昨日、私が練習したコートの横で、小さな男の子と女の子がシングルスをしていた。
小学校5年生の男の子と女の子だ。
実は、それは私の練習相手のお子さんの男の子と、私の学校の後輩のお子さんの女の子だった。
もうお休みに入ったのだろうか、一昨日友達に練習を頼んだら、「明日は子供が家にいるけど、連れて来て誰かとテニスさせておけば平気だから良いですよ。」と言ってくれた。
私はその前の晩から、そのテニスクラブでよく会うお子さん2人がテニスクラブで明朝会った時、子供同士でどう挨拶して、どんな話をするのか、それを楽しみにしていた。
私は通常はテニスクラブに着いてすぐコンタクトレンズを入れ、手首のテーピングをして軽くストレッチをして(毎朝1時間かけてストレッチとトレーニングをしているので)、5分以内にはボールを打ち始めている。テニスは1時間、1時間半、時間がある時は2時間練習して、軽いストレッチをして、終わり次第数分でクラブを後にする。
昨日は少し早めに行って入念なストレッチをしていた。
「ナナさん、すみません!」と練習相手が男の子を連れてクラブハウスに入ってきた。男の子は照れがあるのかポーっと私の横を通り過ぎたので「おはよう!」と言ったら、「おはようございます」と小さなな声で言った。
女の子の方のママも入って来て、後輩だから「おはようございます!」と言ってくれ、女の子も遠い後輩なので「おはようございます!」とお辞儀をしてくれた。
クラブではメンバーの子供はコートが空いていればプレーできることになっている。「ナナさん、すみません。他のメンバーの邪魔にならないように、私たちが彼らの隣で練習していても良いですか?ボールがしょっ中飛んでくるかもしれませんけど」ということで、私は私より大分若いその男の子のママがちゃんとしているなと感心しながら「いいよ」と快諾した。
クラブハウスを出て行く時、まず男の子がガラスのドアを開けて外に出たが女の子は開けておいてくれると思い、そのまま出たのでドアに挟まれた。私だったら「何で開けといてくれないの?」と怒るところだがそこは子供。面白がってケラケラ挟まれたままで笑っていた。
すると男の子は数メートル進んでいたが「ちぇっ、仕方ねえなぁ」という感じで歩いて帰って来てドアを開けてあげた。
これが、宝塚の舞台なら、そこで恋が芽生える場面だ。でも、小さな2人はあっけらかーんとつまらなそうに歩いて行った。
そしてシングルスが始まり、私は隣で必死に練習していたか、時々サーバーが「フォーティー・サーティー」と言うとレシーバーが「サーティー・フォーティー」。もう一度サーバーが「フォーティー・サーティー」レシーバーが「サーティー・フォーティー」。サーバーは頭にきて「フォーティー・サーティー」と言いながらすかさずサーブする。という場面もあった。あれはどう解決したのか。
相手の球がアウトすると「はい、アウト!」と鬼の首を取ったよう。自分の打った球を「アウト」と言われると「えっ?」と疑わしそう。
と、そんな感じなのに、意外や意外なぜか喧嘩にもならずゲームは進んでいった。
何がおかしかったかというと、それは丁度私が彼らの年頃の頃、兄とシングルスをするときの様子にそっくりだった。
彼らはちゃんと試合を終えたが、私はほとんど兄とのシングルスを終えたことがない。だいたい負け始めると私がごねて「お兄がインチキしたー!」などと言って泣き喚いて試合を成立させなかった…。
うまいでしょ。これが試合の駆け引き…。じゃなーい!良い子の皆さんは、そういう誤魔化しをしてはいけませんよ。今京都に来ています。中野先生に借りた「火花」を早く返そうとのぞみの中で読んでいたら、こういうのが書きたくなりました。大作でしょ?
❤️❤️