カテゴリー別アーカイブ: 観戦記

2018年 USオープン 観戦記 その④

2018年8月27日 アーサー・アッシュスタジアム(ナイトセッション) 女子シングルス1回戦

S.ウィリアムズ 6-4 6-0 M.Linette

試合前の会場。アメリカのミュージシャンのライブがありました。

試合前の会場。アメリカのミュージシャンのライブがありました。

ライブステージを撤収するスタッフ達。8時試合開始予定で、本当にギリギリまでライブをやっていました。

ライブステージを撤収するスタッフ達。8時試合開始予定で、本当にギリギリまでライブをやっていました。

オーロラビジョンに映るセレナ。これだけで大歓声があがりました。

オーロラビジョンに映るセレナ。これだけで歓声があがりました。

コイントス

コイントス

新しいウェアが披露されるとまた歓声が起こりました。

新しいウェアが披露されるとまた歓声が起こりました。

セレナの人気はさすがでした。オーロラビジョンに姿が映っただけでも歓声が上がっていました。試合は初対戦ということもあってか、序盤こそセレナが様子を見ていましたが、後半はねじ伏せにいった感じでした。

コートチェンジの間に観戦に来ている著名人の姿がオーロラビジョンに映ります。こちらはマイク・タイソン。

コートチェンジの間に観戦に来ている著名人の姿がオーロラビジョンに映ります。こちらはマイク・タイソン。

この方はジャーナリストのようです。写真に撮りそびれましたが、俳優のヒュー・ジャックマンも来ていました。

この方はジャーナリストのようです。撮りそびれましたが、俳優のヒュー・ジャックマンも来ていました。

試合後のオンコートインタビュー

試合後のオンコートインタビュー

コートを去るセレナ

コートを去るセレナ

 

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カテゴリー: 観戦記 | 投稿者ステイバックダブルス 11:59 | コメントをどうぞ

2018年 USオープン 観戦記 その③

2018年 8月27日 11番コート 男子シングルス1回戦

S.チチパス(15) 6-3 7-6 6-4 T.ロブレド

コイントス

コイントス

チチパスは去年の今頃までATPツアー本戦レベルで勝利したことがなかった選手です。今やグランドスラムでシードがついてしまうのですから恐ろしい成長ぶりです。

一方のロブレドは予選3試合を勝ち抜いて、久しぶりにグランドスラム本戦の舞台に帰ってきました。きっとさぞかし応援されるのだろうと思っていたのですが、お客さんは割とチチパスの応援の方が多めだった気がします。ただ、1回戦の中では間違いなく注目カードのひとつではあったので、お客さんの総数としてはかなり入っていたと思います。

この試合は途中からナイトセッションが始まってしまったので第2セット4-3の場面までしか観なかったのですが、そこまで観ていた限りでも今のチチパスとロブレドとの間には実力差があるのが見て取れました。ロブレドも凄くいいプレーをしていましたし、一方的な展開になってしまうようなことは無かったのですが、全体的にチチパスの方が重要な場面でギアをあげられる余力を残しながら戦っていた気がします。ロブレドも凄いボール打っていましたが、大事な場面ではさらに凄いボールがチチパスから返ってきていました。

回り込みフォアハンドを打つロブレド

回り込みフォアハンドを打つロブレド

バックのリターンを打つチチパス

バックのリターンを打つチチパス

 

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カテゴリー: 観戦記 | 投稿者ステイバックダブルス 10:47 | コメントをどうぞ

2018年 USオープン 観戦記 その②

2018年8月27日 13番コート 女子シングルス1回戦

T.マリア 6-3 6-3 A.ラドバンスカ

コイントス

コイントス

昨シーズン怪我などがあってランキングを落としてしまったラドバンスカですが、さすがに元トップ5の選手だけあって人気は健在のようでした。この試合のお客さんはほとんどラドバンスカの応援に来た人だったと思います。

ベンチに座っているラドバンスカ。いわゆるスポーツバッグではなく、普通のトートバッグを使っていました。

ベンチに座っているラドバンスカ。いわゆるスポーツバッグではなく、普通のトートバッグを使っていました。

私もラドバンスカ目当てでこの試合を観に来たのですが、対戦相手のタチアナ・マリアのプレーに完全に魅了されてしまいました。マリアはドイツの31歳の選手で現在の世界ランクは70位という選手です(私もこの試合を観ていた時点では全く知らない選手だったので後から調べました)。マリアのプレーの大きな特徴は女子では珍しい片手打ちのバックハンドでスライスを多用するところです。

基本的にバックハンドは全てスライス

基本的にバックハンドは全てスライス

パッシングの時はドライブ系のショットも打てます。

パッシングの時はドライブ系のショットも打てます。

このマリアのスライスが終始有効に決まっていました。マリアのスライスは回転量の多い滞空時間長いスライスで、これによって早いテンポのラリーを得意とするラドバンスカの攻めを巧く封じ込めていたように思います。また、セカンドサーブのリターンではチップ&チャージを多用し、これもラドバンスカにはプレッシャーになっていた印象です。マリア本人もラドバンスカが自分のスライスに上手く対応できていないと感じていたのか、試合の中盤以降はフォアでもスライスアプローチでネットに出ていく場面が増えました。

マリアのチップ&チャージ

マリアのチップ&チャージ

フォアのスライス

フォアのスライス

試合自体はほとんどマリアの完勝と言っていい内容だったと思います。驚いたことにこの二人の過去の対戦成績ではマリアの3戦全敗で、ラドバンスカから4ゲーム以上奪ったのすらこの試合が初めてだそうです。ラドバンスカは途中メディカルタイムアウトを取る場面があり、もしかしたら少し体調が悪かったのかもしれませんが、それにしてもマリアの出来が良かったと思います。

ラドバンスカはメディカルタイムアウトで血圧を測る場面がありました。

ラドバンスカはメディカルタイムアウトで血圧を測る場面がありました。

試合終了

試合終了

残念ながらマリアは2回戦で敗れてしまうのですが、スライスを中心にした多彩な攻撃は観ていてとてもおもしろかったです。また是非試合を観たい選手の一人になりました。

 

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カテゴリー: 観戦記 | 投稿者ステイバックダブルス 10:00 | コメントをどうぞ

2018年 USオープン 観戦記 その①

2018年8月27日 13番コート 男子シングルス1回戦

P.ロレンツィ 4-6 6-4 7-5 6-1 K.エドマンド(16)

コイントス

コイントス

ロレンツィは今年で37歳になる大ベテラン。厳密にはこの試合の時点で36歳8か月で、これはフェデラー、ロペスに続いて本戦入りしている選手で3番目に年長ということになるそうです。対戦相手のエドマンドとは13歳差という対決でした。応援は6:4ぐらいでエドマンドの応援が優勢だった気がします。

第1セットの序盤はロレンツィのショットが全体的に浅く、ほとんどエドマンドが決めるかミスするかでポイントが動いていた気がします。エドマンドがかなり伸び伸びとフォアハンドを打っていた印象が残りました。第1、第2ゲームでお互いのサーブをブレークしてのスタートでしたが、第3ゲームでまたエドマンドがブレークし、結局この1ブレーク差が埋まらず第1セットは6-4でエドマンドが取りました。

回り込みフォアを打つエドマンド

回り込みフォアを打つエドマンド

第2セットは第10ゲームでロレンツィがブレークして6-4でセットを取ります。このあたりからロレンツィのボールが安定して深く入るようになり、クレーコーターらしい粘り強いプレーが効いてくるようになりました。一方エドマンドはなかなかこれまでのように自由に攻められなくなり、要所でエラーが出てしまった印象です。

ベースライン後方で粘るロレンツイ

ベースライン後方で粘るロレンツイ

第3セットはこの試合で最も競った展開となり、結局7-5でロレンツィが取りました。このセットの途中でエドマンドに故障が発生したようで、第4セットはかなり一方的な展開になってしまいました。正直棄権してしまうのではないかというレベルで動けていなかったのですが、最後までプレーしたのはシード選手としての意地だったような気がします。

故障の部位はわかりませんが、しんどそうなエドマンド

しんどそうなエドマンド

ポイントを早く終わらせるため、無理な体勢とポジションからでも強打を試みていました。

ポイントを早く終わらせるため、無理な体勢とポジションからでも強打を試みていました。

勝利を決めたロレンツィ

勝利を決めたロレンツィ

握手

握手

既に報道されている通り、この日は非常に気温が高くコンディションとしてはきつかったと思います。その中で36歳のロレンツィは本当によく頑張りました。残念ながら次の2回戦で負けてしまうのですが、このところ同世代のフェレール、ユーズニー、べネトーといったベテラン勢が次々と引退を表明する中で、まだまだ頑張れるところを見せてくれました。一年でも長く現役を続けて欲しい選手の一人です。

 

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カテゴリー: 観戦記 | 投稿者ステイバックダブルス 02:33 | コメントをどうぞ

2018年 慶応チャレンジャー 3日目

慶応チャレンジャーの観戦をしてきました。IMGP1487

慶応大学のキャンパス内(キャンパスのはずれみたいなところ)でやっている大会です。写真にはコートが2面映っていますが、どちらも試合中で練習をしているわけではありません。すぐとなりのコートでも試合が行われるって、なんだか草トーナメントっぽいですが、プレーをしているのは正真正銘プロの選手たちなのが不思議な感じです。

大会3日目は単複とも1,2回戦が行われました。私が観戦したのは全てダブルスの2回戦で、全員初見の選手でした。

 

C.ルンカット/Z.ジェン 6-2 6-2 H.ペン/A.Siljestrom

コイントス

コイントス

ジェン(左)とルンカット(右)

ジェン(左)とルンカット(右)。ジェンはちょっと添田豪に似てると思うのは私だけでしょうか。

ペン(左)とSiljestrom(右)

ペン(左)とSiljestrom(右)。Siljestromは206cmの長身です。

チームのランキングとしてはペンとSiljestromのペアの方が上だった(このペアは今大会の第3シード)のですが、スコアを観てもわかる通り結構実力差があった気がします。とにかくルンカット/ジェン組のリターンが強烈で、ペン、Siljestormとも厳しい1stボレーを打たされる場面が目立ちました。

 

Sa.ラティワタナ/So.ラティワタナ 6-3 7-5 M.パーセル/A.ウィティットン

ラティワタナ兄弟。私は最後までどっちがどっちかわかりませんでした(笑)

ラティワタナ兄弟。私は最後までどっちがどっちかわかりませんでした(笑)

パーセル。線が細いと思ったら、なんとまだ19歳でした。

パーセル。線が細いと思ったら、なんとまだ19歳でした。

ウィッティントン。元全豪ダブルスベスト4の実績があります。

ウィッティントン。元全豪ダブルスベスト4の実績があります。

サンチャイとソンチャットのラティワタナ兄弟はタイの双子だそうです。ずっと二人組んでいるだけあってとてもプレーがなめらかで美しいダブルスだなと感じました。

リターンダッシュするラティワタナ兄弟

リターンダッシュするラティワタナ兄弟。今大会は準優勝しました。

ただ、この試合で印象的だったのは19歳のパーセルでした。彼のプレーは、良く言えば無邪気、悪く言えば真剣に勝ちにいっている感じがしない、という印象でした。まだ19歳である彼にとってはやはりメインはシングルスなのでしょう。今大会のシングルスは1回戦で負けてしまっていたので(同じオーストラリアのミルマンに敗退)、彼にとってはダブルスは消化試合に近かったのかもしれません。ただ、ダブルスも出来た方が将来的に潰しが効くので、できればもうちょっと頑張って欲しいと思いました。楽しそうにプレーする姿はとてもチャーミングだったので、その良さを残しながら良い選手に育って欲しいと思います。

チェンジエンドの時のパーセル、ウッティットン組。奥のコートで行われているシングルスの試合が気になっています。

チェンジエンドの時のパーセル、ウッティットン組。奥のコートで行われているシングルスの試合が気になっています。

試合終了

試合終了

 

T.カムケ/T.プッツ 7-6 7-6 M.ゴン/C.スーウェイ

コイントス。

コイントス。

プッツ(左)とカムケ(右)

プッツ(左)とカムケ(右)

ゴン(左)とスーウェイ(右)

ゴン(左)とスーウェイ(右)

実はこの両ペア、前週の京都チャレンジャーの準々決勝でも当たっています。その時はゴン/スーウェイが6-7 2-6 10-3のフルセットで勝利しています。しかし今回はカムケとプッツのドイツペアに軍配があがりました。

カムケとプッツは共にドイツの選手で、特にカムケはシングルスランキング64位までいったことのある実力者です。二人ともストロークを主体にした非常にパワフルなダブルスを展開していました。今大会はこの後決勝まで勝ち上がり、ラティワタナ兄弟を破って優勝しています。

4人の中で一番観ていて楽しかったのがスーウェイでした。この選手はWTAで活躍しているシェイ・スーウェイの弟なのだそうです。この人はとても感情表現が豊かで、自分がミスするたびに色んなリアクションでがっかりしたり、怒ったりしたりする姿が妙に愛嬌があって可笑しかったです。

お姉さんはポーカーフェースですが、弟は感情表現豊かです。

お姉さんは細いですが、弟は割とがっちりした体格です。

ただ、残念ながらプレーのクオリティーが一番低かったのもスーウェイでした。第1セットのタイブレークあたりから、リターンの返球率や1stサーブの入りが悪くなってきた気がします。カムケ/プッツ組もスーウェイが乗れていないのを感じていたらしく、第2セット5-4で迎えたゴンのサービスゲームではリターンを全てストレートアタックでスーウェイに集めていました(結果的にはゴンがキープしましたが)。それでも第2セット6-5で迎えた自分のサービスゲームをラブゲームでキープし、ここから波に乗っていくかと思われましたが、タイブレークでは再び崩れてしましました。

不発だったスーウェイのサーブ。どちらのサイドも非常に端から打つのが特徴です。

不発だったスーウェイのサーブ。どちらのサイドも非常に端から打つのが特徴です。

スコアラーのミスで一瞬5-8になるスコア。

スコアラーのミスで一瞬5-8になるスコア。

試合終了

試合終了

 

 

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カテゴリー: 観戦記 | 投稿者ステイバックダブルス 15:18 | コメントをどうぞ

2018年 デビスカップワールドグループ1回戦 日本vsイタリア 3日目

F.フォニーニ 3-6 6-1 3-6 7-6 7-5 杉田祐一

更新が送れてしまい、もうだいぶ前の話題になってしまいましたが、デビスカップ3日目の杉田戦の観戦記です。

スタンバるWOWOWの方々

スタンバるWOWOWの方々

コイントス

コイントス

ウォームアップ。フォアを打つ杉田。

ウォームアップ。フォアを打つ杉田。

実はこの試合、WOWOWの全仏オープンの放送でおなじみのフローラン・ダバディさんが観戦されていました。WOWOWの関係者席ではなく、本当に普通のお客さんの席で観ていたので、恐らく御自分でチケットを購入されたのでしょう。『アレー!』『がんばれ』『ドンマイ』と仏語、日本語、そして和製英語まで織り交ぜて応援をされていました。基本的には杉田の応援をされていたみたいですが、フォニーニが鮮やかなドロップショットを決めた場面では、嬉しそうに拍手を送っていらっしゃいました。お仕事としてだけでなく、本当にテニスがお好きな方なのが伝わってきました。

杉田のアドサイドワイドへのサービスエース

杉田のアドサイドワイドへのサービスエース

第3セット、レイトコールに激高するフォニーニ。

第3セット、レイトコールに激高するフォニーニ。

メディカルタイムアウトを取るフォニーニ。

メディカルタイムアウトを取るフォニーニ。

試合は第2セット第1ゲームがひとつのターニングポイントだったような気がします。フォニー二はプレーが雑になっており、このゲームはブレークを狙えたゲームでした。もつれた末にここを落としてしまったことでフォニーニが生き返るチャンスを与えてしまったような気がします。次の杉田のサービスゲームはブレークされてしまい、このセットは結局2ダウンで落とすことになります。

第3セットも先にブレークされて非常に嫌な流れでしたが、そこからこのセットを取ったときに、正直私はこの試合はもらったと思ってしまいました。フォニー二疲労を考えれば例えファイナルにもつれたとしても杉田の優位は動かないと思ったからです。しかし、既にご存じのようにフォニー二の底力は想像以上でした。

試合の終盤は第5試合に出る予定だったセッピもウォームアップを切り上げて試合を観に来ていました。フォニーニの勝利を確信していたのか、最初のサービングフォーザマッチをブレークされてもウォームアップに戻らず、そのままフォニーニの応援を続けていました。

フォニーニを見守るセッピ

フォニーニを見守るセッピ

勝者と敗者

勝者と敗者

既に語り尽くされていますが、杉田は本当に良く頑張ったと思います。この試合、フォニーニはいつもよりバックのスライスを多用していたような気がします。恐らく杉田の高い打点からのフォアを警戒してのことなのでしょう。ある程度プレーを研究されたうえでもワールドクラスの選手と互角に渡り合えるのですから、それだけ実力があるとも言えると思います。しかし、あえて厳しいことを言えば、この試合については応援、サーフェース、体力と全てが杉田に有利だったうえで負けてしまったのも事実だと思うのです。今後トップ30を見据えていくにあたって、こういう試合を落とさない強さが求められていくのかもしれません。

デ杯に関していえば、ベルギーがゴファン、ダーシスの2枚で決勝まで勝ち上がったことを考えると、日本も錦織、杉田の二人が揃えば決勝を狙える可能性も十分あるのではないかと思います(しかもダブルスに関してはたぶんベルギーより強いですし)。これからプレーオフになりますが、対戦する可能性がある国としてやっかいなのはデルポトロのいるアルゼンチンとティームがいるオーストリアといったところではないでしょうか。ブラジルも次はブラジルのホームですから、錦織がいない場合は結構厳しい戦いを余儀なくされそうです。

 

~追記~

杉田祐一について良い記事(こちら)があったので載せておきたいと思います。

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カテゴリー: 観戦記 | 投稿者ステイバックダブルス 23:36 | コメントをどうぞ

2018年 デビスカップワールドグループ1回戦 日本vs イタリア 2日目 

S.ボレッリ/F.フォニーニ 7-5  6-7  7-6  7-5  マクラクラン勉/内山靖崇

デビスカップの2日目、3日目の試合を観戦してきました。

イタリアのダブルスは当初の予定ではボレッリ/ロレンツィのペアでしたが、当日オーダー変更となりました。やはりボレッリとフォニーニは普段から組んでいますし、このペアで全豪オープンダブルスの優勝経験もありますから、フォニーニの方が良いという判断なのでしょう。また、今回のサーフェースはインドアハードでバウンドが低く、球足が速そうなコートだったためクレーコーターのロレンツィにとっては厳しいという判断もあったのかもしれません。

イタリアチーム。こうして並ぶとファビオ-ニ(右から2番目)の小柄さが目立ちます。

イタリアチーム。こうして並ぶとファビオ-ニ(右から2番目)の小柄さが目立ちます。

マクラクラン/内山組

マクラクラン/内山組の入場

こちらはスタンドの裏です。会場は本来は体育館でそこにテニスコートを敷き詰めていたようです。

こちらはスタンドの裏です。会場は本来は体育館でそこにテニスコートを敷き詰めていたようです。

コイントス

コイントス

試合は本当にどちらが勝ってもおかしくない試合だったと思います。特にマクラクラン勉のサーブが良く勝負所で200km/h台のサーブが決まっていました。4選手の中で毎回サーブ&ボレーをするのはマクラクランだけで、ボレッリはほぼステイバック、内山とフォニーニはステイバックを基本にサーブ&ボレーを時々混ぜていました。

試合の中でポイントとなっていたのは「片手バックのリターン」だったように思います。両ペア共にデュースサイドの選手が片手バックでしたが、サーブでこの片手バックを攻める場面が多かったように思います。ボレッリは第2セット以降このバックのリターンのタイミングが合い始め、リターンエースとなる場面がありました。マクラクランも頑張ってはいましたが、サーブ&ステイバックの選手に対してはもう少し強いリターンが欲しかった印象です。

ボレッリの片手バックのリターン

ボレッリの片手バックのリターン

マクラクラン勉の片手バックのロブリターン

マクラクラン勉の片手バックのロブリターン

第2セット終了時の岩淵キャプテンと嶋田コーチ。この時のジェスチャーからしてボレッリの片手バックについて話していたように思います。

第2セット終了時の岩淵キャプテンと嶋田コーチ。この時のジェスチャーからしてボレッリの片手バックについて話していたように思います。

惜しくも負けてしまった日本ペアですが、グランドスラムタイトルを有するペアにここまでの試合ができたことを考えると、今後が非常に楽しみです。勝ったボレッリ/フォニーニは試合後サインボールをスタンドに打ち込むことを求められていました。ボレッリはちゃんとやってくれたのですが、フォニーにはサインはせずボールを打ち込んだだけ。そりゃイタリアにとってはアゥエーのデ杯でサインボールを求める運営側もどうかと思いますが、フォニー二もトップ選手なのだから頼まれたことはきちんとやって欲しかったと思います。

試合終了

試合終了

3日目のラバー4のフォニーニvs杉田祐一の試合についても後日書きたいと思います。

 

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カテゴリー: 観戦記 | 投稿者ステイバックダブルス 23:20 | コメントをどうぞ

2017年 楽天ジャパンオープン 観戦記10/4その3

男子ダブルス2回戦

D.イングロット/ D.ネスター  4-6  6-4  10-3  D.シュワルツマン/ D.ティエム

コイントスの場面。ハイソックスをスタンバるネスター

コイントスの場面。ハイソックスをスタンバるネスター

1回戦は閑散としたShowコートでの試合になってしまったネスターですが、2回戦はナイトセッションのセンターコートになり、お客さんもちゃんと入っていて本当に良かったです。例えお客さんの多くがティエムとシュワルツマン目当てであろうとも冷や汗 (顔)何より良かったのはきちんとこの試合がテレビ放送されたことです。やはりネスターほどのキャリアの選手であれば一定数試合を観たい人がいるはずですが、みんながみんな平日の夜に東京で試合が観られるわけではないわけですから。

テレビ放送ではわかりにくかったと思いますが、DJケチャップさんが選手の紹介をした際、ネスターの年齢「45歳」を読み上げたときには会場にどよめきが起こりました。結構知らなかった人がいたみたいです。応援も「ディエゴー!!」「ドミー!!」のような感じでシュワルツマン/ティエムの応援の方が多かった気がします(まあ、イングロットも「ドミニク」ですが冷や汗 (顔) )。でもカナダの国旗を持っていらっしゃった方を少なくとも3名私は見つけました。

ウォークオンを待つ会場

ウォークオンを待つ会場

ウォームアップ中のネスター

ウォームアップ中のネスター

試合はイングロット/ネスターが第1ゲームでイングロットのサーブをブレークされ、結局この1ブレークを返せずに第1セットを4-6で落とします。第2セットは5-4のティエムのサービスゲーム40-40という、ほとんどこのセット唯一のチャンスだった場面をイングロット/ネスターがものにしてセットオールに持ち込みます。マッチタイブレークはここまで不調だったイングロットのサーブが良く決まるなど、イングロット/ネスターの流れが良くなり、逆転での勝利となりました。

私の贔屓目かもしれませんが、ネスターのプレーがとても良かったです。イングロット/ネスターはサーブのスピードではイングロットの方が速いのですが、サービスゲームが安定していたのはこの試合に関してはネスターの方だったと思います。第2セットではネスターの方が先にサーブを打っていました。また、リターンゲームでは第1セットではネスターがストローク戦を挑んでいましたが、第2セット中盤からはリターンダッシュをしてネットプレーでの勝負に持ち込んでいました。これは特にティエムにプレッシャーをかけていたと思います。

ネスターのサービスゲーム

ネスターのサービスゲーム

 

リターンダッシュするネスター(左下)

リターンダッシュするネスター(左下)

試合終了

試合終了

声援に応えるネスター

声援に応えるネスター

こんなマニアックなブログを読んで下っている方は既にご存じのことと思いますが、イングロット/ネスターは次の準決勝でマレー/ソアレスと対戦し、勝利まで後2本とせまりながら逆転で敗れました(スコアは7-6 1-6 9-11)。試合後の呆然とした表情のネスターがなんとも切なかったです。勝利の明暗を分けたポイントはいくつもありましたが、やはり最後に大きかったのはネスターがウォッチを促したボールがオンラインで入っていたマッチタイブレークの1ポイントだったと思います。ネスターの表情はこのポイントについての後悔が大きかったのではないかと思いました。

それでも…これほどに白熱した試合を戦える45歳が他にいるでしょうか。負けてしまったけれど、最高でした。

 

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カテゴリー: ジャパンオープン, 観戦記 | 投稿者ステイバックダブルス 00:13 | コメントをどうぞ

2017年 楽天ジャパンオープン 観戦記10/4 その2

男子ダブルス1回戦

J.ペラルタ/ S.ゴンサレス 6-3  5-7  12-10 A.クレシ/ M.マトコウスキ

コイントス。手前のクレシが準備中に始まってしまいました。
コイントス。手前のクレシが準備中に始まってしまいました。

当ブログではサービスゲームでステイバックするダブルスプレーヤーを特に応援し、取り上げています。チリのペラルタはそのサーブ&ステイバックでプレーをする選手で、以前別の記事でも取り上げました(こちら)。私としては生でペラルタの試合が観戦できて、しかも勝って嬉しかったのですが、素直に喜べない一面もありました。

試合の展開としては、第1セットはペラルタ/ゴンサレスが第8ゲームのマトコウスキのサービスゲームをブレークし6-3で先取します。第2セットは第2ゲームのペラルタのサービスを落とし、1ブレーク差が埋まらないまま、クレシのサービング・フォー・ザ・セットをを迎えるのですが、土壇場でブレークバックし5-5に追い付きます。しかし、第12ゲームのゴンサレスのサーブを落としマッチタイブレークへ。マッチタイブレークはクレシ/マトコウスキが1ブレークリードし、この差が縮まらないまま9-7でクレシのサーブという場面があったのですが、ここをまたペラルタ組がミニブレークバックし、最後はマトコウスキのサーブをミニブレークしてマッチポイントからの大逆転で勝利しました。

…という試合展開だけを書くとかなり白熱した試合だったのですが、内容としてはスコアほど盛り上がらなかったな、というのが率直な感想です。というのもこの試合は概ねクレシ/マトコウスキが決めるかミスするかで進んでいったからです。正直、試合全体として主導権を握っていたのはクレシ/マトコウスキの方だったと思います。しかし、ここぞという場面でのミスが多すぎました。ペラルタ/ゴンサレスもしっかり足元にボールを沈めており、簡単なボレーを打たせなかったというのはもちろんあるのですが、やはりマッチポイントが2本ありながら取りきれなかったあたりを観るとペラルタ/ゴンサレスが勝ったというより、クレシ/マトコウスキが落としたという印象がぬぐえません。

試合後、予定があったのか、疲れていたのかはわかりませんが、ペラルタとゴンサレスはそれほどサインには応じずさっさとコートを後にしてしまいました。ファンのためにもこういうことは大事にして欲しかったのですが…

ウォームアップするクレシ、マトコウスキ
ウォームアップするクレシ、マトコウスキ

マトコウスキとクレシは間近で観るとやはりマッシブでした。マトコウスキの体型に驚く人が多かったです(笑)。

ペラルタのサービスゲーム
ペラルタのサービスゲーム
ペラルタ/ゴンサレスのリターンゲーム
ペラルタ/ゴンサレスのリターンゲーム

ペラルタ/ゴンサレスは各セットともペラルタが先にサーブをし、ディサイディングポイントもペラルタがリターンをしていました。やはりなるべくストローカーのペラルタを後ろ、ボレーの上手いゴンサレスを前、という陣形を組みたいのだと思います。

練習の時のペラルタ

練習の時のペラルタ

練習のときのペラルタ
練習のときのペラルタ

ペラルタはストローカーらしい、しっかり相手の足元に沈むボール良く打てていました。一方でボレーは決して下手ではないですが、他の3選手に比べると突き玉に対してミスが多かった気がします。

ペラルタ/ゴンサレス組は2回戦でクラーセン/ラム組にもフルセットで勝利し、準決勝で内山/マクラクラン組と対戦します。

 

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カテゴリー: ジャパンオープン, 観戦記 | 投稿者ステイバックダブルス 23:39 | コメントをどうぞ

2017年 楽天ジャパンオープン 観戦記10/4 その1

男子ダブルス1回戦

R.クラーセン/ R.ラム  6-4 7-6(5)  F.スクゴール/ V.トロイツキ

左がトロイツキ/スクゴール、右がクラーセン/ラム

左がトロイツキ/スクゴール、右がクラーセン/ラム

 4番コートで行われたこの試合はwowowでも放送が無かったですし、オンデマンド配信も無かったので、まず簡単な試合の流れを書くと、第1セットは第4ゲームのスクゴールのサービスゲームをクラーセン/ラムがブレークし、結局この1ブレークを守って6-3で先取。この1ブレーク以外は両ペアともにブレークポイントも無かったと思います。第2セットもクラーセン/ラムが第3ゲームでスクゴールのサービスをブレークしますが、今度は次のクラーセンのサービスゲームでブレークバックを許してそのままタイブレークへ突入。タイブレークでは6-5でのスクゴールサーブをクラーセン/ラムが取って勝利となりました。

試合としては拮抗した試合でしたが、プレーとしてはやはりクラーセン/ラムの躍動感のあるプレーが目立ちました。観ていて「かっこいな」と思うプレーはやはりこの二人に多かったです。改めて華のあるプレーをする二人だなと思いました。

サービスゲームに入るトロイツキとスクゴール

サービスゲームに入るトロイツキとスクゴール

リターンゲームのスクゴール/トロイツキ

リターンゲームのスクゴール/トロイツキ

トロイツキ/スクゴールはスクゴールの方が長身ですが、各セットともトロイツキが先にサーブを打っていました。ディサイディングポイントも全てトロイツキがリターンを担当していました。

サーブを打つスクゴール

サーブを打つスクゴール

結果的にこの4人の中でスクゴールだけが2ゲーム自分のサーブをブレークされてしまいました。長身の割には2ndサーブが少し甘かった気がします。シングルスで予選を含め3試合既に戦っていたので、少し疲れもあったのかもしれません。トスアップの前のボールを突くときに、写真のように非常に低いところで突くのが特徴的でした。

リターンゲームのクラーセン/ラム

リターンゲームのクラーセン/ラム

以前「リターンサイドの入れ替え」の記事にも書きましたが、クラーセン/ラムは今シーズンからリターンを担当するサイドを入れ替えています。今大会はクラーセンがデュースサイド、ラムがアドサイドのリターンを担当しました。ディサイディングポイントはラムがリターンすることが多かったです。

5番コートのスタンドに入るお客さん

3番コートのスタンドに入るお客さん

この試合は最初はお客さんが50人ぐらいしか入っていなかったのですが、Showコートで行われていたマレー/ソアレスの試合が終わるとかなりこのコートにお客さんが流れてきました。結局4番コートのスタンドにお客さんが入りきらなくなり、3番コート側のスタンドにもお客さんが入っていました。マレー/ソアレスを観たい層のお客さんにはクラーセン/ラムが観たいお客さんも多かったはずなので、この2ペアの試合が重なってしまったのは残念でした。

コートを去るクラーセン。ちょっとピントが合ってませんが…

コートを去るクラーセン。ちょっとピントが合ってませんが…

試合後クラーセンはかなり時間をかけてファンのサインや写真撮影に応えていました。以前「いい人、クラーセン」の記事にも書きましたが、この選手は本当にファンと接するときに常ににこやかな笑顔で好感が持てます。プレー良し、人柄良しの選手です。今年の楽天は次の2回戦で残念ながら負けてしまうのですが、また来年もぜひ来て欲しい選手の一人です。

 

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カテゴリー: ジャパンオープン, 観戦記 | 投稿者ステイバックダブルス 02:04 | コメントをどうぞ