「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/8月27日~9月9日/ハードコート)の大会13日目、女子シングルス決勝で第20シードの大坂なおみ(日本/日清食品)が第17シードのセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)と対戦。大坂が6-2、6-4のストレートで勝利し、日本人初のグランドスラムシングルス優勝という快挙を成し遂げた。優勝賞金は380万ドル(約4億2,180万円)。
第2セットもセレナのサービスから始まった。お互いにキープで迎えた第3ゲーム、またしても大坂が先にチャンスをつかんだ。必死にボールを追いかける大坂だが、ここはクロスに打ち分けたセレナにしのがれてしまった。
そして第4ゲームで大坂はセレナにブレークポイントを握られてしまった。しかし、ロングラリーの末にダウン・ザ・ラインを決めてしのぐ。デュースで再びセレナにアドバンテージを奪われるもサービスエースを決めてしのぐ大坂だが、4度目のブレークポイントをしのぎきれず、セレナにブレークを喫してしまう。
ゲームカウント1-3とした大坂は、続く第5ゲームでセレナのダブルフォルトからブレークバックのチャンスをつかむと、セレナのリターンはネットを越えることができず、大坂がブレークバックに成功する。これにはセレナも怒りをあらわにし、ラケットをコートに叩きつけて壊してしまった。
セレナはコーチングですでにウォーニング(警告)を受けており、このラケットを破壊した行為によって大坂に先に1ポイントが与えられた状況で第6ゲームが始まった。これにはコーチングのような卑怯な真似はしたことがないし、していないとセレナも審判に猛抗議。スタンドからは大きなブーイングも聞こえて来て、少し異様な雰囲気となった。しかし、大坂はそんな状況をものともせずにこのゲームをラブゲームでキープし、ゲームカウント3-3とした。
第7ゲームで大坂は見事なリターンエースを決めてブレークポイントを握ると、続くプレーで鮮やかなパッシングショットを決めてブレークに成功し、1ブレークアップとした。
審判に「あなたは嘘つきだ」と暴言を吐いたセレナに対し、ゲームペナルティが科せられた。そして第8ゲームは大坂がボールを握ることなくキープとなる。これにはセレナも怒り心頭で「これはフェアではない」「従いはするが、これはフェアではない」と声を荒げた。
そしてこの判定は覆ることなく、ゲームカウント5-3となったが、会場からは大きなブーイングが絶え間なく聞こえて来ており、大坂に少し不利な雰囲気となった。
第9ゲームはその異様な雰囲気の中でセレナがラブゲームでキープしたが、続く第10ゲームが大坂のサービング・フォー・ザ・チャンピオンシップとなった。そしてこれを取りきった大坂が優勝。
これで大坂は、自身初、そして日本女子初となるグランドスラムのシングルスで優勝を果たした。これまで、男女ともにシングルスの日本人の最高成績は、錦織圭(日本/日清食品)の2014年「全米オープン」準優勝だった。そしてこの優勝で大坂の世界ランキングは次回、キャリアハイで初のトップ10となる7位が確定。ちなみに日本女子の最高位は伊達公子さんが1995年11月に記録した4位。この優勝はこれからトッププレーヤーとして活躍していく大坂の大きな第一歩となった。