゼは専門的には育児不安と呼ばれる)が開発され、育児不安はどのような要因によって引き起こされるのかという調査が積み重ねられた。

その結果、育児不安研究の先駆者である牧野カツコさんによれば、育児不安に影響する2つの重要な要因がみつかった。

第一は「父親の協力の欠如」。必ずしも父親がおむつを替えたりしなくても、子育ての悩みの聞き役になるだけでも、母親の孤立感は軽減される。

第二は、「母親自身の社会的ネットワークの狭さ」。育児に直接にかかわる育児ネットワークに限らず、趣味のサークルでもなんでも効果があるというのが面白い。父親にしても、友人にしても、母親自身が他の大人と交流する機会があり、孤立していないことが育児不安を軽減する。

牧野さんはまた、育児不安傾向のある母親もない母親も「子育て以外にも何かやらねばならないと思う」ことが「よくある」「時々ある」のは同じだという。

ところが実際に「子どもから離れてやりたいことができていると感じる」かどうかには差がある。そう感じることが多い人は、育児不安になりにくい。子どものためということで仕事をやめたり、自分のしたいことを我慢したりする母親は多いだろう。

しかしそれがイライラを高め、子どもに楽しく向き合えない結果につながるとは、なんと皮肉なことだろう。

きょうだい数がせいぜい2人になった世代が子育てを始めた1980年代、「育児ノイローゼ」が初めて社会問題となった。その前の世代が当たり前のように頼っていた親族ネットワークが縮小したことがひとつの要因だった。

育児不安に陥ったのは、社会的ネットワークを失い、孤立した母親たちだった。昔も今も、家族だけで立派に子どもを育てられた時代など、無かったのだ。ましてや母親だけの「ワンオペ育児」なんて、できるわけがない。

 

4/9(月) 13:00配信

現代ビジネス

家族・親族にしがみつくしかない現実

1990年代に入ると、さらに雲行きが怪しくなってきた。

1980年代の育児ネットワーク研究は、親族に頼れなくなったら近所のひとたちと助け合い、子育てのための新しいネットワークを作り出す母親たちという、明るい方向性も示していた。

しかし、近所の人たちとのおつきあいは誰にでも簡単なことではない。「公園デビュー」という言葉が生まれ、育児をめぐる近所づきあいのストレスが指摘されるようになった。

1999年には、母親どうしのトラブルにより、育児仲間の子どもを殺す悲惨な事件まで発生した。音羽事件と呼ばれる事件である。「育児ネットワーク一定の法則」を実現できず、子育てに支障をきたすケースがじりじり増えてきた。

1980年代に比べて、2000年代には乳幼児の親の孤立と育児不安がさらに進んだという研究がある。

1980年に実施した調査の結果である「大阪レポート」と、それと比較可能な質問紙を用いて2003年から2004年に実施した調査にもとづく「兵庫レポート」を発表した大阪人間科学大学教授の原田正文さんは、20年以上の時を経た2つの時点の結果を比較している。

それによると、「近所でふだん世間話をしたり、赤ちゃんの話をしたりする人」が1人もいない母親の割合は4ヵ月検診の段階では16%から32%に倍増、「育児のことで今まで心配なこと」が「しょっちゅうあった」母親の割合は4ヵ月検診の段階では11%から14%に、3歳半では7%から14%に増加している。

とはいえ、「育児の手伝いをしてくれる方」がいると答えた割合は、年齢にかかわらず約60%から約90%に大幅に増加している。具体的には父親(つまり夫)と母方祖父母が倍以上手伝ってくれるようになっている。

すなわち、親族ネットワークから近隣ネットワークへの転換は芳しくなく、少なくなった家族・親族にしがみつくしかない様子が浮かびあがってくる。

 

 

4/9(月) 13:00配信

現代ビジネス

この半世紀で変わったこと

このように半世紀ほどの歴史的変化を追ってみると、はっきりしているのはきょうだい数の減少という人口学的な条件と、その影響を受けた育児ネットワークの変化だった。

きょうだい数の減少は、多産多死から少産少死への変化という(専門的には人口転換と呼ばれる)社会の近代化に伴って起きる人口学的変化の結果なので避けることはできない。

それに伴ってなされるべき育児ネットワークの再編成がうまくいかず、十分な育児サポートを得られない孤立育児が増えてしまったというのが、日本の子育てが大変になった原因であることが見えてくる。

ここで、ちょっと待てよ、と思う人がいるだろう。

人口学的変化は近代化に伴う不可避の変化だと言った。それなら日本以外の社会でも同じ変化が起きているだろう。

なぜ日本だけが「世界の特異点」と見えるほど、子育てを負担に感じる社会になってしまったのだろうか。

この問いに答えるには、海外調査を含めた子育ての国際比較に乗り出さざるをえない。

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4月最新ATPランキング 昨年との比較

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4/2付けATPランキングが発表されましたね。
マイアミオープンの結果が大きく影響する4月最初のランキングでは、フェデラーがポイントを稼げなかったことにより、ナダルと1位2位が入れ替わりました。


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この2年間は、怪我によりランキングの変動が激しいのですが、その中でも復活している選手、伸びてきている選手など、昨年のランキングと比べると分かりやすいと思います。

昨年4月3日付けATPランキングでは、世界1位マレー、世界2位ジョコビッチは変更なしでした。
「マイアミ・オープン」ベスト16でアレクサンダー・ズベレフに敗北したワウリンカは、世界3位をキープしています。そして、この3人が怪我のためツアー離脱をして、今年のランキングでは、ジョコビッチの12位が最高となっています。

怪我から復帰した、フェデラーとナダルは、昨年のマイアミ・オープンで優勝を果たしたフェデラーが6位から4位にランクアップし、準優勝のナダルが7位から5位に浮上していました。

そして、今年のマイアミオープンを制したイズナーが前週17位から9位にランクアップしました。イズナーは2012年以来6年振りのトップ10返り咲きでアメリカNo.1復活となりました。

準優勝のズベレフが5位から4位にひとつランクを上げました。

錦織圭は、39位にランクを落としています。

2017/4/3 → 2018/4/2

1位 マレー → ナダル
2位 ジョコビッチ → フェデラー
3位 ワウリンカ → チリッチ
4位 フェデラー → ズベレフ
5位 ナダル → ディミトロフ
6位 ラオニッチ → デルポトロ
7位 錦織圭 → ティエム
8位 アンダーソン
9位 イズナー
10位 ゴファン

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大坂なおみ セリーナに初勝利

マイアミオープン1回戦で、セリーナと対戦することで注目を集めた大坂なおみだが、結果は6-3,6-2のストレート勝ちだった。

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大騒ぎするのは時期尚早かと思う。セリーナは、まだ完全復活したわけではない。これから幾度か対戦していくだろう。大坂なおみがグランドスラム決勝で、セリーナを破って優勝した時、本当に大騒ぎしよう。

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香りの害で香害という公害

ダイヤモンドオンラインで、香りの害についての記事があり、とても興味を持ったので抜粋してみた。化学物質は、目に見えないところで人体に影響を及ぼしているのは間違いないだろう。

以下、ダイヤモンドオンラインの記事

 「香害」とは、香りつき商品の成分で「化学物質過敏症(MCS)(注1)」や「シックハウス症候群(SHS)」などになる人たちが急増している、新しい公害のことだ。今回は、香害により、幼くして人生をズタズタにされた子どもたちに焦点を当てる。校舎に入ることができないので、寒さが厳しい冬も、グラウンドの片隅に机と椅子を持ち出して個別に指導を受けている児童や重症化して外出さえできなくなり、引きこもりを続ける児童がいる。(ジャーナリスト 岡田幹治)

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● ニオイのする教室に入れず 厳冬も校庭の片隅で学習

 大阪府堺市の市立小学校。2年生のゆう君(仮名、8歳)は、寒さが一段と厳しい今年の冬、グラウンドの片隅で個別指導を受けている。

 綿のトレーナーにセーターやダウンコートを重ね着し、“授業”では、マフラーや手袋、ひざ掛け、使い捨てカイロが必需品だ。

 SHS(注1)なので、校舎内に入ることができない。入ると、壁のペンキや児童・教師から流れ出る洗剤・柔軟剤の成分に反応して、頭痛や足のしびれ、鼻血、発熱などの症状が出る。夏は夏で、暑さに耐えながらの外での授業だ。

 (注1)MCSは、(多くの人が何も感じないほど)微量の化学物質にさらされると、頭痛・思考力の低下・目のかすみ・息苦しさなどの症状が出る病気。重症になると日常生活も仕事も続けられなくなる。SHSは、建物内の空気汚染が原因でMCSと似た症状になる病気。その建物を離れると、症状は和らぐ。

 個別指導は、普通学級とほぼ同じ時間割で進められる。

 指導するのは、同校の特別支援学級の介護補助員と手の空いている教師だ。担任などの教員が担当することも、教頭や校長が担当することもある。

 ゆう君は、1~2月は、その日の風向きなどを考えて机と椅子を置く場所を変え、胃腸風邪(感染性胃腸炎)にかかって1週間休んだほかは、何とか通学した。

 しかし、3月になって、早退が続いている。

 学校の周辺で土木・建築工事が始まり、そこからのニオイで勉強ができす、早退。先生の衣類から流れてくるニオイで苦しくなったり、寒さ対策としてテントを張ってもらったが、雨が吹き込んで勉強どころでなくなったりしたからだ――。

 3月最初の日曜日には、「早く(友だちと同じ)教室に入りたい。1週間後には体調がよくなって入れるようになっていたい」と意気込んでいた。

 だが、その翌日から早退を繰り返している。

 ゆう君の願いと現実との落差に、母のみさこさん(仮名)の悩みは深まるばかりだ。

● 学校のペンキ塗り替えで重症に 特別支援学級は受け入れられず

 ゆう君は4歳のとき、母の実家で衣料用防虫剤がタンスにたっぷり置かれた部屋で寝た翌朝、まぶたが腫れあがり、全身に蕁麻疹が出て救急病院で手当てを受けた。

 その後、体調の悪化が続き、やがてMCSになった。

 みさこさんが入学前に、MCS児のための特別支援学級(病弱・身体虚弱教室)を設置してほしいと、学校と市の教育委員会に要請したところ「診断書が必要」と言われた。あちこち探した結果、ようやく入学式当日に高知市の病院の予約が取れた。

 母と子は入学式を欠席して、高知市に飛んだ。診断書を書いてもらって提出したが、要請は聞き入れられなかった。「堺市では児童一人だけの特別支援学級を認めていない」などの理由だった。

 入学後、洗剤・柔軟剤などのニオイに悩まされながら、普通学級で学んでいたが、1年の3学期(昨年1月)に授業で紙粘土(樹脂粘土)を使った影響で、40度もの熱を出し、しばらく微熱が続いた。

 春休み中に回復し、新2年生で4月に登校してすぐに、春休み中に塗り替えられた階段のペンキに反応して発熱や体調不良が続くようになった。

 京都市のクリニックでSHSとの診察を受け、「入ることのできる教室での個別指導や一時的な転校などの配慮も必要と考える」との意見がついた診断書を提出した。

 そこで始まったのが、グラウンドの片隅での個別指導だ。

 最初は、スクールサポーターが指導し、先生は時間の空いたときに見てくれるだけ。担任の先生に1週間も会わないこともあった。しかもスクールサポーターの派遣は予算の関係で昨年末に打ち切られ、今年1月からいまの態勢になった。

● 授業参観日のあと登校不能に 引きこもりが1年4ヵ月

 南関東のある市の市立小6年の貴(=たかし、仮名、12歳)くんは、香害が原因で学校に行けなくなった。

 化学物質に敏感な体質で、両親も軽いMCS症状があり、無垢材と漆喰で新築した自然住宅で、幼稚園年長組のころから暮らしている。

 異変が起きたのは小2のときだった。

 給食当番が着る給食着のニオイが気になるようになり、給食着がくさくて給食が食べられないこともあった。給食着は当番の子が週末に持ち帰って洗濯し、翌週の当番に引継ぐのだが、香りが長続きする高残香型柔軟剤を使う家庭が少なくないのだ。

 そのころから、帰宅した貴くんの衣服に、柔軟剤臭がべったり残るようになった。小5になると、体がいつもだるく、朝、なかなか起きられないようになった。帰宅すると、すぐに横たわってしまう。

 そんな体調で迎えた4月下旬の授業参観日。教室内は子どもたちと参観する父母たちでいっぱいになり、柔軟剤のニオイが立ち込めた。

 母の真帆さん(仮名)は活性炭マスクをして参加していたが、頭がくらくらし、壁を支えにやっと立っているほどだった。

 貴くんはその日を境に登校できなくなった。

 教育委員会の勧めもあり、9月には自宅から車で10分ほどの小規模校に転校したが、間もなく、音楽室で学習中に手足がマヒして動けなくなり、父が迎えに行く騒ぎになった。

 以来、その小規模校にもまったく行っていない。

 嗅覚過敏が進み、ほとんどのものに反応するようになった。自宅の周辺は柔軟剤などのニオイがいつも漂っていて、外出もできない。反応の出ないパジャマを一日中着て自室に閉じこもり、パソコンに向き合う日々がもう1年4ヵ月も続いている。

 国立病院機構高知病院で2005年からMCSの診察を続ける小倉英郎医師(現在は非常勤)はこう話す。

 「統計はとっていないが、MCSを発症する子どもたちが増えている印象がある。保育園や学校に通うようになり、香りつきの合成洗剤や柔軟剤を使う家庭の子どもたちと接触したことがきっかけになる場合が多い。高知県には(南国市の岡豊小学校など)MCS児童のための特別支援学級を設けたところもあるが、全国ではまだ、不十分な対応しかしていない学校が多いと聞いている」

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● 休学状態が続く高校生 制汗スプレーで発症

 中学、高校と学年が進むと、消臭除菌スプレーや制汗スプレーを使う生徒が増える。札幌市の高校2年マリさん(仮名、女性、17歳)は、その被害者の一人だ。

 マリさんは中学入学のころから、香水・洗剤・タバコ・排ガスなどが苦手になった。

 なんとか通学して卒業。私立高に進み、周囲で使用される制汗スプレーにさらされてから、頭痛・吐き気におそわれるようになった。次第に全身倦怠感・めまい・発熱・関節痛・食欲不振が加わり、通学が困難になった。

 事情を説明すると、自分のクラスでは協力が得られたが、他のクラスでは協力してもらえなかった。

 体育会系の部活動が盛んで、汗臭さを消すために制汗スプレーを使う生徒が多いのだ。防塵マスクを着けて通学していたが、症状はさらに悪化し、いまはほぼ休学の状態だ。

 大学進学をめざし環境のよいところを探しているが、見つかるだろうか、と不安がよぎる。

● 教師も“被害者”に 生徒に近づけず、退職

 埼玉県の市に住む臨時教員ヒカルさん(仮名、40歳代の女性)は、3年前、あるマンションへの引っ越ししたのが原因で、SHSと思われる体調不良になった。

 転居するとややおさまったので、勤めを続けてきたが、一昨年6月に勤務し始めた都立の特別支援学校で、強い柔軟剤臭のする生徒たちに接すると、症状が出て指導するのが難しくなった。

 1クラス5~6人しかいないが、生徒の着替えやトイレ介助などで体を密着することが多い。校外歩行で一斉に虫よけスプレーをかけられるのが、耐えられない。勤務1ヵ月で、右股関節が激痛で2日間歩けなくなるようなことも起きた。

 MCSになったようだと管理職に訴え、生徒たちと接触しない仕事に変えてもらったが、間もなく同僚の教員の柔軟剤や整髪剤にも反応するようになり、更衣室にも職員室にもいられなくなった。

 昨年2月に東京の専門クリニックでMCSの診断を受けたころには、食べたり歩いたりする力さえなくなり、任期を2週間残して退職した。

 いまは回復に努める日々。小中高校と特別支援学校の教員免許を持っているので、臨時教員を務めてほしいとの申し出は絶えない。しかし、「香害」のある職場では働けないと断り続けている。

● 校内は香りつき製品を禁止に 受動喫煙防止と同じ対策必要

 マリさんを診察した札幌市の開業医・渡辺一彦医師(渡辺一彦小児科医院院長)は、学校が香害対策に消極的な背景をこう説明する。

 ―文部科学省の「学校環境衛生基準」が、ホルムアルデヒドなど6種類の揮発性有機化合物(VOC)を基準値以下にするよう定めているため、教育現場では、6種類のVOCが基準値以下なら、SHSは発生しないという誤解がいまだにまかり通っている(注2)。

 この結果、近年、急増している柔軟剤・化粧品や消臭・制汗スプレーなど、「香害」による健康被害が軽視される。しかも、香り商品を使うかどうかは個人の好みの問題で、口出しできないという考えだから、MCSなどになった児童・生徒に対し十分な配慮ができないー。

 渡辺医師は「学校の香害はもう放置できない段階だ」とし、厳しい対策が必要だと訴える。

 香害はタバコでいえば「受動喫煙」に当たるが、受動喫煙防止対策として厚生労働省は「学校は原則、敷地内禁煙」にする方針だ。同様の対策を香り製品についても取るべきではないか。

 (注2)学校が原因のSHSは「シックスクール症候群」と呼ばれることもある。

岡田幹治

以上、ダイヤモンドオンラインの記事

昔、これに似た概念で『経皮毒』というのが話題になったこともあった。20年近く前の話しだが、公害は繰り返される。正しい知識を基に、正しく対応出来る力を身に付けておきたい。

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大坂なおみの快挙について

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パリバ優勝で、大坂なおみが一気に注目を集めている。
もちろん、テニスをしている人はずっと前から知っているのだが、今回の優勝で、普通の奥様方にも認知されるようになった。

大坂なおみは、突然強くなったように解説される場合もあるが、彼女の実力は数年前から、世界トップレベルと言われていた。


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メンタル面の弱さを指摘する声が多く、1大会を通じて、その強さを持続することが出来なかった。

ポイントを捨てるようなプレイをしたり、試合を諦めるような態度をとることも少なくなかった。

今大会は、終始集中力を切らすこと無く、完全勝利をおさめた。

BNPパリバオープン 大坂なおみ全試合

1回戦 対シャラポワ 6-4,6-4
2回戦 対ラドワンスカ 6-3,6-2
3回戦 対プリスコバ 6-2,6-3
準々決勝 対サッカリ 6-1,5-7,6-1
準決勝 対ハレプ 6-3,6-0
決勝 対カサリナ 6-3,6-2

昨年11月に大坂なおみのコーチに就任したサーシャ・ベイジンの力も大きかった。

BNP Paribas Open - Day 14
ベイジンはこれまでセリーナ・ウイリアムズ(アメリカ)、ビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)、カロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)のヒッティングパートナーを務めてきた著名な人物である。
ベイジンは、大坂なおみのメンタル面強化とハードなトレーニングで、強い大坂なおみをサポートした。
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半年前から約7㎏減量し、スリムなった。それも影響しているのかもしれない。

また、大坂なおみ使用ラケット売り上げが急増しているという。ヨネックスによると、大坂が使用している「EZONE98」の新デザイン「ブライトブルー」は今年1月中旬に発売されたばかり。ラケット面のスイートエリア(最適打球点)が従来のものより広く、フレームの先端に搭載された高弾性カーボンの反発力で豪快なショットを打つことができるという。大坂なおみも「強いボールが打てて、スピンも、コートの奥に打ち込むフラットも自由に打ち分けられる」と絶賛している。

ヨネックス EZONE

フェイス面積 98inch²
素材 高弾性カーボン+ハイパーMG+ナノメトリックDR+クウェークシャットゲルエア
サイズ G2・3(平均305g)/LG1・2(平均285g)
バランスポイント G:平均315(mm)/LG:平均330(mm)
カラー ブライトブルー、ライムグリーン
推奨張力 45~60(lbs)
推奨ストリング TGRX130、PTGP125、PTGF125

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大坂なおみ シャラポワ撃破

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バリパオープンの1回戦で、大坂なおみがシャラポワを、6-4,6-4で下したというニュースが入ってきた。


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明らかにメンタルが成長している。
以前の大坂なおみであれば、流れが自分に来なくなるとポイントを捨てるような動きが見られていた。その諦めのようなふてくされた態度が、そのままゲームに反映し、良いところまで行きながら結果を残せずにいた。

この試合では、危ないシーンは数々ありながらも、まるでベテラン選手のような落ち着きで、きっちりと大切なポイントを手にし、勝利を修めることが出来た。

次のラドワンスカ戦でも、このメンタリティをキープすることが出来れば、大きな成長は、間違いないものだと言えるだろう。

今大会、大坂なおみにとって、これから大きく結果を出していくかどうかを占う大切なものとなりそうだ。

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ラケット スーパーSALE3/3より

3/3から3/8まで
楽天スーパーSALEです。
この時に買うと、安いだけでなく、ポイントもたくさん貯まるのでおすすめです。

そこで、今日はラケットセレクションです。

①まずはヘッド ラジカルが14,200円!驚きの価格です。

②バボラ ピュアストライクが12,600円!

③ヨネックス Vコア 税込13,392円!

④ヨネックス VコアデュエルG97が14,850円!

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平昌フィギュア上半身裸男の正体

イギリスのリバープール出身のマーク・ロバーツさんは3人の子どもがいる父親だ。そして、彼はプロのストリーカーでもある。

ストリーカーとは?公共の場で体を露出して走る人のことを指す。

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そう、ロバーツさんは、そのプロなのだ。

ロバーツさんは、これまでいろんな公共の場を裸で走り回ってきた。

NFLインターナショナルシリーズ(2007)
Al Bello / Getty Images

NFLインターナショナルシリーズ(2007)

ライダーカップ(2010)
Stefan Wermuth / Reuters

ライダーカップ(2010)

その記録は、なんと519回。

北京オリンピック(2008)
AFP=時事

北京オリンピック(2008)

デイビッド・ベッカムと同じフィールドに立った経験もある。

Gustau Nacarino / Reuters

世界に名が知られるようになったのは、2004年のスーパーボウル。

ジャネット・ジャクソンがハーフタイムで胸を露出してしまったスーパーボウルだが、そのアクシデントの数分後に、ロバーツさんは自分の夢を実現するために裸でフィールドを走っていた。
youtube.com

ジャネット・ジャクソンがハーフタイムで胸を露出してしまったスーパーボウルだが、そのアクシデントの数分後に、ロバーツさんは自分の夢を実現するために裸でフィールドを走っていた。

そんなロバーツさんだが、息子が友人たちに嘲笑され「やめてほしい」とお願いしたのをきっかけに、2013年に引退していた。

……と思っていたら、平昌オリンピックで、引退から復帰したのだ。

平昌オリンピックで、ストリーカーになった回数は520回と記録を更新した。
AFP=時事

平昌オリンピックで、ストリーカーになった回数は520回と記録を更新した。

Yahoo Sportsの過去のインタビューによると、ロバーツさんはプロだからこそのこだわりを見せているという。

「試合中にはやってはいけない。始まる前にやらなきゃいけないんだ」「試合を中断させたくない……私はプロだから」

平昌オリンピックでも、会場がスピードスケート男子1000mの表彰式を待っている間、ステージはロバーツさんのものとなった。

ピンクのバレエチュチュとサルを身につけていたロバーツさん。体には「ラブ&ピース」と書いている。復帰パフォーマンスを数分間も披露したが、途中で足が滑ってばったりうつぶせに倒れた。
AFP=時事

ピンクのバレエチュチュとサルを身につけていたロバーツさん。体には「ラブ&ピース」と書いている。復帰パフォーマンスを数分間も披露したが、途中で足が滑ってばったりうつぶせに倒れた。

ネットでは、ラブ&ピースの重要性に共感した人々が投稿していた。「日々、世界中でひどいことが起きている中、ピース、ラブ、そしてサルのペニス靴下の大切さをときどき誰かに思い出させてもらわなきゃいけない」

Sometimes in the midst of the terrible things that are happening daily in this world we need someone to remind us about the importance of peace, love and monkey face dick pouches… https://twitter.com/TheAVClub/status/967373818351235072 …

「この男がやっていることは正しいよ。人生は真面目になりすぎている。笑わなきゃ。イギリスがこの喜劇的な伝統を長く続けますように

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テニスの審判は失業か?

ビデオ判定に揺れるプロ野球 テニスはCG判定で審判失業か

2/23(金) 16:00配信

NEWS ポストセブン

日本のプロ野球では2010年にビデオ判定が導入された。ただ、審判は必ずしも監督の求めに応じる必要はなく、2010年には小久保裕紀(当時ソフトバンク)の大飛球のファウル判定について、審判団が秋山幸二監督のビデオ判定要求を拒否する“事件”が起きたこともある。

 そうした事態を防ぐ意味もあり、今季から、メジャーリーグの「チャレンジ」制度にならい、監督が1試合に2度、ビデオ判定を要求できる「リクエスト」制度が導入される。ルールブックに、リプレーの検証要求が明文化された。

 技術革新で変わるルールもある。テニスのグランドスラムにおいて、CGによるイン・アウト判定(2006年~)で有名となったのが「ホーク・アイ」だ。英国「ホーク・アイ社」(2001年創業)が開発し、現在は日本のソニー傘下にある。ホーク・アイ・ジャパン代表の山本太郎氏が語る。

「ホーク・アイにはふたつの大きな役割があります。ひとつがボールトラッキング。高弾道ミサイルの追跡技術から着想を得て、試合場の周りに設置したカメラを使って、ボールの位置情報をCGでミリ単位で再現する。テニスのイン・アウトの判定をはじめスポーツの白黒をはっきりさせる場面に用いられます。もうひとつは、ビデオ判定。こちらは撮影された映像をリプレーして試合を捌く審判を補助する役割を担います」

 すでに海外の一部の大会では、線審(最大9人)をゼロにして、ラインジャッジはすべてホーク・アイが判定する試みも行われている。そのうち、試合後に主審と選手が握手するシーンもなくなるかもしれない。

 現在、同社の技術は、バレーボールやラグビーなど20種類以上の競技に活用されているという。デジタル化のうねりによって、スポーツのルールが変更される時代に突入している。

●文/柳川悠二(ノンフィクションライター)

※週刊ポスト2018年3月2日号

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