日別アーカイブ: 2017年2月7日

葉月は気付かない

寂しくて縋りつかれているような、そんな気分になる。そして強く抱きしめてあげたくなるのだ。
(記憶が戻ったから?ずっと見守っていてくれalmo nature?狗糧たから?私…今、すごく安心してる)
葉月はごく自然に敦の背中に手を回したのだった。

翌日の正午頃。
敦の予想通り、待ちに待った救助のヘリが到着した。
敦の上司が迎えてくれ、生存者たちは小笠原の父島にある警察署に送り届けられた。
警察署に1室で控えていたらしい島の医師が簡単な検査をして、全員今のところ大きな問題はないといわれて安心した。
東京に戻ったら、一度精密検査を受けるように薦められる。
久しぶりに普通の町を歩き、ひとまず敦の上司が抑えてくれていたホテルに移った。
出港日までは数日あるので、それぞれ休むことにした。
それぞれシングルの部屋をあてがわれたが、葉月と敦は理事官の気遣いからか同室だった。
お互い少し困った顔をしていたのか、無表德國自由行情なエリート理事官は少しだけ首をひねって警察署に戻って行った。
お前は休んでろよ。」
敦は?」
仕事。報告して、報告書書いて…。はぁ…」
な、なんか手伝えることある?」
あるわけねぇじゃん。お前は寝てろ。風呂でも入って、何か食べてこいよ。はい、これ」
敦に渡された封筒には当面の生活費が入っていた。
とりあえずこれで必要なもの買っておいて。あ、俺のもな。領収書忘れるなよ!それから1人で行動するなよ。栄太さんかマリアと動く事!あ、あとヨシュアのことどうするか決まったら連絡入れるから!」
言い終わると同時に敦はネクタイを締めながら部屋を飛び出して行った。
葉月は取り残されて呆然としながら、ベッドに座る。
ヨシュアは島の小児科のある医院が預かって様子を見てくれるそうだった。
はぁ…。」
葉月は溜息をつきながら窓の外を見る。
やや遠くに見える海。
普通ののどかな町並みが広がっていて、ここが日本だと実感する。
(まぁ、カナンも日本なんだけどね…)
葉月はとりあえず熱い風culturelle 香港
呂に入ることにする。
そして少し寝ようと思った。

千寿栄太。30歳。雨宮宗次郎と千寿幸子の間に生まれた非嫡出子。学生時代から非常に優秀で、東京都下医大を主席で卒業後、都下医大病院外科病棟勤務。その後中東で戦場医をし、先日帰国。雨宮宗次郎との面会を予定している』
歩から送られてきたメールを食い入るように見つめていた葉月は、複雑な思い出奥歯をかみしめた。
葉月!」
部屋の入り口から敦に声をかけられたが、葉月は気付かない。
(お父様は、どうしてこの人と会おうとしているの…?医師だから?…跡取り問題のため?)
おい!」
っきゃ!何もう、ビックリさせないでよ」
何度も呼んだんだけど…。何見てんだよ」
なんでもない」
葉月はPCを覗き込もうとした敦から隠すようにメーラーを閉じた。
怪しいな。何隠してんだ?」
何も隠してないよ。歩くんから、パーティーでのお礼と、今度遊びに来たいってメールが来てただけ。」
へぇ…」

カテゴリー: 未分類 | 投稿者hgudkdfg 16:23 | コメントをどうぞ