ぶつぶつと独り言のように呟く土方さんの目がいつの間にか怖い程座っていることに私は気づく。
あれ、これってもしかして嬰兒奶粉過敏・・・。
「困りましたね・・・土方くんは」
その時、カウンターの向こうから見かねたように山南さんか声を掛けてきた。
「彼は昔からお酒が弱いんですよ。ですから、時々こうして酔い潰れてしまうんです」
「えっ、そうなんですか?」
「ええ・・・。今日は小春さんと一緒で、土方くんも少々調子に乗って飲み過ぎてしまったのでしょう」
そう言って微笑んだ山南さんに「はぁ・・」と曖昧な笑みを返すと、私は隣の土方さんに視線を向ける。
うわぁ・・・寝てる上網卡 香港・・・!
いつの間にかカウンターに突っ伏して寝息を立て始めていた土方さんを見て、私は愕然とする。
「小春さん、すみませんが彼を送ってあげてもらえませんか?」
「は?」
「女性にこんなことを頼むのは心苦しいのですが・・・私もまだ店の仕事がありますし、彼の面倒を見てあげられる余裕もありませんから」
酔いつぶれた取引先の部長さんを送るとか初めてのケースだ・・・。
だけど、確かにここに置いて行かれても山南さんだって困っちゃうんだろうな。
「はい・・・わかりました」
「すいませんね。じゃ今タクシーを呼びますので」
何故か面白がるように目を細めた山南さんは肝纖維化 症狀店の電話を手に「土方くんをよろしくお願いしますね」と微笑む。
「土方さん、土方さん!ほら、帰りましょう!送っていきますから」
「あー・・・んだよ、俺はまだ飲みてえんだ・・・」
「何言ってんですか。そんなべろべろになるまで飲んじゃって!」
「しょーがねーだろ・・・お前と一緒だと楽しくなっちまって・・・つい・・・」
ぶつぶつと訳の分からないことをぼやきながら目を擦る土方さんは、まるで子供のようだ。
一瞬、らしくなくて可愛いなんて思ってしまった私はいかんいかんと慌てて正気に返る。
「ほら、行きますよ!」
彼の腕を掴んで自分の肩に回させると、私は足元のおぼつかない土方さんをずるずると引っ張り歩き出す。
だけど、私の肩に凭れるように彼の頭が寄り掛かって来て、頬と頬が触れ合ってしまいそうなこの距離感に自然と足取りはぎこちなくなった。
しかも、お酒の匂いに混じって、土方さんの髪や首筋からほのかにいい香りが漂ってくるからもうなんていうかすごく困った気分になってしまう。
「気を付けてくださいね、小春さん」
「はい、でもタクシーに乗れば大丈夫ですから」
「いえ、そういうことを言っているのではないのですが・・・」
意味ありげに苦笑した山南さんに見送られ、私は土方さんを支えながら店のドアを開けると外へ出た。