テニスの全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)は10日、男子シングルス決勝が行われ、第1シードのR・ナダル(スペイン)が第7シードのD・ティーム(オーストリア)を6-4, 6-3, 6-2のストレートで破り、2連覇と11度目の優勝を果たした。オープン化以降、男女を通じて同一の四大大会を11度制したのはナダルが初で、前人未到の偉業を成し遂げた。
決勝戦、ナダルは2セットアップとすると、第3セットも1ブレークに成功と優位に立つ。その後、左手の治療を受けるなどで心配されたが、2時間42分で優勝を決めた。
表彰式でナダルはトロフィーを受け取ると、フォトセッションでは偉業の達成に涙を流した。
ナダルにとって同一大会で11度目の優勝は、モンテカルロ・マスターズ(モナコ/モンテカルロ、レッドクレー、ATP1000)、バルセロナ・オープン(スペイン/バルセロナ、レッドクレー、ATP500)に続いて3大会目。
4大大会で初めて決勝に進んだティエム(オーストリア)は王者の牙城を崩すことはできなかった。直近のマドリード・オープンでは勝利しており、今大会最強の挑戦者と目されていたが、結果はストレート負けだった。
どんなに強くショットを打ち込んでもコート深くに打ち返され、「相手のプレーがとてもよかった。それこそ彼が11回も優勝している理由。1回でも凄いのに、彼の凄さは一言や二言では言い表せない」と脱帽した。
ナダルの05年の全仏初優勝の時はまだ11歳。表彰式では「テレビで見ていたのに、ここで決勝を争うことになるとは思ってなかった」と感慨深げだった。ナダルには「この数年できっと優勝できる」とエールを送られ、「早くまた4大大会決勝の舞台に立ちたい」と再挑戦を誓った。