<テニス:ウィンブルドン>◇5日(日本時間6日)◇ロンドン◇男子シングルス2回戦
世界28位の錦織圭(28=日清食品)が、4大大会本戦自身最多の24本のサービスエースをたたき込み、芝の難敵に競い勝った。184位と世界ランクを落としているが、11年ベスト8で、最高17位にまでなったトミック(オーストラリア)を2-6、6-3、7-6、7-5の4セットで振り切り3回戦進出だ。この1勝で、大会15勝目。佐藤次郎を抜いて、日本男子単独最多となった。
直線的な球を、矢のような勢いで打ってきたかと思えば、全くの勢いがない死に球が飛んでくる。トミックのスタイルは、芝の球が弾まない特性を生かしたプレーで、錦織は、分かっていながらも手を焼いた。「どっちに転んでもおかしくない展開だった」。
危ない場面も何度もあった。第3セットの4-5での第10ゲーム。2本連続のセットポイントを握られたが、3本のサービスエースなどで逃れた。「今日はサーブに救われた部分はあった。ファーストでエースだったり、エラーを引き出せた」。その第3セットをタイブレークで奪えたのが大きかった。
課題と言われているサーブは、錦織自身もいろんな工夫を凝らしている。今大会から、第2サーブになったとき、ボールボーイから球を受け取るやり方に変えた。前までは、第1サーブの前に、2個球を受け取り、1個はポケットにしまっていた。
変えた理由は「一球入魂です」。実は「(第2サーブで)ボールを受け取るのがめんどくさくなる。だから、なるべくファースト(第1サーブを)を入れたいと思う」のが、正直な理由だ。それだけ、何とか第1サーブを入れようと考え、この日は64%が入り、自身最多の24本のエースにつなげた。
次戦は、テニス界の悪童キリオス(オーストラリア)が相手だ。対戦成績は錦織の3戦全勝。しかし、今大会、4番目に速い時速222キロのサーブは、芝では脅威だ。「何せサーブがすごい。攻略できるか分からないが、自分のサービスゲームをなるべく集中してやらないと勝てない」。それには、この日のサーブが必要になる。
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