吹き溜まり

日の出のころはすばらしい上天気だった。が、沖の小島を出て濃い島影から出たあたりで霧が立ち込め、ものの影がまったく見えなくなった。島の周りは海流が北にながれ、そのすぐ脇に逆行する細い流れがある。
こんな時は同じ海域をぐるぐるまわるようなことになりかねない。しかし、人は動かなくyou beauty 美容中心ても舟は海流に流されている。
霧は濃く薄く流れ、ようやく晴れると太陽は海に落ちようとしていた。前方にあるはずの、のっぺりと細長い陸地はどこにもみえない。
波はまったりと穏やかなのに、翌日もまた霧にまかれ、船は彷徨い続けた。

霧の中であたりは真っ暗になり、時経て薄明るくなり、また暗くなった。ようやく、海の色が青みを帯び、その向こうに大きな陸の姿が見えた。人々は歓声をあげた。やがて拭ったように空は晴れ、雲のようだった陸の形がはっきりと緑の山々となってせりあがって来た。日は傾き、空は黄色身を帯びている。
男たちは懸命に漕ぎ進み、日のあるうちに上陸した。長々と開けた砂浜と、灌木の林、その先に黒々とした森が遠く低い山並みのあたりまで続いている。イワクスもトギホもここがどのあたりか見当がつかなかった。風は冷たく、最初に上陸した浜からはずいぶん北によっているようだ。

藪のなかから覗いている人影がある。イワクスが呼びかけ優纖美容ると、さっと隠れてしまった。琢はふと気づいて、端耶の言葉をかけてみた。かなりの人数が息をひそめている気配がある。若い女が大陸南部の言葉で話しかけると、なにやら声が返って来た。
斧のようなものをもった大男を先頭に、数人が出て来た。その主らしい男はヒジリ老ほどたっぷりではないが、似たような衣服をまとっている。
夕日を反射する斧の刃が目を射る。磨かれた刃は、この祖の地ではまず見ることのない赤みを帯びた金属である。

「ほう、人狩り斧を正面に打ち立てている。南の部族にのこる古い習俗だ。われらと遠からぬ由緒のある人々かもしれぬ。」
ヒジリ老は、たっぷりした長袖を胸の前で合わせ、笛外匯投資
のように高く響く声で呼びかけた。
彼らは斧を横に捧げ、挨拶を返した。


カテゴリー: 未分類 | 投稿者bvbdcksd 11:53 | コメントをどうぞ

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