デ杯 盛り上がらない理由

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男子テニスの国別対抗戦デビスカップ ワールドグループ準決勝は17日、ベルギーが2年ぶりの決勝進出を果たし、フランスと決勝を戦うことが決まった。最終日は、シングルスのエース対決だった。キリオスが勝利すれば、オーストラリアが決勝進出だったが、7-6 (7-4), 4-6, 4-6, 4-6 という逆転でゴファンに敗れ、シングルス2試合目もベルギーが取り、ベルギーの大逆転劇だった。試合内容としてはとても見ごたえがあるものだったにも関わらず、盛り上がりに欠けるのが残念である。

ウインブルドンは、連日満員の観客で埋め尽くされ、チケットにはプレミアが付き、日本から決勝を観戦しに行くためには、雨天延期も含めた日程でツアーに参加するため1名当たり80万円以上の予算を組んで行く人もいる。深夜に放送され、録画をして見ているファンも多くいる。それなのに、世界トップの国を決める大会にも関わらず、結果が少しニュースで取り上げられる程度である。サッカーのワールドカップなら毎日テレビ中継されるだろう。野球でも、WBCの日本での人気はかなり高い。ワールドカップサッカーは、Jリーグが発足される前から世界的に人気が高く、日本でもテレビ放映されていた。日本のテニスが世界では通用していないかと言うと、そうでもない。今回は錦織、西岡、ダニエルの欠場も、杉田祐一、添田豪のシングルスでブラジルを破りワールドグループ残留を果たしている。
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団体戦の形式においての分かりにくさも指摘される。高校総体の予選もインターハイも、団体戦はシングルス2ダブルス1で勝敗を決める。大学のリーグ戦は、シングルス6ダブルス3の9ポイントだ。インターハイでは、シングルスとダブルスの重複出場は認められないためどちらかに出場する。デビスカップでは、シングルス4ダブルス1で勝敗を決める。シングルスは、ランキングが高い方の選手が第1シングルスとなり、試合の順序は、

第1試合 第1シングルス 対 第2シングルス
第2試合 第2シングルス 対 第1シングルス
第3試合 ダブルス
第4試合 第1シングルス同士
第5試合 第2シングルス同士

で行われる。よって、シングルス2名ダブルス1ペアが出場している。通常5ポイント制にするなら、シングルス3ダブルス2にするのが一般的である。そうなると層の厚い国が有利となるが、ダブルスとの重複出場も可能なので、夢のダブルスペアも作られる。例えばスイスならフェデラーとワウリンカが、スペインならナダルとフェレール、イギリスならマレー兄弟がダブルスペアを組むことが可能となる。しかも、シングルスにも出場する。

見ている側が面白いと思えて、世界一を決めるのに公平性があり、子どもたちに夢を与えるものであれば、デビスカップにも多くのスポンサーが付き、多額の放映権が支払われ、世界中でデビスカップを見て盛り上がる事が出来る。テニスが大好きな人ならば、常にスーパースターが居続けているだろう。ボルグ対マッケンローの名勝負を今も忘れられない人も多い。
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コナーズ、ビランデル、レンドル、ベッカー、エドバーグ、アガシ、サンプラスなど数々のスーパースターと共にテニスライフを楽しんで来たであろう。これからのテニスにおいて、国別対抗であるデビスカップを基に、サッカーや野球のような世界中に夢を与えるワールドカップに成長させていくことが今後の課題であろう。

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ライター:剛力健一(ごうりき けんいち)
スポーツライター、テニスでインターハイ出場。大学卒業後オーストラリア留学し、アスレティックトレーナーとして活躍。現在は、スポーツ記事の寄稿、講演活動を行う一方、地域に密着したスポーツイベントやスポーツクラブ作りにも参画。

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カテゴリー: 15-0 NEWS, 話題のニュース | 投稿者オールサム | コメントは受け付けていません。