ブログ引っ越しましたよー。
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ご愛読くださった皆様、ありがとうございました。
引っ越し先でも変わらぬご愛顧のほどよろしくお願い致します。
終わりじゃないよ!俺達の旅はこれからだ!
みなさんこんばんは(・∀・)
将棋漫画『ハチワンダイバー』最終巻、35巻が発売されました。
私はアマチュア低段の棋力しかありませんが、わざわざ検索して来てくれた方のためにも
ハチワンダイバー35巻を初心者向けに解説していきます。
さてこの35巻は前巻から続くラストバトル、谷生vs菅田の一局です。
34巻の解説は こちら。
前巻は谷生の▲2四銀に対して、菅田君が△3四玉と軽くかわしたところ。
今にも詰まされそうな玉ですが、これが意外と捕まりません。
▲3五銀右△2三玉▲4二角。
直接王手をかけない、「玉は包むように寄せよ」という格言通りの攻めですね。
放置すれば▲2四銀△1二玉▲3三銀左成と、徐々に包囲網が狭まっていきます。
△4二同金▲同歩成△6六角▲2五桂△1二玉。
菅田玉は依然として包囲されたままですが、△1二玉と事前に逃げることで
一手だけ時間を稼ぎました。
この「一手だけ相手の攻めを遅らせる」という技術が、僅差の終盤では
大きな意味を持ってきます。
▲2三歩△4四角▲同銀△3七金。
谷生はさらに▲2三歩と包囲網を狭めましたが、菅田君がここで決めに出ます。
△4四角と銀を取って、戦力の補充を完了。△3七金はもう引くことのできない
踏み込みです。
▲3七同金△3九銀。
菅田君が迷ったように、有段者ならひと目▲3九角と打ちたくなりますが
△2九玉と引かれると、飛車の横利きがあるため詰みません。
谷生が「しっかりしろ」という表情を見せたのは、目先の逆転勝ちよりも
ここまで成長した菅田君を認め、彼と満足できる将棋を指したい、最後に
美しい棋譜を残したいというラスボスの矜持でしょうか。
▲1八玉△1七金▲同玉△2八銀打▲同飛△同銀不成▲1八玉△1七飛▲2八玉△3九角。
前図で3九に角ではなく銀を打ったのは、ここで最後に打つ角を残しておくという
意味でした。
プロ棋士は負けを覚悟すると、投了のタイミングを測ったりもします。
気持ちの整理をして、相手が見事な手を指したときに投了することが多いのですが
作中で谷生が言うように、この△3九角の局面は美しく、勝敗がわかりやすく
まさに潮時と言えます。
▲3九同玉△1九飛成▲2九金△3七龍▲3八金打△4八金まで。
谷生はこの将棋を「絶局」(人生最後の将棋)と覚悟して最後まで指しました。
もはや間違うはずもない簡単な詰みですが、生あるかぎり指し続けたいという
気持ちの表れでしょうか。
さて本局は▲6六歩という意外な初手に始まり、動揺した菅田君が得意戦法
「ハチワンシステム」を回避するという、やや菅田君の気合負けとも言える序盤
でしたが、危険な玉頭への攻めをかわして反撃。最後は僅かなスペースに 逃げ込み、
豊富な持ち駒で一気に寄せ切りました。
それにしても谷生vs菅田という最終決戦、私は谷生の新鬼殺しvs菅田の
ハチワンシステムという奇抜な空中戦を予想していたのですが、見事に外れましたね。
それも四間飛車・銀冠vs天守閣美濃というレトロな戦法。これは菅田君というより
作者の柴田ヨクサルさんの原点とも言える将棋に見えました。やはり愛着のある戦型で
最後を飾りたかったのでしょうか。
というわけで、将棋漫画「ハチワンダイバー」35巻にて終了です。
わざわざ「ハチワン 解説」などのキーワードで検索して見てくれたり、コメントを
頂いたりして、大変励みになりました。
拙い解説を最後まで見てくださって、ありがとうございました。
作者の柴田ヨクサルさんは、既にミラクルジャンプにて新連載「巫鎖呱」を
開始しています。30年ぶりに将棋を指してみたいところですが、まだまだ地元に
戻ってくる気はないみたいですね(・∀・;)
ヨクサルファンの皆様、新連載もよろしくお願い致します。
ふー。
これでやっとテニスブログに戻れる(・∀・;)
みなさんこんばんは(・∀・)
将棋漫画『ハチワンダイバー』34巻・35巻が同時発売されました。
私はアマチュア低段の棋力しかありませんが、わざわざ検索して来てくれた方のためにも
ハチワンダイバー34巻を初心者向けに解説していきます。
さてこの34巻は前巻から続くラストバトル、谷生vs菅田 の一局です。
33巻の解説はこちら。
立ち上がり意表を突かれてやや動揺した菅田君ですが、将棋を始めたばかりの頃の回想から早々に立ち直ってくれました。
そして選んだ囲いは「天守閣美濃」。おお、これは幼少の頃、作者の柴田ヨクサルさんと私が幾度となく戦った戦型ですね。これと全く同じ局面になったことも一度や二度ではありません。
この「天守閣美濃」、一見危険に見える三段目の玉が意外と寄せにくい曲者なのです。角の直撃を避け、横から攻めると玉が遠く、上から攻めても下に逃げられると広いという柔軟な囲いで、非常に苦労させられました。
ただでさえ私より強かった柴田君にこれで差をつけられ、さらに「居飛車穴熊」が流行してもっと勝てなくなったという苦い記憶があります(・∀・;)
優秀な美濃囲いですが、発展形があるのも魅力の一つです。
谷生の「銀冠(ぎんかんむり)」は美濃囲いの最終形で、上部が強く玉頭戦で威力を発揮します。横からの攻めにも3九に金銀や香などを打って補強したり、1七や3七に逃げ込むなど意外と耐久力があります。
また、菅田君の「四枚天守閣美濃」は見るからにガチガチで、どこから手を付けて良いのかわからないほどですね。
昔は「攻めは飛角銀桂、守りは金銀三枚」と言われたものですが、現代将棋は金銀四枚でガチガチに守りを固め、攻めは飛角桂のみという戦型も多くなっています。
△5五歩▲同角△5四金▲4五歩△同歩▲6六角△4四銀▲4六歩△2二角
▲4五歩△5五銀▲同銀△同金▲同角△同角。
中央の激しい応酬を菅田君が制しました。角金交換の駒得の上に飛車取りで角が飛び出して気持ち良い攻めですが、金銀二枚がいなくなった菅田陣はかなり薄くなりました。谷生側は手付かずの堅陣なので、総合的な形勢は互角と言えるでしょう。
▲9八飛△8六歩▲2五歩。
駒損した上に飛車を攻めに使えなくなった谷生ですが、それらは全て▲2五歩からの玉頭攻めを始めるための我慢でした。これが見た目以上に厳しく、攻守が逆転します。
△2五同歩▲5六金△2二角▲4四歩△同角▲4五金△4二飛▲3四金。
調子よく中央に踊り出たはずの角を目標に逆襲、極めつけは金のタダ捨てという強襲。飛車・角といった大駒は強力ゆえに相手に渡すことができず、狙われて逃げ回るという展開もよくあります。
この局面のように玉・飛車・角が近くにいると全部まとめて狙われてしまうので、「玉飛接近すべからず」という格言もありますね。
△3四同玉▲4五銀△2三玉▲2四歩△1二玉▲2三金△同銀▲同歩成△同玉▲4三歩。
「一歩千金」という格言通り、これは痛すぎる歩です。これを△同飛なら▲3四銀打から飛車・角を全部取られて丸裸の王様が残る屈辱的な負けとなるでしょう。
もはや飛車か角のどちらかを諦めるしかありません。
△5二飛▲4四銀△5七飛成▲2四銀△3四玉。
角を犠牲に飛車を成り込み、強気に攻め合いを挑む構えです。最後の▲2四銀を△同玉なら▲3五角の王手龍取りで終了ですが、そう甘くはありません。
それにしても一見危険な3四に体をかわすとは、菅田君もいい度胸をしていますね。これが意外と捕まえにくいので、まだまだ勝負はこれからのようです。
谷生がこのまま攻め切るか、菅田君が豊富な持ち駒で一気に逆襲なるか。決着は最終巻、35巻にて。
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さてこの33巻の第2局は鬼将会最終戦、谷生vs菅田 の一局です。
33巻第1局 菅田vsそよ の解説はこちら。
ラスボス谷生の 初手は▲6六歩。
将棋の初手は▲7六歩が約8割、▲2六歩が約2割、その他が1%程度と言われていますので、確かにこれは意表を突かれますね。
しかしプロの実戦例も多数ありますし、この1手で形勢がどうなるものでもありません。菅田君が動揺してしまったのは、この大事な一局の初手にいきなり奇策を用いられたからですね。
ウインブルドン決勝の最初にアンダーサーブを打たれたら、誰でも多少は驚くことでしょう。
△3四歩▲6八飛△8四歩。何のことはない、普通の四間飛車の立ち上がりです。
しかし菅田君は初手▲6六歩に着目するあまり、自分から得意戦法の「ハチワンシステム」を回避してしまいました。
居飛車党の菅田君なら多少不慣れとはいえ問題なく戦えるはずですが、今度はハチワンシステムで戦えないことに不安を抱いてしまいました。まだ4手目で、局面はもちろん互角なのですが。
局面進んで、戦型は谷生の四間飛車と菅田君の居飛車に決まりました。
私の感覚だと、4一に王様がいるハチワンシステムよりも、この形の方が天守閣美濃(2三玉)や居飛車穴熊(1一玉)に囲えるので、相手の攻め駒から遠くて有利な気がするのですが・・・やはり得意戦法にこだわりがあるのでしょうね。菅田君に焦りが見えるので、形勢は互角でも雰囲気は谷生ペースといったところです。
さて、いよいよラストバトルが始まりました。
谷生は「ハメ手」と呼ばれる奇襲や罠が得意なようですが、それらは正確に対応すれば逆に自分の首を絞めるものです。
スポーツでも相手を動揺させる、集中を乱すというのも戦術ではありますが、所詮は小手先の技術。開き直って集中している相手には通用しません。
いきなりの奇策に動揺してしまった菅田君ですが、開き直ることができるでしょうか?
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さてこの33巻は、32巻に引き続き鬼将会トーナメント決勝、菅田vsそよ の一局です。
32巻の解説はこちら。
32巻は△4四歩と、そよちゃんが菅田くんの銀を仕留めたところまで。
しかしこの銀はタダでは取られません。狙っている手順がありますね。
▲5四銀△同金▲2四香△同歩▲6三銀。
そよちゃんの金を動かし、質駒(いつでも取れる駒)だった2四の銀を取り、
▲6三銀と飛車・金両取りです。
ここだけ見れば気持ち良い手順なのですが、先手の玉頭に8六・7六と2つも
拠点があるので、駒を渡すのは怖いところ。△8二飛~△8七銀などの攻めを
呼び込んでしまう恐れがあります。
△8七銀▲同金△同歩成▲同玉△8六歩▲7八玉△6三飛▲同角成△7七銀。
そよちゃんが選んだのは、いきなり△8七銀の打ち込みでした。
今度は逆に質駒になっていた菅田くんの6三銀を奪い、再度△7七銀と
攻め立てます。これだけ相手に駒を渡して攻めるということは、反撃を恐れて
いないということ。そよちゃんには既に勝ちが見えていますね。
▲7七同桂△同歩成▲同玉△8七金▲7六玉△7四香▲7五歩△8四桂▲8五玉△5七馬。
これで次に△9四銀、△7五馬~△9四銀、△6七馬~△9四金など複数の詰みがあり、
菅田玉は必至(次に必ず詰む形)です。
相手玉に詰みはなく、自分の玉は必至。将棋の常識では既に勝負ありです。
しかし。
▲2三歩△同玉▲4三飛。
菅田くん渾身の「最後のお願い」です。応手を誤ると大変なことになりますが、
△3三桂と跳ねれば問題ありません。プロ並みの棋力なら、時間さえあれば
この飛車を取ることはまずないでしょう。
ましてや名人を倒したほどのそよちゃんが間違うはずは・・・
△4三同金▲4一馬△3二銀▲1五桂△3四玉▲2三銀△4五玉▲5七金まで
菅田くんの勝ち。
そよちゃんは▲4三飛を△同金と取ってしまいました。あとは王手王手で
追いかけ、▲5七金と馬を取り外して大逆転です。
そよちゃんの持駒に銀が残っていれば△9四銀で詰みですが、残念ながら
3二への合駒に使ってしまいました。
ちなみに△3二銀のところ△3二飛なら持駒に銀が残りますが、
やはり▲1五桂以下の王手で追いかけられて5七の馬を取られ、取られた角で
拠点の△7三銀を取り外されてしまうので結果は同じです。
(手順は長いので省略します)
△4三同金が敗着である理由は、▲4一馬のとき3二に合駒が必要になることと、
4三への逃げ道が塞がってしまうことでした。
本局は相矢倉から激しい攻め合いになり、一気に決めに出たそよちゃんが
押し切ったかに見えましたが、最終盤に菅田君の勝負手▲4三飛を
取ってしまうという痛恨のミスで大逆転となりました。
このようなミスは、一流のプロ棋士でも秒読みに追われたりすれば
しばしば起きるものです。
それに菅田君が▲4三飛を渾身の力を込めて信じて指したので、
そよちゃんもつい気圧されてしまったのでしょう。
ど真ん中のストレートでも、「打てるものなら打ってみろ!」という球は
なかなか打たれないものです。
テニスでも、思い切り強打されたボールがライン際に決まって
「カモン!」とか言われれば、なかなか「え、ア、アウト・・・」とは
言いにくいですからね。
将棋やスポーツに限らず、勝負とはそういうもの。
開き直って堂々としていれば、相手に迷いが生じるものです。
最後まで自分を信じて戦うことが大事ですね。
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いや、でもテニスブログだからね(・∀・;)
みなさんこんばんは(・∀・)
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ハチワンダイバー32巻を初心者向けに解説していきます。
さてこの32巻は鬼将会トーナメント決勝、菅田vsそよ の一局です。
お互いにプロ棋士を破った菅田君とそよちゃんの決勝戦は、ご覧の通り
相矢倉で始まりました。
矢倉は古くから伝わる戦型で、それこそ無数の実戦例があるにも関わらず
未だに解明されず、プロ・アマチュア問わず根強い人気があります。
ただし私は振飛車党なので、知識不足で解説しにくいのですが(・∀・;)
菅田君が角交換から敵陣に角を打ち込み先攻しますが、これに対して
そよちゃんは反撃の△8五歩。
これを▲同歩と取ると△8六歩と拠点を作られ、さらに放置すると
△8五角~△7七歩成で一気に潰されてしまいます。
ここに出てきた△8五歩は「継ぎ歩」、△8六歩は「垂れ歩」
という手法で、手掛かりのない場所に拠点を作る時などに使います。
以下、激しい攻め合いが続いて菅田君の▲2六香。
単純に飛車、香、角を玉頭に集中させてゴリゴリ攻めようという手ですね。
実戦ではこういう単純な「数の攻め」がわかりやすく、意外と受けにくかったりします。
△3九角▲6八飛。
作中でも言われている通り、△3九角に対して飛車を縦に逃げると
△6六角成▲同金△同飛が詰めろ(次に詰む形)になるので
そよちゃんが一方的に押し切ってしまうでしょう。
そこで菅田はあっさり▲6八飛。実は先程の▲2六香は攻めると見せかけた
フェイントで、まだまだ長い勝負にするつもりのようです。
△6五歩▲5七銀左△4五歩▲同銀△4四歩と進んで上図。
菅田君の銀が死んでしまいました。
しかしこれは、銀を逃がそうと思えば逃せたはず。菅田君、この瞬間に
何か狙っていますね。
激しい攻防が続いていますが、局面はまだ中盤の山場で形勢は互角。
ここからの数手で局面が大きく動くことでしょう。
というところで32巻はおしまい。この対局の決着は次巻に持ち越しとなりました。
決勝戦を制し、屋上で待つラスボス谷生と戦うのはどちらでしょうか。
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うん。テニスブログだけどね(・∀・)
みなさんこんばんは(・∀・)
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前回に引き続き、鬼将会トーナメント準決勝 中静そよvs神 の一局をご紹介します。
前回はここまで。そよちゃんの挑発に対して静かにブチ切れた森根名人の
猛攻が決まり、そよ陣の穴熊が壊滅したところです。
以下
▲8七同玉△6一金左▲2二飛成△6八角▲7五飛と進んで上図。
この▲7五飛は、取られそうな銀と香を守りながら、状況によっては
▲7一飛成から一気に攻め込もうという攻防兼ね備えた一手です。
一方的に攻められていたそよちゃん、これで持ち直したかに見えますが・・・
この△8四金が絶妙の切り返しでした。
ここでそよちゃんは▲7一飛成から森根名人の穴熊を壊滅させることが
できますが、この金のせいで即詰みに討ち取ることはできず
渡した飛車で逆に攻め込まれてしまいます。
そよちゃんの勝負手▲7五飛も取られ、またしても森根名人の
数十手に及ぶ猛攻が始まりましたが
攻めているうちにいつしか駒が少なくなり、盤上には龍と金、
持駒は香と歩が二枚だけ。
そしてこの▲3九桂が的確な受けで、いよいよ形勢は怪しくなってきました。
そして△2六歩に▲1八角。
「攻め駒を攻める」という強い受けで、ただでさえ少ない攻め駒が
身動きできなくなってしまいました。
△4六金▲4五角△同金▲2六龍。
とうとう森根名人の龍が取られ、逆にそよちゃんの龍が守備に戻っては
もう攻めが続きません。
△4六歩▲3四成香△5八角▲1八角。
再度の▲1八角で綺麗に受け切りです。
△2五香▲1六龍までそよちゃんの勝ち。
本局はお互いガチガチの穴熊に囲ったあと、そよちゃんの挑発を受けた
森根名人が静かにブチ切れ、猛攻に猛攻を重ねましたが
そよちゃんの的確な受けで徐々に攻め駒を減らされ、自陣の穴熊を残したまま
とうとう力尽きました。
テニスでも一方的に攻めている方が勝つとは限らず、
的確な守備でポイントを重ねた方が勝つ場合もありますね。
思い切り打つのは気持ち良いものですが、完全に守りに入られると
余計に体力と気力を消耗します。
自分のスタイルと相手のタイプを冷静に見極め、攻撃と守備を
使い分けるのが勝利への近道と言えるでしょう。
長くなったので今日はここまで(・∀・)
みなさんこんばんは(・∀・)
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私自身アマチュア低段の棋力しかありませんが、わざわざ検索して来てくれた方のためにも
ハチワンダイバー31巻を初心者向けに解説していきます。
さてこの巻で決着した将棋は、鬼将会トーナメント準決勝 中静そよvs神 の一局です。
仮面を取った「神」は森根名人でした。
名前の由来は現在の森内名人+関根金次郎十三世名人でしょうか。
ラスボスの谷生=谷川浩司十七世名人+羽生善治十九世名人との対比になっていますね。
局面は相穴熊から森根名人が△7五歩と仕掛けたところ。お互い陣形を整え
尽くした上で、いざ開戦です。
▲7五同歩△同角▲2八飛△4二角▲2四歩△同歩▲2二歩。
森根名人が7筋で突き捨てた歩を使って逆襲です。
これは△3三桂~△4五銀という調子のいい攻めがあることを承知で
「攻めて来い」と言っていますね。
そよちゃん、名人に対しても全く気後れしていません。
△3三桂▲2一歩成△4五銀▲1一と△7六歩。
望み通り、と金を放置して森根名人の猛攻が始まりました。
この△7六歩は、▲同金と取れば△4六銀▲同歩△5六歩▲同歩△6七銀
などの攻めが厳しくなりそうです。
▲6八角△3六銀▲1二と。
「ぬるい攻めだと▲2二と~▲3二と~▲3三とでボロボロにしますよ」
と言っていますね。
△4七銀成や△9五歩などの攻めが見えているにもかかわらず、
またしても名人を挑発します。
△9五歩▲同歩△4七銀成▲4九香△4六成銀▲同香△9七歩。
持駒を貯め込み、玉頭攻めを開始します。
度重なる挑発に名人は静かにブチ切れたようで、玉頭に殺到。
数十手後にはこうなってしまいます。
駒損お構いなしの猛攻で、そよ陣は壊滅。王様が一人になってしまいました。
対する森根名人の穴熊は手付かずの堅陣。もはや攻め合いに活路はなく、
そよちゃんが勝機を見出すには受け切りしかありません。
さて終盤、アキバの受け師の本領発揮なるか。というところで
この将棋は長いので次回に続く(・∀・)
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さてこの巻で決着した将棋は、鬼将会トーナメント準決勝 鈴木八段vs菅田の一局です。
鈴木八段の『新石田流』に対して、菅田君は居飛車。
このような振飛車 対 居飛車 の戦形を一般に『対抗形』と呼びますが、これは振飛車の専門家である
鈴木八段にとって絶対に負けられない形。師匠に対して、堂々と正面から撃ち合うつもりです。
局面は一気に進んで、中盤の山場。
菅田の飛車が全く働いていない上に、鈴木八段からは▲3四桂や▲1四歩など厳しい攻めがあり
素人目にも鈴木八段が優勢です。
さらにこの▲5三歩に対して金を逃げたり、△同銀と取ったりすると▲6二と からじわじわ攻められて
一方的な展開になってしまいます。
△5三同金▲同角成△同銀▲6三成桂△4四銀▲3四桂△2三玉▲2二金△1四玉。
鈴木八段の猛攻が始まり、あっという間に菅田玉が端まで追い出されてしまいました。
金など気の利いた駒が1枚でも手に入れば、▲1五香からいきなり詰んでしまいます。
▲5二成桂△同金▲3二金△3五歩▲6六銀と進んで上図。
△3五歩と飛車を押さえることで、2五~3四という玉の逃げ道を確保しました。
これで逆転か?というところでしたが、▲6六銀で中央で威張っている馬を消し
▲3三金~▲4一角が実現すれば、まだまだ鈴木八段の攻めは途切れません。
△3六歩▲5五銀△同歩▲3三金△1六桂。
一瞬の隙を突き、とうとう菅田君の逆襲が始まりました。
これまでは一方的に鈴木八段が攻め込みましたが、攻める際に駒をたくさん渡しているので危険です。
▲1六同香△同歩▲4一角△1五玉▲1八歩△1七香▲同桂△3五角。
鈴木八段待望の▲4一角でしたが、△1五玉と逃げられて僅かに捕まりません。
▲2六歩△1七歩成▲同歩△2六角▲1六歩。
作中でこの▲1六歩を「最後のお願い」=「最後の難関」と言っていますが、将棋ではよくこの
「最後のお願い」が出てきます。大抵これを間違えると逆転してしまう、怖いゲームなのです。
ここでも▲1六歩を△同玉と取ってしまうと、▲2七銀△2五玉▲2六銀△同玉▲2七香からの
即詰みで大逆転です。
▲2五玉△1七桂▲同角成まで菅田の勝ち。
以下▲同玉△1九飛▲2七玉△1六飛成▲2八玉△1九龍▲2七玉△2六銀まで
(▲2七玉のところ▲2八玉は △1七銀▲1九玉△1八銀打まで)の即詰みです。
本局は鈴木八段得意の振飛車・菅田君は居飛車の対抗形で始まり、中盤までは鈴木八段が
一方的に攻め込むものの、僅かに残した菅田君が豊富な持ち駒で一気に逆転。
将棋の世界で言う師匠超え『恩返し』を果たしました。
作中で「最後のお願い」▲1六歩のとき、鈴木八段が「しくじるなよ、越えてこい」と言っています。
もちろん弟子に負けるのは悔しいのですが、「越えてこい」と言うのも本心ですね。
私も負けず嫌いなので、テニスサークルの後輩に負けるのは非常に悔しいです。
でも自分が力を出し切って、後輩なり弟子なりがそれを越えてきたなら、同じくらい嬉しさも感じます。
遠慮はいらん、変な気遣いもいらん!ただ俺を越えて行け!!
と、今日も最後だけテニスブログらしくするのでした(・∀・)
みなさんこんばんは(・∀・)
将棋漫画『ハチワンダイバー』が発売されるとアクセス数が2倍になるテニスブログですよ。
そう。『ハチワンダイバー』30巻が9/19に発売されたので、「ハチワン 解説」「ハチワン 30巻」
果ては「ハチワン テニス」等のキーワードで検索して来てくれる方がいるのですが、
ド田舎に住んでいるため、まだ店頭で確認できておりません。解説記事は少々お待ちください(・∀・;)
この30巻、ハチワン菅田くんvs鈴木八段の一戦が決着ですね。
将棋の世界では弟子が師匠に勝つことを「恩返し」と言いますが、菅田くんは師匠の鈴木八段に
「恩返し」することができるでしょうか。29巻の最後では菅田くんが相当不利な局面に見えたので、
どう挽回するのか楽しみです。
過去の解説記事、将棋の関連記事は以下のリンクからどうぞ(・∀・)
旧ブログ - カテゴリ「ハチワン」
http://1000-1000.blog.tennis365.net/archives/category/20917.html
旧ブログ - カテゴリ「将棋」
http://1000-1000.blog.tennis365.net/archives/category/16519.html