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ばかりのジに染み

僕はとりあえず煙草に火をつけて、雨の様子をうかがった。 ついさっきまで賑わっていた商店街も、途端に人通りが絶えた。 無人の商店街を快適そうに車が走り抜ける。
ぼおっと周囲を見ていると、傘を持っていない人が多い中で、濃い化粧をした女性は必ず傘を持っていることに気付く。 なるほど、と思う。

雨はしばらく止みそうにもないので、10メートルほど先のスーパーに走り込む。 野菜売り場のひんDream beauty pro 脫毛やりとした空気が、濡れた体込む。 鮮魚コーナーで、刺身を見る。 迷った末に、生カツオにする。 ビールも買う。

しかし今回はそんな心配は杞憂に終わった。 ある意味で僕は進化したのかもしれない。 とにかく学習はしていたようだ。 映画を見ていて、「その30秒間」がやってきそうな気配をか感じると、僕はあらかじめ口の中の唾液を意識的に飲み込んだ。 アメリカンヌのセクシー度が頂点に達する遥か前のタイミングで。 これで僕は不毛な恐怖に襲われることはなくなったわけだ。 でも、しかし、やっぱりどこか悲しい。 「上手く生きて行く」とは、どこか悲しい。このライターは、煙草を吸わない友達から貰ったもので、以前の所有者のことは何も聞いていないのだが、何年間も使い込まれた感じが僕は気に入っている。 僕は?使い込まれた感じ」が好きだ。 ジーパンやTシャツは、色褪せてところどころ破れているくらいがいい。 買ったーパンを、わざと汚したりする。 「自分のもの」になっていく様子が好きなのだ。 なかなか「自分のもの」にならないときは、無理にでも自分の染みを付ける。 ギターのヘッドをガスコン迪士尼萬聖節ロで焦がしてみたりする。 それは、小学生が学校の机にコンパスの先で自分の名前やお気に入りのイラストを刻み付ける感覚だ。 愛着は心地よい。
ところがこのライターの場合は状況が違ってくる。 この金メッキの剥げ加減は、自分ではなく以前の所有者の愛着と繋がっているのだ。

数年前の僕だったら、このライターを見せられても、「こんな古びたライターいらないよ。どうせだったら自分で新しいZIPPOを買うよ」と言っていただろう。 でも今は違う。 「どこの誰だか知らないけれど、その人の元で数年を過ごして僕の手元にやってきた」というシチュエーションに心惹かれる。 そして僕は、少しだけ自分1064nm 激光に対する愛着を捨て、「誰でもない人」になった気がする。 他人がかつて愛着を持っていたものを持っていると、なんだか「自分」が少し薄くなるような気がするのだ。
それは神社のお守りを肌身離さず持つことで、自分ではない何かの力を得ようとすることに似ているのかもしれない。

カテゴリー: 未分類 | 投稿者pealou 12:18 | コメントをどうぞ