テニスのウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝、グランドスラム)は15日、男子シングルス決勝が行われ、第12シードのN・ジョコビッチ(セルビア)が第8シードのK・アンダーソン(南アフリカ)を6-2, 6-2, 7-6 (7-3)のストレートで破り、2015年以来3年ぶり4度目の優勝を果たした。優勝を決めた直後には、センターコートの芝を3年ぶりに口にした。
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決勝戦、2時間19分で優勝したジョコビッチは優勝賞金225万ポンド(約3億3,400万円)を獲得。表彰式のオンコートインタビューでは「勝てて幸運だった。チームのみんなに感謝」とコメントした。
ジョコビッチは2014・2015年にも芝を食べて優勝の喜びを表現していた。この日は「芝の味は最高」と笑顔で語った。
元世界ランク1位のジョコビッチは前哨戦のフィーバー・ツリー・チャンピオンシップス(イギリス/ロンドン、芝、ATP500)で準優勝を飾り、今大会では第21シードのK・エドモンド(英国)、K・カチャノフ(ロシア)、第24シードの錦織圭、第2シードのR・ナダル(スペイン)らを破り、2015年以来3年ぶり5度目の決勝進出を決めていた。
一方、敗れたアンダーソンは四大大会初優勝とはならなかった。もしジョコビッチに勝利していると、南アフリカ人男子では大会史上初のタイトル獲得だった。今大会では準決勝で大会史上2番目に長い6時間36分の死闘の末に第9シードのJ・イズナー(アメリカ)を破り、決勝へ駒を進めていた。
【AFP=時事】14日に行われたテニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2018)の女子シングルス決勝で、セレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)を破り、ドイツの女子選手としては22年ぶりとなる大会制覇を果たしたアンゲリク・ケルバー(Angelique Kerber)が、2017年シーズンの悔しい経験が現在の糧になっていると話した。
昨シーズンのケルバーは、全仏オープンテニス(French Open 2017)で1回戦敗退を喫すると、ウィンブルドン4回戦敗退を経て、前回女王として臨んだ全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2017)でも初戦敗退。シーズンの終わりには、世界ランキングが直近の6年で最低となる21位にまで落ち込んだ。
それでも30歳となったケルバーは、セレーナを6-3、6-3のストレートで退けた試合後、「2017年のことがなかったら、この大会は優勝できなかったと思う」と話した。
「去年はたくさんのことを学んだと思う。周囲の大きな期待がある中で、さまざまなことを経験した。自分自身や周囲のこと、そうしたものとの付き合い方、1日のスケジュールの立て方について、いろいろなことを学べた。今は一瞬一瞬を楽しもうとしている」
今年は、そうした新しいアプローチが実っている。コーチにビクトリア・アザレンカ(Victoria Azarenka)やシモナ・ハレプ(Simona Halep)、キム・クライシュテルス(Kim Clijsters)さんらを指導したウィム・フィセッテ(Wim Fissette)氏を招くと、1月のシドニー国際(2018 Sydney International)で優勝。全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2018)ではベスト4、全仏ではベスト8に進出した。
ケルバーはこれで自身3回目の四大大会(グランドスラム)優勝を果たし、1996年のシュティフィ・グラフ(Steffi Graf)氏以来、久しぶりとなるドイツからのウィンブルドン女王となった。また、グランドスラム決勝でセレーナから2回以上勝利を収めた選手も、今回のケルバーがわずか2人目となっている。
グランドスラムの三つのタイトルすべてを28歳の誕生日を迎えた後に手に入れているケルバーは、遅咲きの要因について、もう時間があまりないという切迫感があることを認めつつ、自信がついたことも大きいと話した。
「私ももう30歳。これまでの日々でたくさんの経験を積んできた。準決勝に出場したり、決勝を戦ったりするのがどういう感覚かも分かっている。ウィンブルドンの決勝も1回経験しているし、ある程度の予測はついていた。それも、きょうは少しリラックスできた要因だと思う」
36歳のセリーナは、ウィンブルドンの女子シングルス決勝でアンゲリク・ケルバー(ドイツ)に3─6、3─6で敗戦。女子最多タイ記録となる24回目の四大大会優勝はならなかった。また、オープン化以降、母親としては4人目となる四大大会優勝も逃した。
セリーナはウィンブルドンで7回優勝の実績があるため、世界ランク181位ながら、今大会では第25シードだった。
10カ月前に長女を出産したセリーナは「本来の調子を取り戻すまで、しばらくかかる気がする」とコメント。「これはまだ始まりにすぎない」としながらも、「互角に戦えることを、この2週間で自分自身に証明できたと思う」とも語った。