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あまりに愚かで

香港の映画『十年』が、香港はもとよりアジア各国で大ヒットしているという。

言論や政治活動を制約する法律を施行させるために、ギャングを使って新中国派の雪纖瘦政治家暗殺を企てる話。
開発の名の下に、住宅地が破壊されてしまう。そこで昆虫の採集をする男女の話。
北京語の使用が義務付けられて、広東語しか話せない人がどうしていいかわからなくなる話。
香港独立を求めハンガーストライキで亡くなった青年と英国領事館前で焼身自殺した青年とのつながり。

そして、オプニバスの最後。
中国で教育を受けた子供たちが香港の伝統的な文化を政治状況に合わせて改めるという話。

どれも、今後十年以内に香港で起きてもおかしくない話である。
日本のように発言の自由が保障された国ではない中国で、この雪纖瘦ような映画を製作するには命がけの勇気がいることと思う。

このような妄想を抱くときがある。

ある日、青い空の下、芝生の上で日曜の午後を楽しんでいるつくば市民が目にしたのは、幾つものパラシュートである。それは筑波山から風に乗って滑空するパラグライダーではない。幾つもの白いパラシュートが青い空に映えて、皆が皆、その美しさに見とれている。

北に位置する文科省の高エネルギー研究所と南に位置する高層気象台、それに筑波宇宙センターに向けてのそれは降下であった。

同時に、これまで数年かかって準備されたのだろう。
郊外に設置された大きな敷地の太陽光発電所からは、重装備の軍事車両が整然とつくばセンターを目指して進み始めた。

つくばの最先端技術の研究、および活動場所をその支配下に置くための強制的な威圧行動である。センターから南北に点在する公園で日曜の午後を楽しんでいたつくば市民は、聞きなれない言葉に威圧されながら、ノバホールや国際会議場に閉じ込められた。

外部からの情報は遮断され、日本語での会話は全面的に禁止された。銃を持つ兵士の中には、市民が顔見知った男もいた。昨日まで共に働いていた同僚であり、ラーメン店の主人であった。

抗議した市民の何人かが射殺された。その現実に直面した市民はことの雪纖瘦重大性に気づいた。

つくばの街は周到な準備の元、外国の軍隊により占領され、技術とそれを持つ科学者が連れ去られているのだ。
技術を持たない市民は洞峰公園に移動させられている。一体、何のために……。

捕縛を逃れた市民は密かに雑木林や山に隠れる。怒りと抵抗への決意を胸に託して……。

カテゴリー: 未分類 | 投稿者bvbdcksd 16:43 | コメントをどうぞ