日別アーカイブ: 2018年10月1日

2018年 楽天ジャパンオープン 観戦記③

2018年 9月29日(土) 練習試合

J.マレー / B.ソアレス 10-7 4-7 高橋悠介 / 綿貫陽介

ソアレス(手前)と高橋悠介(奥)

ソアレス(手前)と高橋悠介(奥)

マレー(手前)と綿貫

マレー(手前)と綿貫

アリーナ1のシングルス4試合目が終わった時点でだいたい午後5時半ぐらいだったのですが、その後のダブルスの試合は7時開始となっていて、少し時間が余りました。その時間に表れたのがマレー / ソアレスと高橋 / 綿貫のペア。最初はコートをシェアしてそれぞれ別々に練習していたのですが、なんと最後にマッチタイブレーク方式で試合をすることに。これは思わぬサプライズでした。お客さんは多くはなかったもののそこそこには残っていました。この時間まで残る人たちはやはりダブルスも好きな方が多かったようで、ポイント間には本当の試合さながらに拍手が起こるなど、雰囲気が良かったです。

右がマレー / ソアレス、左が高橋 / 綿貫。綿貫のサーブで開始

左がマレー / ソアレス、右が高橋 / 綿貫。綿貫のサーブで開始

そこそこ残っていたお客さん

そこそこ残っていたお客さん

練習試合とは言え両ペアともサインプレーをしていて、結構しっかり試合をしていました。ただ、その中で笑顔が見られる場面もあり、真剣かつ和やかなムードだったと思います。観客としてもシングルスの試合観戦で疲れた後にゆったりと観られる程よいイベントでした。

日本ペアも強い突き玉を打つなど善戦しましたが、流石に百戦錬磨のマレー / ソアレスが甘いリターンを逃さずポーチしてきましたし、日本ペアがサインプレーで前衛を動かしてきたときも逆をついたリターンが良く通っていたように思いました。セルジャッチでコートチェンジも無かったため、お客さんでスコアを正確に追えていた人はいなかったと思いますが、途中でソアレスが「7-7」とコールしてくれて、そのコールの後マレー / ソアレスが3ポイント連取したので、10-7でこの試合はマレー / ソアレスの勝利でした。

高橋のサーブからのポイント。日本ペアはサーブ&ステイバックを中心に、時々サーブ&ボレーを混ぜていました。

高橋のサーブからのポイント。日本ペアはサーブ&ステイを中心に、時々サーブ&ボレーを混ぜていました。

ソアレスのサーブ

ソアレスのサーブ

ソアレスのサーブに対し、リターンダッシュする綿貫

ソアレスのサーブに対し、リターンダッシュする綿貫(右)

サインプレーをする日本ペア

サインプレーをする日本ペア

笑顔を見せるソアレス

笑顔を見せるソアレス

マッチタイブレークが終わったあと、恐らくソアレスの提案でもう1試合やることに。今度は通常のタイブレーク方式だったようで、6-4の綿貫のサーブでマレーのリターンがアウトになり、そこで試合が終わりました(ちなみにこの時もソアレスが途中からスコアをコールしてくれたのでいくつで終わったのかわかりました)。

試合終了

試合終了

陣営とも握手

陣営とも握手

サインに応じるソアレス

サインに応じるソアレス

これは私の推測なのですが、恐らくタイブレークをもう1試合やったのはマレー / ソアレス側の配慮だったのではないかと思います。この後に日本ペアはダブルスの予選が控えていたので、練習試合とはいえ直前の試合で負けたまま本番の試合に臨ませるは悪いと思ってくれたような気がします(残念ながら日本ペアはキリオス / セレタニー組に大接戦の末敗れました)。

練習試合の後にソアレスはかなり長い時間をかけてファンのサインに応えていました。さっそくインスタグラムにこの日の写真をアップしてくれていたりと、ファンサービスが丁寧です。今回で4年連続の来日ですが、ぜひとも楽天のタイトルを取ってもらい、この先何年も日本に来続けて欲しい選手です。

追記:この練習試合の模様がyoutubeにアップされていました→こちら

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カテゴリー: ジャパンオープン, 観戦記 | 投稿者ステイバックダブルス 03:14 | コメントをどうぞ

2018年 楽天ジャパンオープン 観戦記②

2018年 9月29日(土) 予選1回戦

伊藤竜馬 6-4 1-6 6-3 M.マクドナルド

コイントス

コイントス

マクドナルドという選手のことを良く知らなかったですが、ATPのサイトによると一昨年プロ転向した23歳の選手だそうです。身長178cmと小柄ながら、現在の世界ランキングは80位をマークしています。

 試合は伊藤がフォアからもバックからも安定した深いボールを打ち、チャンスが来たところを仕留めるという非常にオーソドックスなテニスで第1セットをものにします。正直派手なショットがほとんどない地味な展開だったので、お客さんの盛り上がりとしてはいまひとつでしたが、とても堅実なプレーでした。

伊藤のフォア

伊藤のフォア

ところが第2セットは序盤でブレークを許すとそのままズルズルと悪い展開に陥ってしまいます。あれほど堅実だった第1セットとは打って変わってミスが増えてしまい、ラリーの早い段階でのエラーが続いた印象でした。また、ファーストサーブがあまり入らなくなったことにもイライラしていたようです。

非常に嫌な流れでしたが、第2セット終了後にトイレットブレークを取り、これで気持ちが切り替わったのか、第3セットはまたプレーの堅実さが復活し、アーリーブレークを奪って、このブレークを守り切って勝利しました。

トイレットブレークから戻った伊藤

トイレットブレークから戻った伊藤

試合終了

試合終了

ファンの声援に応える伊藤

ファンの声援に応える伊藤

負けてしまったマクドナルドもかなり長い間サインをしてくれました。

負けてしまったマクドナルドもかなり長い間サインをしてくれました。

この試合を私はたまたま伊藤の陣営の近くで観ていたので、陣営の人の会話が耳に入ってきたのですが、伊藤のテニスは段々良くなってきているようです。試合中は盛んに「脚、脚」というコメントが聞かれました。短いボールに対してもっと脚を使って前のポジションで捕らえてほしい、ということだったみたいです。

残念ながらこの後の2回戦で伊藤は綿貫に敗れ本戦入りは叶いませんでした。プレーが良くなってきているという陣営の言葉を信じ、また伸び伸びと力強いボールを打つ伊藤が観られる日を楽しみに待ちたいと思います。

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カテゴリー: ジャパンオープン, 観戦記 | 投稿者ステイバックダブルス 01:16 | コメントをどうぞ

2018年 楽天ジャパンオープン 観戦記①

2018年 9月29日(土) シングルス予選1回戦

D.クドラ 6-2 3-6 6-4 H.セバリョス

コイントス

コイントス。手前がクドラ、奥がセバリョス

クドラは世界ランキング65位の選手。予選にエントリーしている選手の中では3番目にランクの高い選手です。対するセバリョスは現在のランキングこそ154位ですが、最高位は39位をマークした選手。2005年以降にクレーコートでナダルに勝ったことのある数少ない選手の一人です。実力者同士のカードでしたが、同じタイミングで綿貫陽介の試合が組まれていたため、この試合は客席の少ないアリーナ2での試合となり、お客さんの入りもまばらでした。

試合はセバリョスのサーブでスタート。しかし、得意のフォアでのアンフォーストエラーが続き、いきなりサーブをブレークされてしまいます。次のクドラのサーブでは、なんとダブルフォルトが3つもあったため、即座にブレークバックに成功しますが、セバリョスのフォアの調子は上がらないままでした。

ただ、得意なショットが不調でもその日の持てる武器を駆使して戦うのがトップ選手です。途中からセバリョスはミスの多いフォアハンドでの強打を控え、攻撃は主にバックハンドのフラット系の強打を軸にしたプレーに切り替えていました。このバックの強打はインドアハードというサーフェスの相性ともマッチしたのか、効果的に決まる場面が多かった印象です。セバリョスは第1セットこそ3ブレークされてセットを失いましたが、内容的にはそこまで差があるようには見えませんでした。フォアが不発ながらもストローク戦では打ち勝つ場面も多かったように思います。

セバリョスのフォアハンド

セバリョスのフォアハンド

バックハンドのダウン・ザ・ライン

バックハンドのダウン・ザ・ライン

フォアをミスした後のジェスチャー。恐らくもっと回転をかけてボールを落とせ、という意味ではないかと思います。

フォアをミスした後のジェスチャー。恐らくもっと回転をかけてボールを落とせ、という意味ではないかと思います。

第2セットを奪い流れはセバリョスにあるかと思われましたが、ファイナルセットを取ったのはクドラでした。前述の通りストローク戦ではそれほど差がありませんでしたが、クドラは(第1ゲームこそ3本ダブルフォルトがありましたが)サーブが良く、苦しい場面でフリーポイントが取れていました。その一方でリターンが良く返せており、セバリョスには容易にフリーポイントを与えませんでした。この差があったことでセバリョスの流れを断ち切ることができたように思います。

サーブを打つクドラ

サーブを打つクドラ

クドラのフォアハンド

クドラのフォアハンド

クドラのバックハンド

クドラのバックハンド

勝利したクドラは予選2回戦で内山靖崇に勝利し、本戦進出を決めています。本戦では初戦でガスケと対戦します。

試合終了

試合終了

お客さんの拍手に応えるクドラ

お客さんの拍手に応えるクドラ

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カテゴリー: ジャパンオープン, 観戦記 | 投稿者ステイバックダブルス 00:04 | コメントをどうぞ