日別アーカイブ: 2016年1月21日

それが本当だったら私も凄

「私の娘と主人の死は実は交通事故ではございません。娘と主人は暴漢に襲われたのです。
高校生の娘は今で言うストーカー行為を受けてまして
学校帰りに何度か後をつけられていたんです。
警察にも何度か相談をしたのですが・・・。
ある日、部活で遅くなると言った娘が予定の時間を過ぎても戻らず
それを心配した主人が駅まで娘を迎えに行きました。
家から歩いて直ぐの公園の入り口に娘の自転車が倒れてあり、
娘は、襲われてる処を主人に発見され、止めに入った主人を犯人はナイフで刺し
その後、犯人は娘までナイフで刺したのです。二人とも即死でした。
私は・・・何が起きたのか信じられずに何か月も、苦しみ続けました。」

「はな枝さんのご家族がそんな・・・酷い目に遭っていたなんて・・酷過ぎる。犯人はどうなったんですか?」

「犯人は未だ刑務所の中にいます。その犯人は家族に恵まれず
愛を知らずに育ったんだと後から聞いたのです。
憎しみは憎しみしか生まない。でも
私も忘れたくても忘れられないのです。娘と主人の無念を思うと・・・。
まだ17歳でした。主人も40歳・・・。まだ人生の半分も生きて無いのです。
こんな私を救ってくださったのが、花沢の奥様だったんです。
ボランティア活動をされていた奥様と被害者の会という処で知り合いました。
そして家族を全て亡くした私を花沢で雇って詩琳美容くださったんです。
類様は、その頃はまだお生まれにはなっておりませんでした。
奥様がご出産後、産後の具合が良くなくてフランスの田舎町に暮らす事になり
類様をこちらに残されて3年程療養しておられたのです。
類様は花沢の邸に一人になりました。その頃から人に対して興味を全く持たれずに
一人寂しく幼少期を過ごされました。3歳くらいからは奥様も日本に戻られたのですが
もうその頃には、類様とご両親の間には見えない溝が出来ておりました。
類様はとても繊細で、心の優しい方ですが、人を信じたり人を傍に置く事を苦手にしてます。
そんな類様がつくし様に心を開いて、進んで関わりを持たれようとされてるのには
理由があるんだと思います。つくし様が類様を初恋のお相手だとおっしゃいましたが
類様にもつくし様が初恋のお相手ではないのでしょうか?
わたくしはそう思います。」

「類さんが私を好きだと言うんですか?」

「はいそうです。」

「そんな訳は・・・。」

「いえ、私はそう思います。だからつくし様、お願いですから類様から逃げないでください。
お辛いでしょうが、きっと類様が守ってくださいます。
正面からぶつかってあげて欲しいのです。類様も未だ人間関係では弱い面をお持ちです。
類様のご病気の原因はつくし様と総二郎様の仲の宜しい姿を見てショックを受けたのです。
あの鰻の夕食の日でございます。あの日類様はお食事を仲良く召し上がるお二人を見て
声も掛けられずにお帰りになり熱をお出しになりました。雨に打たれてお戻りになった様です。」

「あの時類さんが私と総二郎さんを見てたんですか?」

「はい、それで苦しまれておりました。でもあのつくし様のゼリーでお元気になられて
それは本当に子供の様に喜んで。あのゼリーを食べるのが勿体ないって・・・。
でもお食べになると凄く美味しいって満面の笑顔で喜ばれたんです。」

カテゴリー: 未分類 | 投稿者shuaigebb 15:55 | コメントをどうぞ