2018年 8月28日 コート6 女子シングルス1回戦
J.グルシュコ 3-6 7-5 6-4 M.ニクレスク
コイントス
ルーマニアのニクレスクはフォアハンドがほとんど全てスライスという非常に変わったプレースタイルの選手です。かつて男子選手にやはりフォアのスライスを多用するサントロという選手がいましたが、ニクレスクはまさに「女子版サントロ」とでも言うべき選手でしょう。
フォアのスライスを打つニクレスク
バックハンドでは左手のグリップが非常に厚い(フルウエスタンぐらい?)独特の握りを採用しています。
対するグルシュコのことはよく知らなかったのですが、イスラエルの選手で現在の世界ランキングは162位(最高位は79位)。今大会は予選からの出場している選手です。
ノーシード同士の地味なカードでしたが、どちらかの選手の応援目的にあえて観に来ている人ばかりだったためか、応援は双方ともにそこそこ盛り上がっていました。
試合は両者ともサービスキープに苦しみ、第4ゲームまで全てブレークという立ち上がりになります。ニクレスクのスライスがグルシュコのバックに入ると返球が甘くなることが多く、ここを起点にニクレスクが攻撃し、第1セットは6-3でニクレスクが取ります。
スライスに対し、詰まった当たりになるグルシュコのバックハンド
しかし、第2セットになるとニクレスクのスライスのエラーが増え、一方でグルシュコはフォアハンドがより広角に厳しいところに決まるようになり、グルシュコが4-0とリードします。
アクシデントが起きたのは4-0で迎えたグルシュコのサービスゲームの30-30の場面でした。ニクレスクの打ったドロップショットを追いかけたグルシュコはネット際で転倒してしまい、そのまま動けなくなってしまったのです。グルシュコは膝を抑えて泣き出してしまい、一時は途中棄権かと思うような場面でした。
ニクレスクのドロップショット。まさにこの写真のショットの直後にグルシュコが転倒してしまいます。
氷嚢を持って歩み寄るニクレスク
メディカルタイムアウトでテーピングをしてもらうグルシュコ
メディカルタイムアウトを待つ間、手出しでボールを打つニクレスク
再開後はニクレスクが追い上げを見せ、2ブレーク差を追いつきさらに1ブレークアップするチャンスもあったのですが、土壇場でグルシュコが踏ん張って7-5でこのセットを奪います。
第2セット終盤、2ndサーブに対しポジションを上げてプレッシャーをかけるグルシュコ。
ファイナルセットは第1ゲームでまずニクレスクがブレークするのですが、どこかニクレスクの表情は冴えないままでした。一方でグルシュコは1ブレークダウンしても落ち着いていており、思い切った攻撃的なショットが目立ちました。第1セットではバックハンドでニクレスクのスライスに対応するに手こずっていた印象でしたが、ファイナルセットでは簡単に甘いボールがいかなくなっていたように思います。スコアはニクレスクがリードしていてもラリーで優位に立っているのはグルシュコで、グルシュコの攻撃をニクレスクが一生懸命凌いでいるという感じでした。結果としては、グルシュコはこの1ブレークを追いつき、さらに4-5で迎えたニクレスクのサーブをブレークして勝利を収めました。
ファイナルセットは黒のウェアに着替えたグルシュコ
ファイナルセットは終始渋い表情のニクレスク
手前に座っている人はニクレスクのコーチのようでした。新しいラケットのガットテンションを確認してニクレスクに渡していました。
新しいラケットを受け取ったニクレスク。しかし、反撃開始とはならず。
勝利を決めた直後のグルシュコ
応援してくれたお客さんの声援に応えるグルシュコ
グルシュコのグランドスラムでの勝利は2014年の全仏以来とのことです。残念ながら2回戦で大阪なおみに完敗。この試合で痛めた膝の影響もあったのかもしれません。
↓人気のブログランキングに登録しています。よろしければクリックをお願いします。
プロテニスランキング