こんにちは!貴男です。
先日ほどの暑さではありませんが、良く晴れた東京です。空気が気持ち良いので、おもいきりテニスがしたい試合がしたい衝動になりますが、ここ我慢です。コロナウイルスの感染者が確実に少なくなっているからこそ、もう一踏ん張りだと感じています。
今日は、応援メッセージに送ってくださった2010年の全日本選手権の杉田戦(決勝戦)のことを書かせて頂きます。結果から言いますと6-1・6-3で杉田選手が勝って、全日本選手権初優勝を成し遂げます。ここ数年の彼の活躍を知っている方には、世界ランキング36位までいったし、全日本選手権を優勝するのは当たり前と思っている方も多いと思います。けっして全日本を獲らないと世界に挑戦できないとは言い切れませんし、選手やコーチによってはATPやITFのツアーを回って実力を付けてから全日本に挑戦するというやり方もいい思います。
僕の場合は、95年の4月(18歳)にプロに転向し、全日本で優勝したのが96年・97年・2007年なので、全日本で優勝してから世界に挑戦したという形に見えるだけです。実状は、プロに転向してからヨーロッパや日本での国際大会にも出場していたので、海外のツアーを回りながら全日本が開催される時に帰国して優勝を目指していました。当初は、優勝したら全日本には出場しないつもりでしたが、様々な事情があって翌年も出場し、決勝の「天覧試合」で勝って2連覇を達成できたことは本当に良かったと思います。
さて試合の話ですが、やるからには勝つ(優勝する)気持ちで挑んだ決勝戦でしたが、数ゲームが経過して感じたことは、そんな果敢な気持ちではなく「まずいすぐに終わる!?」という気持ちでした。杉田選手とは、これまで何度か対戦して若い頃に一度勝ったことはありますが、噛み合ったらゲームが取れないという感覚を味わうタイプです。この年に22歳を迎える杉田選手は、ツアーで結果を残し始めていたし、決勝という舞台でも伸び伸びとプレーし、付け入る隙を与えてくれませんでした。
全日本選手権の決勝戦というのは、NHKで放送されることもあり、これは全国ネットで完璧にやられる姿を披露しているようなものです。1-6・0-3となってチェンジコートの時にスコアーボードを見上げて、まだ30分ちょっとしか経っていないと焦ったのは忘れません。そこから勝つとかブレークバックしようという気持ちとは程遠く、少しでも自分の良さを出すことに必死でした。内容としては、終始ストローク戦ではテンポ良く左右に振られるし、ネットに出てもパスで抜かれるというプレーが何度も起こります。
リターンの能力が高いのは分かっていたので、サーブの球種・スピード・コントロールを試行錯誤したものの4回キープしただけ、リターンゲームでは、チャンスらしいチャンスはありませんでした。それほど完璧に抑え込まれた試合でしたし、正直言って恥ずかしく感じた試合でもありました。どこかで自分に期待していた部分があったし、決勝戦の内容としては誇れませんからね。そんな経験も今となっては貴重だと思いますし、準優勝したことで準優勝者の気持ちが分かった瞬間でもありました。その他の事に関しては、明日以降に書きます。
それでは、また・・・・・。貴男
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北海道札幌市出身。世界ランキング最高102位。武器はサーブ&ボレー 6歳でテニスをはじめ、堀越学園時代にインターハイで3冠(単複・団体)を達成。1995年にプロ転向。 四大大会では7度の本選出場を果たし、2003年のウィンブルドン選手権と2005年の全豪オープンで2回戦に進出。 また、ジャパン・オープンでは2度のベスト8進出を果たし、2005年には岩渕聡とのペアで日本人ペアとして初のATPダブルス優勝を達成。2006年大会では王者ロジャー・フェデラーから1セットを奪う大健闘を見せた。
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