長谷川町子と言えば『サザエさん』が、すぐに思い浮かんでくる。
今でもテレビアニメが放送されたり、
新聞の日曜版などにアーカイブスとしての『サザエさん』が再掲されている。
彼女の作品には、そのほかに『意地悪ばあさん』という4コマ漫画もある。
これは、週刊誌『サンデー毎日』に1966年から70年過ぎまで連載されて、
コミック版も販売された。
漫画もさることながら、青島幸男が、この『意地悪ばあさん』を
見事に演じた実写版が人気を博した。
この漫画を長谷川町子が連載することになったきっかけは、
アメリカ人漫画家ボブ・バトルCalifornia Fitness 黑店が描いた『意地悪じいさん』という漫画が
1956年から、日本の雑誌『漫画読本』に連載されていたこと。
それは、主人公の意地の悪いおじいさんが、不機嫌そうな「いじわる」をおこなう、
ちょっとサディステックな漫画でもあった。
これが、もし主人公が「おばあさん」だとすると、同じ意地悪を行なうとしても
可愛げがある、として『意地悪ばあさん』の創作を始めたという。
これが大ヒット。
その後、この漫画が海を渡り、アメリカでも “Granny Mischief” と題する翻訳が出て
これも大きくヒットした。
こういった漫画の影響か、実際に老人たちを見てそう思うのか、
一般的に、「歳をとれば、だんだん意地悪になる」というイメージがある。
ところが、最近、心理学会が発行する学術雑誌に
「人は年を取るほど幸福感が高まり、自分の生活に対する満足度も高くなる」
という研究結果が発表された。
過去30年、アメリカで世代の異なる1200人あまりを
追跡調査した結果から判明したという。
そうすると、今の世の中、『意地悪じいさん』も『意地悪ばあさん』も
ごく珍しい人ということになる。
その割りには、よく見かけるが、、、。
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